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 第3回自立地域社会専門委員会議事概要
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  1. 日時

     平成17年11月25日(金)14:30〜16:30

  2. 場所

     船方農場研修室(山口県阿武郡阿東町)

  3. 出席委員(敬称略)

     奥野委員長、森野委員長代理、秋岡、梅川、小田切、清水(達)、清水(哲)、関根、松田

     
  4. 地元側出席者(敬称略)

     
    坂本多旦(みどりの風協同組合理事長(船方農場グループ代表))、山本繁正(山口市連合自治会長・仁保自治会長)、小野斌(阿東町長)、宮田博喜(山口県地域振興部次長) 

  5. 議事

    1
    山口県下における自立的な地域社会の形成に関する取り組み
    2質疑応答及び意見交換

  6. 現地有識者説明と意見 主な内容

    1坂本多旦氏(みどりの風協同組合理事長(船方農場グループ代表))
    • 農村を次の世代へ引き継いでいくには、現在の中山間地域の集落再編を考える必要がある。小学校区など大きな括りで再編しなければ、これから農村の意義は見いだしにくくなる。
    • 「国民総セカンドハウス」の時代をつくってもらいたい。適切な規模の農地を付けたマンションをつくっておき、東京から半年程度、阿東町に過ごしに来る、また阿東町民も東京で過ごすなど、都市と農村を行き来することは自らの地域への愛着を高める。集落の「おきて」は文面化する等都会からの流入者にも理解できるような伝承システムに転換すべき。
    • 東京での50万円の収入より阿東での25万円の収入の方が手元には多く残る。無理せずに続けていくうちに、村の新しい構図ができていくのではないか。今の若者でも、生活ギリギリの「限界給料」で楽しくやっていきたいという人間はいる。学歴関係なく、初任給が15万/月、35歳で350万/年の所得であるが、食べていける。
    • 船方農場の製品は、牛乳も米も市場価格より高い(宅配牛乳(900ml)1本:400円)が、消費者に支持されている。いずれ、日本にもそういう時代が来ると信じている。
    2山本繁正氏(山口市連合自治会長・仁保自治会長)
    • 仁保地区では、近代化された「古き良き農村」を断固として残そうと取り組んできた。近年、荒廃した事件等が多い中、ここでは学校でのいじめも、不登校もなく、評価が高い。
    • 人口の30%以上が高齢者であり、高齢者が生き生きと元気でないと困る。道の駅に商品を出すようになって、高齢者に元気が出た。経済効果は4.5億円(テナント含む)で、たいした金額ではないが、何よりも地域に元気がでるという効果は大きい。
    • 地域内交通を維持するため、運営費を市と自治会で負担しスクールバスを運営している。自治会の負担は、地域全員が距離に応じて一定額を負担する仕組みとした。子どもが減り、高齢者が増える中、今後は福祉バスとしても活用できるようにならないかと考えている。
    3小野斌氏(阿東町長)
    • 阿東町は、「農業」の町、「老人」の町。合併を望んできたが相手が得られない状況にある。人口構造は逆三角形で、労働人口は65〜70才が中心である。若者の不在は、リーダーの不在となり、集落としての機能を失いかけている。集落の機能は、必ずしも世帯数で決まるわけではない。世話役がいれば大丈夫なこともある。高齢者ばかりでは、世帯数はあっても機能が果たせない。少なくとも20世帯が集まらないと機能は果たせない。
    • 団塊の世代に期待を寄せている。田舎志向があるし、地域のリーダーとして活躍しているのは他所で働いてきた人達。数は大きくなくとも、リーダーとして期待している。
    • 高齢者の町で、農業の将来は大きな問題である。町内の生雲(いくも)地区で行われたアンケートによれば、今後10年以内に50%の農地が維持困難になる。
    • 集落の今後はどうなるかわからない。集落協定では最大で28の集落が一緒にやっていくことになったが、これを続けていくことは難しいだろう。近代的な考え方をする山口市に近い集落は個別集落単位の協定が多く、連携しようとしているのは奥の方の集落である。
    4宮田博喜(山口県地域振興部次長)
    • 山口県では「中山間地域づくりビジョン」の作成に取り組んでいる。ビジョンでは「くらし」がキーワードになる。
    • 地域コミュニティの範囲に関して、壮年層以下の世代では、それ以上の世代に比べて、愛着を感じる地域の範囲として小学校区を挙げる回答が多い。

  7. 主な発言内容
    • 坂本氏の報告で、これからは中山間地域や農業・農村が大きな役割を果たすという話があった。これは、行政でいうところの「多面的機能」であると思う。新たな国土形成計画の中に、「攻めの多面的機能」をいかに反映させ、支援する仕組みがつくれるかが農村に関しての課題である。
    • 阿東町長の説明では、町内に「限界集落」が生まれてくる中で広域集落づくりの重要性に焦点を当て、中山間地域等直接支払交付金制度を地域なりに活用していこうと連合集落的取り組みを進めていると感じた。
    • コミュニティが力を失い「限界集落」となった場合、どのような対応をするのか、というのが今日示された課題である。
    • 若い人にはITの利用環境が一つの鍵になるのではないか。また、地域の良さを翻訳してくれるNPOのような存在があれば、流入者もなじみやすいのではないか。
    • 都会住民が農村に来た時の楽しみは、安全なものを安心して食べられることもある。2割高くても良いから、良いものを食べたい人はいる。

    以上

    (速報のため事後修正の可能性あり)


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