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 第4回自立地域社会専門委員会議事概要
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  1. 日時
     平成17年11月28日(木)13:00〜15:00

  2. 場所
     合同庁舎第3号館11階共用会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     奥野委員長、森野委員長代理、秋岡、梅川、大垣、清水(哲)、関根、松田

  4. 有識者
    法政大学経営学部教授 佐野 哲氏
    (株)パソナキャリアアセット就職支援本部コンサルタント 関坂 義昭氏

  5. 議事等
    (1)開会
    (2)地域への人材の誘致等について
    (3)閉会

  6. 有識者説明内容  
    (佐野氏)
    • 都市住民の地域での就業は、転居を伴う労働移動であり、需要と供給はあっても需給調整のシステムの構築が非常に難しく、成功事例は限られている。
    • 1990年頃にブラジルの日系人を日本に移住したときのブローカーは、家族を伴っての移住であるため男女ペアで夫婦双方にコミュニケーションとフォローを行うなど非常にきめ細かい仲介を行い、需給調整がうまく行った。団塊の世代の地域での就業に関しては、このようなきめ細かい仲介が実現できていない。
    • 急成長した人材ビジネスは、スペックを明示したコンピューターマッチングを用いているが、このシステムは職能を明示できる人材以外にとっては能力不足。
    • 団塊の世代は婦唱夫随。どの人材ビジネスも、強い婦の意思決定に影響与えるような情報提供はできていない。
    • 都市住民の地域での就業に当たって必要となるのは、1仕事だけでなく生活などの周辺部分も含めた「情報提供」、2インターネットでの買物とは異なり、職業の選択は年収や健康にも大きな影響を及ぼすので「信頼性」、3就職後の「フォローアップ」。フォローアップは個別相談が必要であり、仲介者が官でも民でも非常にコスト高となる。
    • 地域での就業の受け皿はあるが、ロットが小さく(募集は1人だけなど)、低賃金。まとまった需要がありそうなのは福祉と農業だが、どちらも新規参入に当たっての制度的な問題があり、また地域社会が受け容れるかという問題がある。
    (関坂氏)
    • 40歳以降の求人が極めて厳しい中で、30〜50歳代向けの転職サイト(再就職支援)を求職側からは無料で実施している。
    • 年金受給額を含めての生活設計を行い、少し生活レベルを落とすか、田舎暮らし、あるいは外国暮らし(月10万円でメイドも雇って十分暮らせる)を希望する人が多くなっている。セカンドライフとしての田舎での起業の支援もしている。
    • 団塊の世代の中には、早めに退職して割増退職金をもらって田舎暮らしを始めている人もいる。
    • 地方では、空家があっても売りも貸しもしないケースが多い。

  7. 主な発言内容

    • 団塊の世代の地方への移動は期待できるのか。
      → きめ細かな情報提供を行う仲介システムの確立が必要。出身地に戻るということはあるかもしれない。
    • 佐野氏は地域と賃金のミスマッチがあるという一方で、関坂氏は企業からの求人はあるという。実態はどうか。
      → 応募者へのコンサルティングを行うことにより、本人が考えていなかった別のジャンルを見つけ出すことができる。収入が下がることについても、実態を認識すれば理解する。
      → 今までの2分の1、3分の1の収入を受け入れられるか疑問。人材銀行で再就職した人のその後もバラ色ではなく、収入が低いので複数の仕事を持つこともある。
    • 大都市周辺への再就職希望が多いようだが、田舎暮らしを志向する流れはあるのか。
      → 暮らしは田舎志向があるが、収入の問題があるので職があるところに再就職を希望する。90%は再就職、残り10%は仕事よりも生き甲斐追求型、そのうち半分くらいは起業志向を持っている。実際に田舎に住むのは5〜7%。
    • Uターンはありうるが、東京生まれの人で地方に行く人はいるのか。
      → 多くはないが、東京に住むと高すぎると見切りをつける人はいる。
    • 団塊の世代は、退職金・年金をもらえる世代であり、連帯感を持つ世代なので、トレンドになればいっせいに移住する。
    • 地方には消費がまず必要。雇用はなくても移住するだけで、消費による乗数効果がある。
    • 退職後の生活については2007年以降熟年離婚が増加して、動きが変わる可能性がある。
      → 再就職のアウトプレースメントに乗っている人も「勝ち組」、それ以外の人のことを考える必要がある。
    • 予想以上に地域側の受入の度量が大きくない。地域の意識改革が必要。
    • 必ずしも地方に就労しなくても農家の手伝い、ITで情報発信など活性化の主体になれるのではないか。
    • 雇用にこだわらず、ベースは都会にあって継続的な往復という形、雇用のない田舎暮らしでもよいのではないか。

    (速報のため、事後修正の可能性があります。)


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