国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
国土審議会計画部会 第9回産業展望・東アジア連携専門委員会議事概要

 

 

 

 



 国土審議会計画部会 第9回産業展望・東アジア連携専門委員会議事概要
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  1. 日時 平成19年1月25日(木) 10:00〜12:00

  2. 場所 国土交通省国土計画局会議室

  3. 出席委員(敬称略)
     寺島委員長、藤田委員長代理、石森委員、木下委員、櫻井委員、進藤委員、宮川委員、山崎委員(計8名)

  4. 議事
    (1) 開会
    (2) 議事,br> 広域ブロックの戦略の検討に当たって 産業展望・東アジア連携専門委員会検討状況取りまとめの検討 その他
  5. 閉会

  6. 主な発言内容
    (1)広域ブロックの戦略の検討に当たって
    • 平成大合併で3,232あった基礎的自治体は2007年3月末には1,804になり、また、新潟、堺、浜松が政令指定都市に加わり複数政令市を持つこととなる4県の役割が微妙になるなど、道州制に向かって加速している。
    • 各県の国立大学を分校方式に転換するなど国立大学のあり方の見直しや、広域的なインフラ整備・産業政策などの点で広域ブロックの議論も実りがある。九州は約9割の人が福岡空港を使っており、空港を福岡県だけで議論することはできない。自治体、経済界も広域単位で生き残ろうとする流れはでてきており、ブロック単位で資源をフル活用して発展していくための枠組みとして広域ブロックの意味はある。
    • 広域ブロック単位で物事を考えているのは電力会社。その点では、国の出先機関とは一致しないが、新潟を東北に入れた今回のブロック割りは合っている。
    • 情報や諸機能の分散も考えるべき。これらが首都圏に集中している中で、ブロックが自立しバランスの取れた成長をしていくのはなかなか難しい。首都機能移転問題は現在は止まっているようだが、また動き出すことになるだろう。
    • 最近、北部九州では自動車産業の集積が進んでいるが、これまでの県単位から、最近では大分、熊本と連携する動きもある。観光連携も進んでいる。
    • 東アジアとの連携を考えると、形の上では九州が先行しているが、北海道はオーストラリアやシンガポール、中国、韓国から観光客が増加しており、また、ロシアとの交流も進んでいる。たしかに、公共投資に依存している面はあるが、北海道にはかなり潜在力はあるとみており、システムとしてどう生かしていくかではないか。
    • 東京集中は望ましくないが、それをもたらしている要因を分析すべき。人口の飽和で国内市場は伸び悩み企業の収益の源泉は海外市場へ。一方で、イコールフッティングの観点から法人税率は上げられず、また、情報・人材アクセスの観点から企業は東京に本社を置かざるを得ず、税収の偏在起こっている。とはいっても簡単に解決できるわけではなく、できるところから議論していくべきではないか。
    • 産業構造の変化で、製造業のシェアが低下し、サービス化が進むと見込まれるが、サービス業は人口規模との繋がりが強い側面もあり、人口減少が進む中でサービス業依存が高まると地域格差が拡大するのではないか。その中で広域ブロック単位で何ができるか、生産性の尺度から考えるべき。格差拡大による人口流出をどう食い止めるかも重要。
    • ブロックを形成するに当たって、経済指標でみて自立に向かっているかを測ることになるが、その指標は公表する府省によりブロックの単位がバラバラである。今回のように政府としてブロック単位で施策を展開しようということならば、データの取り方を統一すべきではないか。
    • フィンランドではノキア、中部ではトヨタで養っていける。国際的な大企業を育成するという考えが1つあり、その一方で英国のように外資に開放して雇用・所得を生み出していくという戦略もある。
    (2)産業展望・東アジア連携専門委員会検討状況取りまとめの検討
    • 基本的な発想として、アジアとの連携は当然のこととして、グローバル化の原動力である情報革命について基本認識として触れておくべき。また、多様性を高めることも重要。
    • 国際労働移動の問題について触れていただいているのは結構だが、留学生と同じくらいのセクションをとって書くべき。
    • アジアとの協調といっても競争力がなくてはいけない。日本を取り巻く現状はシビアなので、もっと危機感を訴えるような記述も必要。少子高齢化で貯蓄率も低下し、長期的に円レートも減価していく。
    • 東アジア連携の前提として、ユーラシア大陸の時代であるという認識。日本がユーラシア大陸で起きる成長の果実をどう取り込むか、アジア連携をどうするかという視点が重要。
    • 90年代後半以降のアメリカとEU、日本の生産性の差の原因はICTusing産業。
    • 日本語教育の推進もいいが、教育産業という視点では高等教育での英語授業の充実が重要。英語の授業がないから、海外から研修生の派遣ができない実態もある。
    • もう少しメリハリある記述とすべき点がある。総合交通体系との文言は入っているが、なぜ「総合」かというと、アジア連携といった場合に空港、道路、港湾一体となった戦略的・体系的整備が必要。港湾の記述に偏っている。羽田の再拡張や地方空港の整備、道路では外環道の整備はアジア連携のためには不可欠。
    • 連携する分野も明示すべき。エネルギー、環境、食糧、金融ではないか。石油の共同備蓄、中国の環境問題、環日本海の生態系、中国の食糧、アジアの圧倒的な外貨準備をアメリカでなくアジアの共通利益に資するプロジェクトでの活用といった視点が重要。
    • 東京と比べる視点から転換すべきであり、アジアの都市のランキングや大学ランキングもあればいい。世界規模でトップレベルでないと連携できない。地域の中でアジア、世界レベルのものをどう育成していくかが重要。
    • 港湾・空港周辺の開発をどうするかも重要。臨海部とくに西日本の臨海部に競争力のある素材産業が立地しているが、臨海港の劣化により競争力を失いつつあり、そのリフレッシュが必要。素材産業の原料を運ぶ船では今や水深25m必要な場合もあるが、瀬戸内海で対応できるのか。
    • 世界では8,000TEU、これは戦艦大和の2倍ほどであるが、のコンテナ船が239隻計画されているという。それが寄港するためには水深16m必要であるが、日本のコンテナ対応の港湾では1、2箇所しか対応できない。
    • 東アジア連携の分野としてエネルギー、環境、食糧、金融に加えて観光も重要。日本全体として観光への意識が低いなか、今回の国土形成計画で観光をどう位置づけるか。港湾、空港、道路整備も必要だが、文化資本の整備も重要。
    • 取りまとめ素案の東アジア連携の理念は存在感を発揮しつつ、貢献していくこと、ではないか。
    • 同じく素案の中小企業の記述に、海外のエンジニアレベルの人材活用の視点も盛り込むべき。日本語ができて、技術力がある外国人はそこそこいるが、日本の組織文化・ビジネス文化に馴染める人材の確保が重要。また、総合交通体系のところは、鉄道も重要であることや、中国人の旅行者については、これから何も努力しなくても日本は魅力があるから当然旅行者が来るというニュアンスではなく、どう取り込むかを示すべき。
    • 取りまとめではエネルギー問題がよく取り込まれている。我が国のCO2排出については、試算したところによると運輸部門が大きく増加する。アジアとの関係では環境技術で日本は大いに貢献できることから、成長著しい素材産業関連の省エネ・環境技術などに着目したアジアへの売り込みが重要。

    以上

(速報のため、事後修正の可能性があります。)


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