国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
交通政策審議会海事分科会第4回ヒューマンインフラ部会議事概要

 

 

 

 


 交通政策審議会海事分科会
 第4回ヒューマンインフラ部会議事概要

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  1. 日時
     平成19年6月13日(水)13:30〜15:30

  2. 場所
     国土交通省 3号館11階特別会議室
     
  3. 出席者
    <委員、臨時委員>(敬称略)
     杉山雅洋、山村レイコ、今津隼馬、大日向正文、栢原信郎、来生新、鈴木邦雄、藤澤洋二、深澤旬子、真木克朗、松尾正洋、村木文郎

    <国土交通省>
      冨士原康一海事局長ほか

  4. 主な議題
    議題1.中間とりまとめ(素案)について
    議題2.自由討論・意見交換
    議題3.その他・今後のスケジュール等

  5. 議事概要
     事務局から議事等について説明がなされた。
     これに対する意見交換、委員からの要望等は次のとおり。

    • 中間とりまとめ(素案)は全体として賛同できる。これまでの部会において内航船員確保の議論の際には、かなり具体的に船員のソースを明示してきたと思うが、そういうところをもう少し明確にすべきである。

    • 中間とりまとめ(素案)はよくとりまとめられているが、雇用する側から見た分析が中心であり、雇用される側の視点が足りない。東京海洋大学の講座で学生に教えている経験をもとにすると、学生から見て、海運業界は生涯安定した職域であるとの認識が持てない状況である。そのような状況において、一部の大手海運会社以外の多数の中小零細企業に行くという選択を、果たして学生ができるかどうか雇用される側の現実問題にも目を向けるべきではないか。現在、雇用する側である海運会社が大手及び中小零細企業と二極化している状況で、若年船員を集めることについては、海運業界の自主的な努力だけでは解決できない問題が現実にはあるのではないか。

    • 表題に関しては賛同である。退職海上自衛官の船員への活用に関してだが、自衛隊にいる知人の話によると、退職自衛官が内航への転職を考えたときに、荷役がある等働き方に相違があり、躊躇するようだ。陸上への転職については、職業訓練センターを経て就職するというプロセスがあるが、海上への転職についてはそのようなプロセスが欠けている。また、船員として働く上では、海運業界の中で、ハード面及びソフト面が標準化されていた方が分かりやすいが、実際にはハード面及びソフト面ともに標準化されていないため、転職におけるネックとなっているのではないか。

    • 国際海上輸送部会及びヒューマンインフラ部会におけるこれまでの審議において、今後の数値目標として、外航では日本籍船を450隻、日本人船員を5,500人とすることとされており、また内航では1,900人、4,500人が足りないという数字が出ている。第一義的には企業側が具現化するということになるのだろうが、「中間とりまとめ(素案)」12頁中の「経済的合理性に基づく企業行動のみでは解決しえない分野において船員の確保・育成に向けた諸活動を円滑に推進するため、行財政上の支援措置の導入・拡充について検討することが必要である。」という記述に関して、どういった措置を想定しているのか。

    • 内航の人的資源(労働力)移動に関して、船員(労働力)が企業間をスムーズに移動できるような状況にあるのか否か。個別企業がダメになった時に、ジョブオポチュニティ(雇用機会)に関する情報を与えるメカニズムが明らかにされ、かつ、上手くいっているのであれば良いのだが、そうでない場合には、中間とりまとめの内容に加えるべきではないか。

    • 一般の製造業の場合には、学校を出た人を新規採用して、企業の負担により必要な技術を取得させる。例えば、中卒者を企業自前の高校で育てるなど、製造業では企業の資金で人材を育てており、そのかわり従業員にはきちんと技術取得するように指導している。一方、船員の世界では、学生が負担して資格を得ており、そのような段階(「集める」、「育てる」の段階)に問題があるのではないか。内航は「育てる」ことが企業のみでは限界のある産業なので、企業が人を「育てる」ための支援策として、国が支援を行う必要があるのではないか。

    • 船員の確保については、質は言うまでもなく、量が求められていると認識している。中小零細企業では人が集まらない状況にあり、また、5〜8年かかる船員養成については、企業が経済的に負担できない。それこそがミスマッチであり、この現状をより掘り下げて検討を行うことで、解決の糸口がみつかるのではないか。

    • 船員の職業安定所は国土交通省により実施されているが、失業保険の支給が主となっているため、陸上のハローワーク、ジョブカフェ等を参考に、改善を検討するべきである。船員確保について、文部科学省や教育委員会等とスムーズな連携も図ったり、船員の雇用を促進するための法的枠組みの検討を行ったりする等、検討をするべきである。

    • 現在は景気がよいが、景気が悪くなった場合にどのような状況となるか、想定するべきである。特に内航は、国内だけのマーケットであるため、景気悪化に伴いマーケットが縮小してジョブオポチュニティ(雇用機会)が失われた時にどうするかが問題である。例えば、海上自衛隊と内航業界と垣根を低くすることで、海上自衛隊を海技資格を持っている人のバッファ(労働市場調整装置)とすることができないか、検討することが重要である。行財政上の措置だけではなく、そのような措置も検討すべきである。

    • 中間とりまとめ案は、全体として船員が不足しているという危機感が伝わるため良いと感じている。「海のDNA」という言葉は、訴求力があって良いので、中間とりまとめにも入れてほしい。また、船員のリクルートに関する情報は、これまで限定されており、改善を図るべきである。例えば、200万人いると言われるフリーターや派遣労働者に対して、情報が届くように情報提供を行うことが重要である。

    • 過去、船員教育機関の学生に対して、産業界からの奨学金が現在より充実していたように思う。学生の質を高めるには、奨学金を拡充したり、学費を引き下げる等の検討を行うべきである。

    • 中間とりまとめ案を読んで、船員の職業としてのすばらしさを改めて感じた。一般の人に船員育成の仕組みを理解してもらうよう、今後PRを行えば人は集まってくるのではないかと思う。例えば、新6級のように一般の人が短期間で資格を取得できることを社会に積極的にPRすべきである。

     ヒューマンインフラ部会の今後のスケジュールが決定された。

     委員からの主な意見、要望、意見交換は、現時点において事務局の責任においてとりまとめたものであり、今後発表される議事録等と異なる可能性があります。
     正式な議事録については、後日HP上に公開しますので、そちらをご参照下さい。


交通政策審議会海事分科会第4回ヒューマンインフラ部会 資料【PDF形式】

資料1 「第3回ヒューマンインフラ部会議事概要等」
資料2 「中間とりまとめ(素案)」 
資料3 「今後のスケジュールについて」

 


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