国土交通省 Ministry of Land, Infrastructure and Transport Japan
交通政策審議会海事分科会第4回国際海上輸送部会議事概要

 

 

 

 



 交通政策審議会海事分科会
 第4回国際海上輸送部会議事概要

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  1. 日時
      平成19年6月8日(金)14:00〜16:10

  2. 場所
      国土交通省 4階特別会議室
     
  3. 出席者
    <委員、臨時委員>(敬称略)
      杉山武彦、松田英三、浅野正一郎、赤塚宏一、太田和博、河野真理子、鈴木邦雄、南部鶴彦、藤澤洋二、桝本晃章、山口公生、渡文明

    <オブザーバー>
      (社)日本物流団体連合会中田理事長、(社)日本貿易会佐藤理事(企画グループ担当)、(社)日本造船工業会寺門企画部部長

    <国土交通省>
       冨士原康一海事局長ほか

  4. 主な議題
    議題1.前回の委員の意見のまとめ等について
    議題2.中間とりまとめ(素案)について
    議題3.今後のスケジュールについて

  5. 議事概要
    •  事務局から、前回の委員の意見のまとめ、日本籍船及び日本人船員の必要規模の試算等について説明がなされた。
       これを踏まえ、日本籍船・日本人船員の必要規模については、それぞれ約450隻、約5500人で各委員の意見がまとまったことが確認された。

    •  事務局から「中間とりまとめ(素案)について」の説明がなされた。

    これに対する委員からの主な意見、要望は次のとおり。

    •  トン数標準税制はエネルギーの安定供給に資するものであり、その早期導入を支持する。日本籍船・日本人船員の増加も必要ではあるが、便宜置籍船も日本籍船と同一の安全レベルを有すれば、コスト面においては優位であるので、日本籍船・日本人船員の増加が外航海運事業者にとって過度の負担とならないよう、経済性とのバランスを考慮した制度設計を検討してほしい。

    •  海運業界としては、国際競争力の確保の観点から、トン数標準税制の導入が必要との立場。日本籍船・日本人船員の増加については、海運業界として目標に向けて努力する所存。トン数標準税制が使い勝手の悪い制度にならない限り、日本籍船を約2倍にすることは可能。日本人船員については、日本籍船の増加ほど容易ではないが、10年間で約1.5倍にすることを努力目標として、長期的に対応したい。
       また、海運業界としては、トン数標準税制の導入時に日本籍船以外に対象を広げることを要望する考えはない。

    •  トン数標準税制は、次期通常国会の予算委員会等で議論されることが見込まれるが、これらの委員会は、与野党が激しく議論する場。トン数標準税制は企業優遇税制であり、これが如何に国民生活にとって必要かについて、説得力ある説明が必要。海運業界に対する規制内容が、現在の素案以上に緩い内容になると国会を通らないおそれもある。

    •  素案において、国際海上輸送についても航海命令の導入を検討する必要があるとの記述があるが、現行の国内輸送への航海命令の発動要件はかなり厳格なものとなっている。有事を想定した航海命令の発動はないものと理解している。

    •  ナショナルセキュリティーの観点等から一定規模の日本人船員は必要。供給サイドの船員の確保・育成策が様々検討されていることはよくわかるが、日本人船員が激減した背景にある需要サイドの事情はよくわからない。デンマークやドイツに比べて自国人船員の雇用数が少ないように思われるが何故か。

    •  船員税制等の影響もあろうが、プラザ合意後の円高による雇用コストの差が大きい。日本人船員の価格競争力が弱い。

    •  デンマーク、ノルウェー、イギリス等の政府関係者によると、自国人船員は減少してきたと言うが、これらの国の船社に言わせると、船員に興味を持つ若者は不足していないとのこと。日本と欧米との差は、船員教育・船員のセカンドキャリアの魅力の差によるものではないかと思う。
       また、承認船員制度の見直しは必要な措置だと考える。但し、外国人船長・機関長の承認試験を適切に実施するほか、日本の法令等に関する講習をしっかり実施してほしい。

    •  「競争力の強化」と言った場合、1まずはイコールフッティングを整え、2その上で企業に自助努力を求め、3それでも不十分であれば何らかの支援策を検討すべき。その意味では、トン数標準税制はイコールフッティングの観点から導入されるものであり、まず第一に検討すべきもの。この場合、本来は日本商船隊のすべての船舶をトン数標準税制の対象とすべきであるが、諸般の事情もあり困難であろう。故に、セカンドベストとして、日本籍船のみをトン数標準税制の対象とし、日本籍船の国際競争力を高めることで邦船社の国際競争力を高めることが考えられる。
       本審議会においては、制度の具体的な内容については議論しないとのことだが、みなし利益の水準については記載すべき。中途半端な水準で使えない制度になっては意味がない。トン数標準税制を遅れて導入することになるのであるから、先に導入した国に遜色ない低い水準にすべき。

    •  資料中、トン数標準税制の導入に係る記述は、より注意深く記述すべき。日本籍船、日本人船員を増加させるという社会の要請に応えるため特別の配慮をするわけだが、ここで「競争条件の均衡化」というと、誰と誰の競争条件を均衡化するのか。邦船社と外船社か、それとも日本籍船とFOC船か。前者を意味しているのだと思うが、中間とりまとめの中でも厳密に書いた方がよい。

    •  トン数標準税制の導入理由の一つは、邦船社の国際競争力の強化のためである。一方で、日本籍船・日本人船員の確保の必要性が世の中にも強く意識され始めたからこそ、それがトン数標準税制導入の追い風にもなっていると言える。しかしながら、後者に重きを置き過ぎると、産業界にとって過度の義務負担となり、国際競争力を低下させてしまうおそれがある。2つの目的のバランスを取ることが大事であり、これを適切に整理すべく議論を重ねていく必要がある。

    •  経済学的には、トン数標準税制の導入には2つの理由があると考える。
       1 国際競争力を強化するために導入すべき。
       2 国際競争力の強化以前の問題として、最適関税の理論と同様に考えると、諸外国がトン数標準税制を導入していれば、我が国でも導入すべき。

       

    • 国際海上輸送部会の今後のスケジュールが決定された。

      ※「委員からの主な意見、要望」は、現時点において事務局の責任においてとりまとめたものであり、今後発表される議事録等と異なる可能性があります。

       


    交通政策審議会海事分科会第2回国際海上輸送部会 資料 【PDF形式】

    資料1 第4回国際海上輸送部会説明資料
    資料2 中間とりまとめ(素案)
    資料2 国際海上輸送部会の今後のスケジュール

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