国土審議会中部圏開発整備特別委員会
計画部会(第2回)
議事概要
- 7月23日(火)、午後2時より、ホテルキャッスルプラザ4階鳳凰の間(名古屋市中村区名駅4−3−25)において、国土審議会中部圏開発整備特別委員会(委員長 松永亀三郎?中部経済連合会名誉会長)の第2回計画部会が開催された。
- 今回は、3名の計画部会委員から基調報告を受け、討議が行われた。
まず、弁護士 池田桂子委員から「福祉国家から福祉社会へ」について基調報告が行われた。その概要は次のとおりである。
- これからの高齢社会に対応するには、地域主導の福祉社会の構築が必要であり、国と地方自治体、都道府県と市町村、行政と住民の新たな協力方式、住民参加や財政のあり方等広汎に検討しなければならない。
- 地域を軸とする新たな社会を実現するには、女性の社会参加とその正当な評価、活力ある中小企業の育成による新たな雇用創出、企業モラルを醸成する法制度の導入、次世代に対する市民としての責任の教育等が必要である。
続いて、名古屋大学経済学部 奥野信宏委員より「社会資本整備の課題と基本方向」について基調報告が行われた。その概要は次のとおりである。
- 公共投資は経済成長や所得格差の是正に貢献してきたが、今後は福祉予算や社会資本の維持費が増大するため維持管理を考慮に入れた社会資本整備計画が重要となる。また、大幅な税収増も期待出来ないことから、社会資本整備のための資金調達には、その多様化も課題である。
- 我が国の課題である産業の高付加価値化と研究開発機能の強化には、交流情報機能と生活環境の整備が重要である。そのためには広域的な整備を可能とするような自治体の枠を越えた共同や地域の自主性を生かし、活力を高めるような地方分権のあり方を検討する必要がある。
次に、WILL国際文化交流センター代表 中野良子委員より「地球の志」について基調報告が行われた。その概要は次のとおりである。
- 中部圏の問題を考えるには、日本全体にとどまらず、地球全体の視点から捉える必要がある。
- 中部圏が世界から注目されるには、世界が魅力を感じるような表現が必要である。そのため、具体的な構想を統合するプロデューサーの存在が重要である。
- 国際交流は異なった風土から生まれた精神や文化など、相互の個性を楽しみ、知恵を交換し、才能を延ばし、応援しあえるような関係になるべきである。
問合せ先:国土庁大都市圏整備局 課長:高津、課長補佐:中村
(電話)03-3501-6998 (FAX)03-3501-6534