国土審議会近畿圏整備特別委員会
計画部会(第2回)
議事概要

平成8年7月
国 土 庁 

  1. 7月22日(月)12時より、ホテル阪急インターナショナル6階瑞鳥の間(大阪市北区茶屋町19番19号)において、国土審議会近畿圏整備特別委員会の第2回計画部会(部会長 紙野桂人 大阪大学名誉教授)が開催された。

  2. 今回は、3名の計画部会委員から基調報告を受け、討議が行われた。

    まず、琵琶演奏家 上原まり委員から「琵琶と平家物語」について基調報告と質疑が行われた。その概要は次のとおりである。

次に、帝塚山学院大学文学部助教授 佐伯順子委員より「近代恋愛の成立」について基調報告と質疑が行われた。その概要は次のとおりである。

  • 近代の恋愛は、江戸時代以前の「色」を中心とする男女関係から「愛」を中心とする関係への変革への試みであったが、現代においては江戸時代以前への回帰がうかがわれる。
  • 男女関係が多対多から一対一へ変化したことは、明治の人々には非常に新鮮な生き方となり、女性開放に一定の役割を果たした。
  • 近畿の女性はキャリアウーマン型が少ないように思われるが、教科書的な女性解放論とは別の次元で、元気よくバイタリティーを持って活動していると思われる。
  • 続いて、京都大学経済研究所教授 佐和隆光委員より「日本経済の構造改革」について基調報告と質疑が行われた。その概要は次のとおりである。

  • 日本は、物質やエネルギーを大量に用いて製品を作る工業にかわり、情報、ソフトウェア、サービスなどを扱うソフト産業がより重要な役割を担うポスト工業化社会への転換期に差しかかりつつある。
  • 21世紀は先進諸国にとっては「停滞の世紀」とならざるをえない。このため、地球規模の内需喚起策、イノベーションの継続、発展途上国と先進国の分業による「棲み分け」、メタボリズム(循環代謝型)文明社会への転換、地球環境保全のための国際協力の枠組みの構築等が必要である。

  • 問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課 課長:高津、課長補佐:新田
         (電話)03-3501-6998 (FAX)03-3501-6534