国土審議会首都圏整備特別委員会
計画部会(第16回)の議事概要

平成8年3月
国 土 庁 

  1.  3月15日14時より、三田共用会議所大会議室において、国土審議会首都圏整備特別委員会の第16回計画部会が開催された。

  2.  今回は「新しい首都圏整備に求められる政策的枠組み(その9)」について調査審議を行った。部会では以下のような意見の交換が行われた。

    •  首都圏の計画を考えることは全国の計画を考えることである。首都圏の社会情勢の動向を踏まえた政策は、全国的な政策として敷衍することができる。
    •  これからの大都市圏整備では、中心市街地の外延的な拡大ではなく産業政策を含めた自立的発展のための政策や中心部の質的向上と再編整備を進めることが重要である。
    •  これからの首都圏整備において情報通信が果たす役割として、防災面での有効性に着目すべきである。
    •  環境圏について検討する際には、水資源の利用という側面だけではなく、水の再利用を含めて水の流れを維持するという視点が重要である。
    •  今後の首都圏整備において、国、地域、個人及び企業がどのようにコストを負担し、どういう役割を果たすべきか、明確にすることが重要である。
    •  高齢者等は長時間通勤が困難であるという視点から、然るべき就業機会を提供するための施策を検討することが必要である。
    •  昭和40〜50年代に開発された宅地では、移動できる人々が移り住んだ後に、移動性向の低い独居老人が残されるという状況が発生することも懸念される。このような課題にどう対処していくのか、検討を進めることが重要である。
    •  高齢単身世帯、特に女性の単身者が地域間のばらつきをともなって発生してきている。医療や福祉を含め、高齢者ケアの視点から高齢化の問題を考えることが重要である。
    •  主婦等のボランティア活動が効果を挙げてきているが、ビジネスとボランティアの境界が不整合であり、互いの活動を阻害する状況も発生してきている。ボランティアを仕事としてとらえ、その政策的支援を行うことも必要ではないか。