国土審議会首都圏整備特別委員会
計画部会(第20回)の議事概要


平成8年6月
国 土 庁 
  1.  6月12日10時より、中央合同庁舎第5号館共用第6会議室において、国土審議会首都圏整備特別委員会の第20回計画部会(部会長:伊藤滋慶應義塾大学大学院教授)が開催された。

  2.  本日は、「新しい首都圏整備における諸施策の展開について(その1)」として、今後の検討項目に関する議論が行われた。主な論点は次のとおりである。

    •  首都圏計画をはじめとしてこれまでの国土の利用をどうするかというときの尺度として豊かさを実現することが第一の目的であったが、これからはそれだけでなく、個人の豊かさや生きがいを追求することが重要となってくることを踏まえて、計画の理念を転換していく必要がある。
    •  これからの大都市圏における民間部門に対する政策的支援措置を考える場合、行政主導的な枠組みが変化していくことを踏まえた公的部門の政策誘導のあり方に着目する必要がある。
    •  今後の急速な高齢化の進展に際し、医療・介護ビジネスの展開や高齢者マーケットの拡大など産業に及ぼすインパクトという視点にも着目する必要がある。
    •  少子化社会を考える際、環境整備や経済的支援の前提として、子供が大人になって社会を担っていく公的存在であることに着目して、人間ぎらい社会になりそうな傾向と情報化社会における人の関係をどうするかという視点で政策を組み立てていく必要がある。
    •  産業の先端化は良いことだけではなく、一方で個人にとって帰属対象が不安定化し、変化の激しい社会を到来させる面があるので、これを踏まえて議論を進めることが重要である。
    •  交流、連携、環境を考えることは、週末のレクリエーションなどの余暇時間の使い方を重点に取り入れて考えることである。都心部周辺における交通基盤整備が、北関東などの地域に役立つことであるという視点での検討が必要である。
    •  人の視点から大都市をみると、いわゆる弱者(高齢者、子供、女性、外国人)が偏見のない社会で多くの選択肢を持てる可能性の開けている地域である。この点から他の地域に大いに貢献する面があるので、こうした視点で大都市の評価を正面から行う必要がある。
    •  業務核都市等については、業務の受け皿というだけでなく、生活面などを含め人が集まれるような魅力を整備することが必要であり、都心との使い分けやネットワークとが重要となる。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
問合せ先 国土庁大都市圏整備局計画課 (電話)03-3501-6998 (Fax)03-3501-6534
     (課長)高津定弘 (課長補佐)吉岡 淳