土地政策審議会企画部会（第１回）
議事概要

　５月13日午後１時より、国土庁会議室において、第１回土地政策審議会企画部会が開催された。審議の概要は以下のとおり。

1. 部会長互選

   委員の互選により、河野正三委員が部会長に選出された。

2. 部会長代理の指名

   河野部会長により、稲本洋之助委員が部会長代理に指名された。

3. 自由討議

   本審議会から付託された諮問「今後の土地政策のあり方について」をめぐり、委員の間で自由討議が行われた。

4. 意見概要

   各委員から出された意見の概要は次のとおり。

• 有効利用とは何を意味しているのか、明確にしなければならない。
• 都市計画の上では、有効利用とは、いかにオープンスペースを設けるかということ。そのため、建物を立体化することになるが、問題は、オープンスペースと立体化のバランスを図ること。交通容量と建物容積のバランスが求められる。
• 地価について、立場によりいろいろ意見があるようだが、地価の水準をどのように把握したらいいのか。
• 地価が下がっているのに、固定資産税が毎年上がっており、住民に不満がある。売買するとそれだけ価値があるのかもしれないが、住みつづける人間が、売買価値をもとに納税するのは疑問。特に居住用については問題であり、地域別、用途別の検討が必要ではないか。
• 答申、要綱以来６年が経っている。議論の前提とした地価の状況とは異なるなど、平成３年当時から大きく状況変化しており、多少の見直しでは済まないのではないか。大胆に方向づけを出さざるをえないのではないか。所有から利用へという流れは当然。
• 定期借地権についても、現実に所有者や事業者がこれほど関心を持ち始めるとは思わなかった。定期借地権を積極的に位置づけ、邪魔になるような既存の条件を除いていくことが重要。
• 家族のあり方などを見ていると、土地所有意識が変わったのではないかと思う。
• 世論調査の限界かもしれないが、土地を持っている人が、本当に地価の下落を歓迎しているのかどうか、というデータや分析が必要ではないか。
• バブル以降の土地政策は間違っていなかったと思うが、経済との関係で、地価の引下げが急すぎたように思う。土地と経済との関係について、建前でなく本音で議論しなくてはならない。
• 今日の議論の総括は次のとおり。
  ・土地政策を抜本的に見直していこう。
  ・建前でなく本音で議論していこう。
  ・他の分野との総合的な関わりで検討していこう。
  ・生きている経済との関係も含めて見直していこう。
  ・国民意識、ノモスとの関係もあり、劇的な変化を求めるか、時をかけて変化を求めるか、一種のプログラムを検討すべき。