国土審議会九州地方開発特別委員会企画部会(第3回)
議事概要
企画部会においては、新しい九州地方開発促進計画で取り上げるべき主要な課題を整理した「九州地方の開発・発展の基本的方向」について議論をした。
これについての主な意見は以下のとおりである。
- 全般的に九州域内の話が中心となっているので、例えば、他地域と連なる国土軸の形成をどのように図っていくかなど、域外との連携についても書き込むべきでないか。
- 農業の産業としての方向性(高付加価値化、生産性向上等)については、国土保全等農村地域がもっている多面的な機能と関連して、地域全体のあり方として示すべき
である。
- 「知識集約型の新産業の創造」のところで、「他の集積に依存しない自立した九州」との表現があるが、他の集積との連携を断つ必要はなく、むしろ九州域内の循環性を高め、内発的な技術革新を可能にすることが重要である。
- 伝統・文化を生かして魅力ある地域づくりを行っていく中で、同時にそこにある自然の景観、自然環境を保持することも大切な視点である。
なお、本日までの3回の企画部会の意見を集約して、来春開催予定の特別委員会に報
告することとされた。
九州地方の開発・発展の基本的方向について(骨子)
[基本理念]
魅力ある都市と豊かな自然が織りなす多様性のある地域が活発な交流を通じて一体と
なり、真に心の豊かさを実感できる自立した九州を実現する。
このため、次の4つの基本戦略を進めていくべきである。
[基本戦略]
- 地域連携による豊かな生活の実現
どこに住んでいても、多大の時間や費用をかけずに、高質な教育・文化、医療・福祉等の生活サービスや就労の機会を享受できる社会の実現
- 知識集約型の新産業の創造
技術革新を生み出し、多様な産業が立地して他の集積に依存しない自立した九州地方を実現するために、時代の潮流を先取りした産業の開拓、研究開発機能の充実等
- 安全で安心な誇りの持てる地域社会の実現
日々の暮らしが安全で将来に対し安心できる地域社会の実現
住んでいる地域の伝統・文化に誇りを持ち、生きがいを感じられるような魅力的な地域づくりの推進
- 九州・アジア国際交流圏の形成
東アジアと九州との交流は質・量共に飛躍的な伸びを見せているが、東京、大阪だけでなく、ポテンシャルを持った九州地方において、国際交流基盤の整備を図り、学術、技術、芸術、文化、スポーツ、観光など多様な分野でアジアを中心とする海外との双方向の交流を活発化する。
問合せ先:問合せ先:国土庁地方振興局総務課 (係長)大庭
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