臨時大深度地下利用調査会 法制部会(第11回)
議事概要


場所:通産省別館933会議室
日時:平成9年9月25日(木)10:00 〜
  1. 開会

  2. 部会の運営について
    議事の公開について、従来の取扱いを次のように改めることが了承された。
    ・議事録を発言者の名を伏せて公開することとする。(会議は非公開)
    ・会議の円滑な運営を図る必要がある場合には、会議の了承を得た上で、議事要旨のみを公開するものとする。

  3. 大深度地下利用に関する広報等について
     臨時大深度地下利用調査会中間取りまとめの発表以降に行われた、説明会、有識者座談会、アンケート調査等の広報、公聴活動について説明がなされた。
     また、有識者座談会等で寄せられた意見の概要、アンケート調査結果について説明がなされた。

    <アンケート調査結果についての主な意見>
    ・現時点でのアンケート調査では、大深度地下に関心を持って説明会に来る人たちが調査対象となっており、無作為抽出による広く一般国民の意見を反映したものとは言えないので、対象者が限定されていること等を明記した上で公表する等注意が必要である。

  4. 今後の調査審議事項について
     調査会より付託された、技術・安全・環境分野及び法制分野それぞれの今後の調査審議事項について説明がなされ、了承された。

    <主な意見>
    ・適正かつ計画的な利用のあり方については、両部会に関わる事項なので、技術・安全・環境部会と適切な連携を図りながら、審議する必要がある。

  5. 今後の審議スケジュールについて
     事務局より、調査会より示された今後の審議スケジュールについて説明がなされ、了承された。

  6. 補償の手続を置く場合の手続のあり方について
     中間取りまとめでは、補償が不要とする考えと補償が必要になる場合があるとの考えの両論が示されているが、後者の場合を仮定して、事後的な補償の手続のあり方について調査審議した。

    <主な意見>
    ・地権者等から不当な補償の要求がなされないようにするべきであり、その観点から、補償の要否の判断は、使用権設定時にするべきであり、事後の事情変更をも考慮するような制度は適切ではなかろう。
    ・事後の事情変更を考慮するような補償の制度は、損害賠償的なものであり、補償の制度としては適切ではなかろう。
    ・損失の有無は市場価格の変動によって決まるので、地下に構造物が設置されたことによる心理的な影響等により客観的な市場価格が下落したときには、補償が必要となるのではないか。
    ・心理的な影響等による実害のない価値の低下については、補償は不要ではないか。
    ・例外的に損失が生じる場合とは、具体的にどのような場合を想定するのかについて、検討する必要がある。
    ・請求を行った者のみについて損失の有無を検討するというのでは結果として不公平となるのではないか。
    ・例外的にしか損失は生じないのに、使用権設定後、全ての土地所有者に対して補償の手続を行うような手続とするのは、合理性に欠けているので適当ではなかろう。
    ・大深度地下は原則として損失の生じない空間であるというのが出発点であるので、使用権取得の時点では補償はゼロと一旦推定され、これに異議がある者については、その推定を覆すことが可能な機会を設けるというような法律構成になるのではないか。
    ・使用権設定後、一定の期間内に土地所有者から請求があった場合に、使用権設定時の土地の状況を基準として、その土地について補償の手続を行うような手続とすることが適当であろうが、その詳細については、今後審議する必要がある。

  7. その他
     次回の法制部会は、10月24日(金)10:00から開催される。

  8. 閉会

問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
     (室長)真鍋、(課長補佐)岩月
     (電話)03-5510-8046 (FAX)03-3501-6534