臨時大深度地下利用調査会 法制部会(第13回)
議事概要
日時:平成9年12月12日(金)10:00 〜
場所:東條會舘 |
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1.開会
2.大深度地下の適正かつ計画的な利用のための体系について
技術・安全・環境部会の資料に基づき、大深度地下の適正かつ計画的な利用のための体系について、事務局より説明がなされ、以下のような意見が出された。
<主な意見>
- 事業の構想段階から調整を行うとあるが、それは事業計画間の調整にすぎず、計画とは、大深度地下利用の理念や方針をふまえて上で、作成するべきものである。
- 浅深度地下の開発では、これまで様々な問題が生じてきたというのなら、大深度地下のみでなく、浅深度地下も含めた方向性、対策を示す必要がある。
- 調整を行う目的は大深度地下の効率的な利用であるから、調整の対象事業としては、大深度地下施設間だけでなく、民間の開発行為も含める必要があるのではないか。
- 民間による大深度地下の開発動向が将来も生じないというのは、事実予測の問題であって、たとえそのような状況だとしても、理論的には、規制しないとおかしい。
- 民間利用への規制を行うとしても、利用を一切認めないとすることまでは必要なく、一定の利用は認め、また将来の状況によっては、認める際の基準を厳しくしていくというような枠組みも考えられるのではないか。
- 構想段階から調整を行うとあるが、構想が出された時点で、補償を目的として物件を設置したり、大深度地下に権利を設定するということが生じれば、利権化を助長するので、何らかの対応がいるのではないか。
- 計画的な利用を図る上で、計画には一定の限界があることは確かであるが、前向きに考え、適宜計画を見直していくという対応をとるべきである。
- 地下水の保全については、地盤環境全体で考える必要があることは確かであるが、地盤環境全体について何らかの方策をとれないのであれば、大深度地下にだけでも、地盤環境の保全について配慮する必要がある。
- 地下の利用状況に関する情報の整備を進めていく必要があるのではないか。
- 規制を行うには、具体的な公共性がないといけないというが、大深度地下は、社会資本整備にとって利用しやすい空間であること、構造物を一旦作ったら作り直しが困難であることから、公共性が高い空間であると言えるのではないか。
- 大深度地下は、そのメカニズムがよくわかっておらず、利用による影響もよくわからないという点で、公共性が高いと言えるのではないか。
- 土地自体に公共性があり、大深度地下はこれまで使われてこなかった貴重な空間であるということだけで、公共性があると言えるのではないか。
- 大深度地下は、市街化調整区域的に、スプロールを防止すべき空間として位置づけるべきではないか。その際には、現行の都市計画制度を見直し、立体的な都市計画制度にする必要がある。
- 都市計画の市街化調整区域は、市街化区域との対比で利用を制限しているのであり、大深度地下に同様の規制を行うべきとするのなら、そのための論理が必要である。
- 大深度地下のメカニズムがわからないから規制をするというのなら、全国で大深度地下利用制度を導入すべきであるし、大深度地下は大都市地域では貴重な空間だから規制をするというのなら、大都市地域にのみ制度を導入すべきである。市街化調整区域の立体版のような形で開発を抑制するというのなら、大都市地域に限って制度を適用する考えは採りにくいこととなろう。
3.その他
次回の法制部会は、1月23日(金)10:00から開催される。
4.閉会
問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋、(課長補佐)岩月
(電話)03-5510-8046 (FAX)03-3501-6534