臨時大深度地下利用調査会 法制部会(第15回)
議事概要
日時:平成10年2月9日(月)13:00 〜15:00
場所:通商産業省別館905号会議室 |
|
- 開会
- 大深度地下の定義の検討
技術・安全・環境部会において精緻化した大深度地下の定義について、事務局より報告・説明がなされた。
- 大深度地下使用権の取得に関する手続の詳細等について
大深度地下利用制度の手続の全体の流れのイメージを示した上で、これまで審議してこなかった使用権設定の審査要件、使用権の設定権限主体、使用権設定に関する周知のあり方について、事務局より説明がなされ、以下のような意見が出された。
<主な意見>
- 審査要件については、「事業の必要性」と「大深度地下の適正な利用」等、具体的には重なる部分があるが、必要な事項が漏れないように審査要件を記述することが重要。
- 「事業の必要性」には、地上、浅深度地下でなく大深度を使用する必要性という意味のほかに、無償で簡略化された特別の手続によって権原を取得する必要という意味も含まれるべきではないか。
- 「計画的な利用」等の要件は、可能な限り審査要件の内容を具体化することが必要。
- 大深度地下は作り直しが困難な貴重な空間であるから、非効率な重複的工事や、空間の非効率な使用を行わないようにするという観点から、計画的な利用が求められると言えるのではないか。
- 使用権設定の権限主体としては、地方分権委員会の勧告も踏まえ、土地収用制度と同様の考え方により、事業の規模や主体等の分類によって、国と地方に分けることが適当。
- 使用権設定の周知については、他の公法上の権利についても登記制度が整備されていないが、理論的には、公法上の権利であっても登記制度を整備した方が望ましい。
- 大深度地下が使用されていることは、外見上わかりにくいので、実質的にも十分住民に周知するような制度を構築することが望ましい。
- 大深度地下の開発規制についてのこれまでの議論の整理
大深度地下の開発規制について、これまで出された委員の意見を取りまとめた資料に基づいて、事務局より説明がなされ、以下のような意見が出された。
<主な意見>
- 将来大深度地下を社会資本整備のために使おうとした場合、私的な開発がなされていると、投資の効率化が妨げられるという意味で、私的開発の規制の必要性が導き出されるのではないか。
- 公共性とは、当事者で決めたことが、当事者以外の不特定多数の者に広く影響を及ぼすということであり、大深度地下の開発は、将来の世代に影響を及ぼすので、公共性があると言えるのではないか。
- 大深度地下の開発は先端的技術を用いるが、技術は常に進歩しており、また、巨大技術の影響は長期にわたり出てくるので、その点を十分考慮すべき。
- 現時点で開発動向が具体化していないので開発規制を行わないという考え方は、土地基本法成立以前の考え方である。大深度地下利用制度においては、開発動向が具体化する前に、対応するべきであり、全面的な禁止ではなく一定の場合に例外を認めるような市街化調整区域的な開発規制を行うべきではないか。
- 大深度地下は貴重な空間である、作り直しが困難であるという特性を認めるのであれば、これは民間の開発でも公共の開発でも守るべきこととなるのではないか。
- 開発規制の許可基準は、事後の事情によって変化させることができるような柔軟なものにし、許可するか否かの公平性や公共性は、透明性を高めた手続にすることで担保できるのではないか。
- 開発規制を行う地域は、大都市中心部に限定するのが適当ではないか。
- その他
次回の法制部会は、3月17日(火)10:00から開催される。
- 閉会
問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋、(課長補佐)岩月
(電話)03-5510-8046 (FAX)03-3501-6534