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<部会報告(案)の概要>
(1)大深度地下利用制度のあり方
大深度地下には土地所有権が及んでいないとは言えないが、利用の利益は薄いので、公益性を有する事業に対し土地所有権に優先して使える権利を行政庁が設定することができる。また、大深度地下は貴重な空間であるので、構想段階からの調整等を行い、適正かつ計画的に利用する。
(2)大深度地下の定義
大深度地下を「土地所有者等による通常の利用が行われない地下」、すなわち、「@地下室の建設のための利用が通常行われない地下」、「A建築物の基礎の設置のための利用が通常行われない地下」のいずれか深い方から下の空間と考え、具体的に定義した。
(3)制度を適用する地域
当面、東京、大阪、名古屋をはじめとする大都市及び周辺地域とすることが妥当である。これに対し、基本的には全国的に適用することが妥当との考え方もある。
(4)制度を適用する事業
鉄道、道路、河川、電気、ガス、通信、水道等の公益性のある事業。
(5)適正かつ計画的な利用の確保
計画的に利用すること、長期的な視点に立つこと、構想等の早い段階から調整すること、社会資本整備全体との連携・調整すること、情報を収集・整備することが重要。
(6)補償の要否
深い井戸、温泉井の掘削の制限や、荷重制限が行われたとしても、現行最大級程度の高層建築物が建設できれば、補償は不要であると推定されるが、例外的ながらも損失が生じる場合には補償がなされるべきである。
井戸、温泉井等の既に存する物件等に関する補償はなされるべきである。
(7)手続
説明会の開催等を行い、事業の公益性、大深度地下を使用する必要性、適正かつ計画的な利用への適合等を審査した上で、使用権の設定を行う。
補償の手続を置くが、使用権の取得後土地所有者等から要求があった場合に、補償を行う手続とする。既存物件等については、明渡しまでに補償を行う。
(8)損害賠償責任
特別の制度の導入は不要。ただし、国民の理解・安心を得るためという政策的な理由から、無過失責任制度等の導入も考えられるという意見があった。
(9)諸制度との関係
他の社会資本、鉱業権等とは、使用権を設定する前に適切な調整を行う。
浅深度地下、地上の用地取得の見込みも考慮して使用権を設定する等土地収用制度との連携を図る。
<主な意見>
問合せ先:国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋、(課長補佐)岩月
(電話)03-5510-8046 (FAX)03-3501-6534