水資源開発審議会木曽川部会 議事要旨
日時:平成9年12月8日(月)10:30〜12:40
場所:通商産業省別館901号会議室
開会
メンバー紹介
水資源部長挨拶
議事要旨について
議事の冒頭で、「活発な議論を確保するため議事は非公開とし、発言者名をふせて議事の要旨をとりまとめ、これを公開する」こととした。
諮問
内閣総理大臣から水資源開発審議会長への諮問及び水資源開発審議会会長から部会長へ専門的、技術的事項についての調査検討の結果報告を求めている文書の説明があった。
資料説明
事務局から木曽川水系における水資源開発基本計画の一部変更の内容について説明があった。
なお、徳山ダムについては、事業者において設置された徳山ダム建設事業審議委員会でとりまとめられた意見も、あわせて紹介があった。
質疑応答
主な質疑応答は以下のとおり。
(質問)異常渇水対策について国土庁としてどのように考えているか。フルプランのあり方として、今後前向きに考える問題と考えるが、どうか。
(回答)近年の少雨化傾向に伴い木曽川水系において渇水が頻発する中で、渇水に対する適正な安全度の確保は現行フルプランにおいて重要な課題とされている。徳山ダムに関する今回の措置はその方向に沿うものであり、利水容量減量分を有効に活用するものである。
なお、他のフルプランにおいても、利根川水系・淀川水系等で、既に異常渇水対策容量を持つ施設が掲上されている。
現在、新しいウォータープランを検討中であるが、その中でも異常渇水対策は重要な項目と考えている。この検討を踏まえ、今後のフルプランでの扱いについても考えていきたい。
(質問)都市用水減量に際して、どのような検討がなされたのか。また、コストやメリットの面はどうか。
(回答)新規開発水量の減量に対応してダム規模を縮小した場合、ダム高さの減少は数メートルであり、かつ、用地買収や付替道路工事等が進んでいる現状では工事費の減少はダム本体の規模縮小に伴うもののみで20〜30億円であること、一方、今回異常渇水対策容量を確保することに伴い河川費として新たに百数十億円の負担が生じるが、この異常渇水対策容量は事業費一千億円規模を要する通常のダム一個で確保される程度の大きな容量であり、木曽川水系における近年の渇水頻発状況等を勘案すると、徳山ダムで異常渇水対策容量を確保することは妥当である。
(質問)徳山ダムの異常渇水対策容量は、どのように使われるのか。
(回答)徳山ダムの異常渇水対策容量は木曽川水系全体で用いることとしている。具体的な使い方については今後詰められることとなるが、平成6年の大渇水を例にとって試算をしたところ、現在、河川として確保すべきものとしている流量に対して、徳山ダムの異常渇水対策容量により、揖斐川での必要量を確保した上で木曽川等ではその一部の補給が可能である。
(質問)名古屋市の水道用水減量の経緯はどういうものか。
(回答)名古屋市は元々水源の多系統化による安定化の観点も含め21世紀の水源として徳山ダムを考えていたところ、その後、水道局の財政計画を立てるにあたって種々検討を行い、徳山ダムに依存する水道用水の量を5トンから2トンにする今回の変更に至った経緯がある。
(質問)地元の徳山ダム事業審議委員会の意見では事業の早期完成が求められているが、今回の変更で工期が5年伸びる理由は何か。
(回答)用地取得等の面で事業工程が遅れており、現時点で最短工程を検討した結果、平成19年度完成と見込んでいる。
その他、以下のような意見が出された。
ここ二、三十年の少雨傾向は明かであるが、ダム計画はその前の水の豊富な時期につくられたものが多く、現状では実力が落ちていることになる。今後、この対応を考える必要がある。
最近は冬場の渇水も多く、中部地方は渇水に脆弱であるように考えられるので、次回のフルプランの策定に向けて、異常渇水対策を含めた検討を行ってほしい。
案の了承
木曽川水系における水資源開発基本計画の一部変更について了承された。
なお、水資源開発審議会への部会の結果報告については、部会長に一任された。
閉会