第63回水資源開発審議会 議事要旨
日 時:平成9年12月15日(月)10:30〜12:40
場 所:通商産業省別館901号会議室
開会
国土庁長官挨拶
議事要旨について
議事の冒頭で、「活発な議論を確保するため議事は非公開とし、発言者名をふせて議事の要旨をとりまとめ、これを公開する」こととした。
吉野川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)諮問
内閣総理大臣から水資源開発審議会への諮問を求めている文書の説明があった。
吉野川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)資料説明
事務局から吉野川水系における水資源開発基本計画の一部変更について説明があった。
吉野川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)協議及び意見聴取文書説明
事務局から水資源開発促進法の規定に基づく関係省庁との協議及び関係県からの意見聴取について説明があった。
吉野川部会報告
吉野川部会長より、12月8日午後に開催された吉野川部会の審議結果について以下の趣旨の報告があった。
今回の一部変更については、当初想定以上に地すべり対策が必要となったこと等から事業費が増嵩し、また、工期も2年間伸びるという内容であるが、やむを得ないものと考えられ、部会として異議なしとの結論に達した。
また、合わせて、主な質疑及び意見の内容について報告があった。
質疑応答
主な質疑応答は以下のとおり。
(質問)夏の洪水期に、利水のために、あらかじめ定められた水位よりも上げておくように運用を見直しているという話があったが、吉野川水系でも行われているのか。
(回答)この件については、国土庁としては、吉野川水系で弾力的な運用がなされるとは聞いていない。(後にオブザーバー参加の建設省より、全国7つのダムで弾力的な運用について試行しているが、吉野川水系のダムは試行の対象となっていない旨報告があった。)
(質問)この間の渇水で水が足りなくなるという話があったが、もっと大きな考え方で水循環を考えていかなければならないのではないか。
(回答)この点については、現在検討中のウオータープランの中でも大きなテーマと考えている。フルプランにどのように生かすかどうかについても大きな課題である。
答申
吉野川水系における水資源開発基本計画の一部変更について異議ない旨了承された。
木曽川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)諮問
内閣総理大臣から水資源開発審議会への諮問を求めている文書の説明があった。
木曽川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)資料説明
事務局から木曽川水系における水資源開発基本計画の一部変更について説明があった。
木曽川水系における水資源開発基本計画一部変更(案)協議及び意見聴取文書説明
事務局から水資源開発促進法の規定に基づく関係省庁との協議及び関係県からの意見聴取について説明があった。
木曽川部会報告
木曽川部会長より、12月8日午前に開催された木曽川部会の審議結果について、以下の趣旨の報告があった。
徳山ダム建設事業
新たな異常渇水対策容量の設定等を行う今回の計画変更は、近年の少雨化傾向に伴い木曽川水系において渇水が頻発しており異常渇水対策が大きな課題となっていること、関係自治体の意向を踏まえたものであること、地元の徳山ダム建設事業審議委員会においてまとめられた意見を受けてのものであること等を勘案し、妥当なものと考える。
木曽川用水施設緊急改築事業
昨年11月の一部変更で新たに掲上された同事業について、都市用水との兼用施設を改築対象として追加するものであり、内容等、妥当なものと考える。
以上の検討により、部会として異議なしという結論に達した。
また、合わせて、主な質疑及び意見の内容について報告があった。
質疑応答
主な質疑応答は以下のとおり。
(質問)異常渇水対策容量の使い方としては、河川の正常な機能の維持に使われると聞いているが、愛知県の要望として、異常渇水対策容量についての導水路も検討して ほしいという意見があった。これはどのような趣旨か。
(回答)異常渇水対策容量は、揖斐川だけでなく、木曽川水系全体で役立てようということなので、このための導水施設が必要となる。
(質問)異常渇水対策容量を設けることによるアロケーションの変更についてはどのようになっているか。
(回答)異常渇水対策容量は河川費の負担となるので、河川費が増えることとなり、その分水道の負担が減ることとなる。
(質問)異常渇水対策容量を新たに設ける際には、必ずフルプランに記述しなければならないのか。
(回答)目的そのものの変更に当たるので、従来よりフルプランの変更が必要と考えている。
(質問)名古屋市が3m3/sの水道用水を減量したという説明であったが、その経緯はどのようなものか。
(回答)名古屋市水道局の財政計画を検討する上でこの件も再検討され、3m3/sを減らすという結論になったと聞いている。地域の総合行政を預かる名古屋市の意向であり、尊重すべきと考える。また、この減量の機会をとらえて、従来より課題となっていた渇水対策として、異常渇水対策容量の新設を行うものである。
(質問)昨今公共事業の見直しが行われているが、ダム事業等審議委員会と水資源開発審議会との関係はどのようなものか。
(回答)公共事業の再評価システムについては、具体的な手法が固まってゆく中で、フルプランへの導入方法等についても検討してまいりたい。徳山ダムについては、地元も含めてダム事業等審議委員会で再検討された上でこのような計画変更がなされたものと理解している。
答申
木曽川水系における水資源開発基本計画の一部変更について異議ない旨了承された。
その他
国土庁において現在検討中の新しいウォータープランについて、フルプランとも関係するところが大きいので、水資源開発審議会としても何らかの形で議論したい旨の意見があり、事務局が検討することとなった。
閉会