水資源開発審議会筑後川部会
議事要旨
 
 平成11年1月21日(木)
 
 
1.開会
 
2.メンバー紹介
 
3.水資源部長挨拶
 
4.議事の取扱いについて
 議事の冒頭で、「活発な議論を確保するため議事は非公開とし、発言者名をふせて議事の要旨をとりまとめ、これを公開する」こととした。
 
5.諮問
 内閣総理大臣から水資源開発審議会会長への諮問及び水資源開発審議会会長から部会へ専門的技術的事項について調査検討の結果報告を求めている文書の説明があった。
 
6.資料説明
 事務局から筑後川水系における水資源開発基本計画の一部変更について説明があった。
 
7.質疑応答
  主な質疑応答は以下のとおり。
 
○大山ダムと福岡導水の関係について
・(質問)大山ダム建設事業によって開発される水が、福岡導水によって導水されるにもかかわらず、福岡導水事業及び大山ダム建設事業の予定工期がそれぞれ平成12年度、平成18年度までとなっており、平仄が合わないと感じられるが。
(回答)今回の福岡導水の能力増強分の大部分は、大山ダム開発水量のうち0.603m3/sとなっているところ、大山ダム建設事業の工期との関係が議論の対象となりうるが、今回のフルプラン一部変更での、福岡導水事業における最大取水量の増量はあくまでも取水設備増強のためのものであって、ダム完成までの水源手当については、今回の一部変更が整理された後に別途検討される性格のものである。
 
○大山ダムの水単価について
・(質問)大山ダムの開発水の単価は他のダムの開発水の単価と比較してどうか。また、海水淡水化の開発水の単価と比較してどうか。
(回答)今回、大山ダムの事業費が増加した要因として、物価増等によるものが約4割、用地交渉の遅れ、設計基準の変更等によるものが約3割、その他に特徴的なこととして原石山の採取計画変更に伴うものが約3割である。
  この結果、大山ダムの開発水の単価は、従来のダムに比べてかなり高いものとなっている。これは筑後川水系においては良いダムサイトがなかなか見あたらないということも一因となっている。
  一方で、海水淡水化の開発水の単価は、試算の段階ではあるが、大山ダムの開発水の単価より5割程度高い状況となっている。これらの状況を踏まえ、利水者としても、やはり大山ダムに参加するという判断がなされたものである。
 
○その他関連事項
・(質問)現在の筑後川フルプランの達成率は低いようであり、この地域での渇水の頻発を考えると、一層の推進が必要と考えるが、現状と今後の取り組みはどうか。
 (回答)現在の第V次の計画の中で、現時点で完成している水源は耳納山麓土地改良事業であり、全体としては残念ながら余り進んでいない。他方、最近は雨が少なくなって安定供給という面で非常に問題が出ており、この他にも、質の問題も含めて水資源をとらえるといった考え方も踏まえ、フルプランの全部改定の準備を進めたい。
・(質問)次期フルプラン全部変更の見直し、及びその際には、水質、高度利用等の問題に関しても検討していかなければならないと考えるが、見解如何。
(回答)次期フルプランの策定には近い将来取り組む必要があると考えているが、その際には、水質のみならず、水の再利用等、現行フルプランにおいて量的検討がなされていない事項についても、整理・検討を行っていくべきと考える。
・(質問)今回のフルプラン一部変更については異議はないが、河川の生物活動に影響を与えないように、例えば節水をより強化するなどして最小利用にとどめられるようにしていただきたいと考えているが。
(回答)水道用水・工業用水・農業用水の需給のみならず、河川生物にも配慮すべきと従来から関係方面より御意見をいただいているところであり、気をつけていきたい。福岡都市圏では、渇水の頻発等状況が厳しい中で、節水については推進されてきており、一人あたりの原単位も全国の大都市圏の中では小さい。今後も引き続き節水の努力を行っていくべきと考えている。
 
その他以下の意見が出された。
・かなり昔に計画が立てられた事業で、現在の進捗した姿を見ると、地域に生息している野生生物への配慮がもっとなされてもよいのではないかと感じる部分もあるので、今後はこの点も配慮していただきたい。
 
8.案の了承
  筑後川水系における水資源開発基本計画の一部変更について了承された。
  なお、水資源開発審議会への部会の結果報告については、部会長に一任された。
 
9.閉会