水資源開発審議会 利根川・荒川部会議事録

 
 
 
           平成11年7月27日(火)    
         
  1.開  会
 
○事務局 それでは、定刻になりましたので、ただいまから水資源開発審議会利根川・荒川部会を開催させていただきます。
 
  2.委員及び専門委員紹介
 
○事務局 議事に入ります前に、本日の利根川・荒川部会の開催に至りますまでの委員改選等の経緯につきまして事務局より御報告させていただきます。
 水資源開発審議会におきましては、平成11年4月1日付で委員の改選がございました。同年5月14日に開催されました第67回水資源開発審議会におきまして、会長の互選、部会に属すべき委員の指名等が行われております。本部会の部会長につきましては、互選によりまして藤田賢二委員が選出されておられます。また、専門委員につきましては、一部の委員の交代がございまして、平成11年5月14日付をもって各部会に属すべき専門委員の指名がございました。
 本日は、委員の改選後初めての部会でございますお手元の資料−3「水資源開発審議会 利根川・荒川部会名簿」をごらんいただきたいと思います。
 
 3.水資源部長挨拶
 
○事務局 それでは、開会に先立ちまして、水資源部長から御挨拶いたします。
○事務局 水資源開発審議会利根川・荒川部会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 委員の先生方におかれましては、日ごろより水資源行政の推進に御指導を賜り、また、本日は大変お忙しい中、またお暑い中をお集まりいただきまして、厚く御礼申し上げます。 さて、今回の部会でございますが、利根川水系及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更につきまして御審議いただきたいと考えております。
 利根川は、御存じのように、「板東太郎」と称されておりまして、その源を群馬県利根郡水上町の大水上山に発し、千葉県関宿町において江戸川を分派し、さらに東流しまして、千葉県銚子市において太平洋に注いでいる我が国最大級の一級河川でございます。
 一方、荒川は、その源を埼玉県秩父山地の甲武信ヶ岳に発し、東京都北区において隅田川を分派し、東京都江東区において東京湾に注ぐ一級河川でございます。
 利根川水系につきましては、昭和37年4月に水資源開発水系の指定を受けまして、同年8月に第1次の水資源開発基本計画が決定されました。その後、荒川水系が昭和49年12月に水系指定されたのを受けまして、水を使う需要地の方が利根川、荒川とダブりますので、昭和51年4月に利根川水系及び荒川水系として基本計画が決定されて以来、昭和63年2月の全部変更、平成元年1月、平成6年1月、平成7年3月及び平成10年3月の一部変更を経まして現在に至っております。
 第3次までの基本計画に基づきまして、既に矢木沢ダム建設事業、下久保ダム建設事業、利根川河口堰建設事業等計13事業が完成し、本水系の水の安定供給に大きく貢献しているところでございます。また、現行の水資源開発基本計画に位置づけた38事業のうち、既に奈良俣ダム建設事業、埼玉合口二期事業等計13事業が完成いたしております。現在は、思川開発事業等25事業を推進しているところでございます。
 なお、現計画の目標年次は平成12年度になっておりまして、もう来年でございますので、現在、全部変更に向けた作業を開始したところでございます。この全部変更の基本的な方向といたしましては、先月策定しました全国総合水資源計画、通称「ウォータープラン21」と呼んでおりますが、この考え方を踏まえ、今後、水資源開発審議会の調査企画部会で御指導、御議論いただきたいというように考えています。
 しかし、個々の事業は現地において刻々進んでおりますので、必要最小限なものは実情に合わせ一部変更を行うというものでございます。今回の一部変更の内容につきましては、1つは、思川開発事業について、利水者の確定に伴う変更でございます。思川開発事業は都市用水で7.1m/sの開発を予定しておりますが、これをだれが使うかという、いわゆる利水者が確定しておりませんでしたが、栃木県、茨城県と関係県の話し合いがつきまして、今回それぞれ利水者が、栃木県何トンとか、そういうように決まりました。基本計画にこれを位置づけますと、今まで決まっておりませんと、財投のお金を使って事業を進められてきたわけでございますけれども、確定しますと補助金が毎年毎年のお金として出ますので、いわゆる利子の分だけ安くなるということで、一日も早くこの利水者の確定に伴う基本計画の変更をいたしますと、それだけ各利水者が助かるということになるということでございます。そういうことで、今回この変更を行いたいということでございます。  あわせて、房総導水路建設事業及び湯西川ダム建設事業につきましては、予定工期が平成10年度末になっております。もう予定工期は過ぎたわけでございますが、これは現地事情等がありましてやむを得ないものでございますけれども、計画上、平成10年度末になっているということで、この際これを一応今時点での予定工期に変更しよう、こういうものでございます。具体的な内容は後ほど詳細に御説明申し上げますけれども、本日はこの案につきまして御審議、御意見を賜りたいと考えております。よろしくお願いしたいと思います。
 簡単でございますが、一言御挨拶ということにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○事務局 それでは、この後の議事進行は部会長にお願い申し上げたいと思います。よろしくお願いいたします。
 
 4.議  事
 
○部会長 それでは、梅雨明けのお暑い中をお集まりくださいましてありがとうございます。
 早速審議に入りたいと思いますが、その前に議事の取り扱いについて一言触れておきます。
 ことしの1月の第65回水資源開発審議会で決められたやり方できょうもやらせていただきたいと思います。具体的には、御議論を活発にしていただくために議事は非公開、ただし議事録は公開ということになろうかと思います。今までは議事要旨が公開されておられたようですが、きょうは議事録そのものが公開されるということです。もちろん発言者名は伏せますので、どうぞ忌憚のない御意見をいただきたいと思います。
 
 1)利根川及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更について
 
○部会長 それでは、議事に従いまして、1番の「利根川及び荒川水系における水資源開発基本計画の一部変更について」の議事に入ることにいたします。
 これは、資料−1でございますが、平成11年6月25日付で内閣総理大臣から水資源開発審議会会長に文書が来ておりまして、審議会が意見を求められているわけでございます。これに対して水資源審議会会長の中川会長から、資料−2のような、本部会に対して調査検討をしてくれという御命令が来ておりますので、きょうはその審議をしていただくということになります。この件について、きょうは皆様方の御意見を承りたいということでございます。
 最初に、お配りしております資料の確認からお願いいたします。
○事務局 まず、資料の確認でございます。お手元に議事次第というものが表紙についております1束がございますが、これが資料−1から資料−7まででございます。それから、資料−8ということで、利根川・荒川のフルプラン、水資源開発基本計画の新旧対照表、資料−9ということで参考資料、資料−10、これは2つございますが、現行の利根川・荒川の水資源開発基本計画の本文、それから説明資料でございます。
 資料は以上でございます。もし不足がございましたら、申し出ていただければと思います。 −よろしいでしょうか。
 それでは説明に入りたいと思いますが、その前に、机の両わきのところにアルバムを置いてございまして、これは今回御審議いただきます案件につきましての最近の状況等を写真なりパンフレットなりであらわしたものでございます。同じものでございますが、回覧をしていただければと思います。
 それでは、資料の説明でございますが、資料−1、資料−2につきましては先ほど部会長の方から御説明があったとおりでございます。
 資料−4につきましては、水資源開発促進法を写したものを掲げております。これは説明を省略させていただきたいと思います。
 資料−5でございますが、水資源開発基本計画の一部変更の手続フローというものでございます。これは水資源開発促進法に基づくフローということでございます。御承知の方も多いと思いますが、改めて御紹介させていただきたいと思います。
 原案を国土庁で作成をいたしまして、これを関係省庁と協議をする、それから関係の都県の知事さんに意見照会をする、また、本日でございますけれども、水資源開発審議会とその部会に対しまして意見を聞くという形が法律で決められてございます。関係省庁また関係の都県の知事さんにつきましては、6月25日付をもちまして文書で協議、照会をしているということでございます。また、水資源開発審議会につきましては、先ほど資料−1、資料−2で御紹介があったとおりでございます。こういった手続を経まして、閣議決定、内閣総理大臣決定、最終的には官報公示という形で進んでいくというものでございます。
 資料−6でございますが、これは今回の一部変更の概要を書いてございます。主たるものとしましては、思川開発事業につきまして、利水者が確定したことに伴っての変更ということでございますが、あわせまして、工期の変更ということで、房総導水路と湯西川ダム建設事業につきまして工期の変更を行うということでございます。
 それから、これは水資源開発計画の本文にかかわるものではございませんが、説明資料の変更ということで、思川開発事業の利水者の確定に伴うもの、また埼玉県の水量の用途間転用に伴うものということで、説明資料の書きぶりが変わってくるものがございます。これらにつきましては後ほど資料−9で御説明をしたいと思います。
 資料−8は新旧対照表でございますが、これは後ほど御説明したいと思います。
 資料−9が、利根川・荒川水系の水資源開発基本計画ということでございます。これの御説明をしたいと思います。
 後ろに図面が張ってございますので、これを使いながら御説明したいと思います。
 御承知のとおり、利根川につきましては、流域面積としまして我が国最大の河川でございまして、首都圏の水を支えている流域でございます。流域面積といたしましては、1万6,840km2 でございます。荒川につきましては、流域面積が2,940km2 ということでございます。
 1ページの下の方に前橋地点と秩父地点の雨量ということで書いてございますが、この中流部におきましては年降水量が1,100mm〜1,200mmということで、我が国平均よりはちょっと少ないという形でございます。
 2ページに参りまして、治水の概要というところでございます。
 利根川につきましては、もともとは東京湾に流れ込む河川でございましたが、江戸の初期にこれを銚子の方につけかえたということがございます。これによりまして、東京、当時は江戸でございますけれども、洪水に対する安全度が非常に上がったということがございますが、その後もさまざまな治水事業が行われてきてございます。明治29年に大水害がございまして、明治33年から本川下流部の改修事業が行われております。また、こういった河川の工事、築堤でございますとか、あるいは川底を掘るといったようなことに加えまして、ダムによります洪水調節も古くから行われてきてございます。上流部の方で相当数のダムができ上がっております。なお、この図で、水資源開発基本計画に掲上しておりますダムで完成したものが黒で書いてございます。今回、関連しますものとしまして、湯西川ダム、思川開発事業、房総導水路ということで、赤で書いてございます。また、白抜きのものは、県施工のものも含めまして、現在調査あるいは建設中というものでございます。
 現在の利根川の治水計画といたしましては、昭和55年に決定をされたものでございます。基準地点八斗島での基本高水、これはダムによる洪水調節がない場合のピーク流量でございますが、これを22,000m3 /sといたしまして、このうち、上流のダム群で6,000m3 /sを調節いたしまして、河道で、下流部でございますけれども、16,000m3 /sとするということでございます。また、堤防としましては、建設省の直轄管理区間の中では完成堤防がまだ4割程度ということでございます。また、利根川の河口部から、スーパー堤防といいまして、堤防の天端幅を非常に広くしたような堤防を整備してございますが、こういった計画も逐次進んでいっているという形でございます。
 また、荒川につきましては、明治43年の大水害にかんがみまして、荒川放水路というものが明治44年に着手をしているということでございます。また、上流部での二瀬ダムというものも建設されてございます。荒川の治水計画といたしましては、昭和48年に決定されたものでございます。河道とダムで対処するという形でございます。また、下流部から延長約160kmがスーパー堤防の整備区間という形になってございます。
 3ページは、洪水のピーク流量等を書いてございます。これは説明を省略をさせていただきます。
 4ページに参りまして、利水の概要ということでございます。
 利根川・荒川水系におきましては、古くから農業用水を主体に水利用が行われてまいりました。明治に入りましてからは、都市用水、発電用水ということで利用が進んだわけでございます。水道用水といたしましては、明治20年に高崎市の水道、また東京都の金町浄水場というものができております。また、発電も日光市内の大谷川で最初に行われているという状況でございます。
 また、ダムにつきましても、4ページの下に表がございますが、水資源開発促進法による水資源開発以前の主な水資源開発事業ということで、利根川では、五十里ダム、藤原ダム、相俣ダム、川俣ダム、薗原ダム、それから、荒川でも二瀬ダムというものができ上がってきてございます。      
 5ページは、渇水の発生状況という形で整理をしたものでございます。近年では、平成6年の列島渇水ということが記憶に新しいわけでございますけれども、左の方に利根川の欄がございますが、最大で30%の取水制限をした。上流ダム群での貯水率が20%ほどまで落ち込んだという状況でございます。それ以前でも、昭和62年あるいは昭和53年、それから、ここには書いてございませんが、昭和39年の東京オリンピックのときの渇水等がございます。また、平成6年以降でも、平成8年、平成9年という形で取水制限を余儀なくされるという状況がございます。
 6ページは、水質の状況でございます。地点名と数字が書いてございますが、この数字は、河川の部分につきましてはBOD、湖の部分につきましてはCODでございます。利根川本川で見ていただきますと、利根大堰というものが真ん中より少し左のところに書いてございますが、ここでBODで1.6mg/?という形でございます。一番下流の利根川河口堰のところにいきますと、BODで3.0mg/?という形でございます。下流にいきますと、どうしても排水が入ってくるという形で、水質が悪くなってきているという状況でございます。荒川につきましては、秋ヶ瀬の取水堰で2.1mg/?というふうな形でございます。
 7ページには、水質保全対策ということで、排水規制とか浄化対策等という形で現在とっておりますさまざまな施策の概要を書いてございます。
 8ページには、水環境の整備状況ということで、河川環境整備事業というものの御紹介をしてございます。
 9ページには、ダムに関連しましての関係整備事業というものの御紹介をしてございます。内容は省略させていただきます。
 11ページからは、利根川及び荒川水系における水資源開発基本計画の概要ということでの御説明でございます。
 まず、11ページでございます。
 水系指定されましたのが、利根川につきましては昭和37年、荒川につきましては昭和49年ということでございます。利根川・荒川として計画を決定されましたのが昭和51年からでございます。それ以前は、利根川としまして昭和37年に決定された計画がございます。
 現行の計画としましては、昭和63年に決定をされました第4次の計画でございます。目標年次としましては、足元を昭和61年としまして、目標年次を平成12年にしているという形でございます。この期間の中で新規に発生するであろう水需要を予測してございまして、水道用水、工業用水、農業用水を合わせまして170m3 /sという需要想定をしております。これに対しまして、供給側の施設としましては、その下の方に個別の施設名が書いてございます。こういったものを合わせまして135m3 /sということでございます。需要に対しまして、供給側の方の施設が全部をカバーできていないという状況でございます。利根川対策における実態といたしましても、水需要の方が先行いたしまして、相当不安定な取水にならざるを得ないという状況が現在でもあるということでございます。
 12ページからは、この水資源開発基本計画につきまして、今までの決定、変更の経緯を書いてございます。
 13ページでございますが、一番下のところでは、最近のものとしまして、平成10年3月に一部変更ということで、稲戸井調節池総合開発の削除、滝沢ダムにかかる一部変更等を行っております。
 15ページは、需要想定の現行フルプランでの考え方の骨子をまとめたものでございます。説明は省略をさせていただきます。
 16ページでございますけれども、水資源開発基本計画に基づきます事業の実施状況というものでございます。利根川につきましては、既に1次から3次までの基本計画、フルプランによりまして、ここに書いてございます矢木沢ダム、印旛沼開発等々、8つの施設ができ上がってございます。荒川につきましては、もう1施設ということで、全体で9施設ができ上がってございます。
 現行の基本計画の中で、16ページの中ほどから、霞ケ浦開発から始まりまして、ずっと事業名が上がっております。利根川につきましては28施設、荒川につきましては6施設、合計34の施設が水源の施設として計画をされまして、事業を進めているという状況でございます。この中でも、だんだんと完成をしてくる施設がでてまいりまして、16ページで参りますと、霞ケ浦開発は既に完成しておりますし、奈良俣ダム、埼玉合口二期につきましても既に完成してございます。
 今回の一部変更につきましては、思川開発、房総導水路、湯西川ダムにつきまして、今回御審議をお願いするという形でございます。
 また、転用に関連しまして、既にでき上がっております下久保ダムにかかわるものがございます。
 また、17ページでは、県施工の事業としまして、黒部川総合開発ほかの施設で既に完成しているものが、権現堂調節池も含めてでございますが、6施設ございます。こういう形で逐次でき上がってきてございます。
 また、荒川につきましては、荒川調節池総合開発が完成しておりますのと、浦山ダムにつきましても平成10年度で完成いたしまして、11年度から管理に入っているという形でございます。
 18ページは導水施設ということでございますが、既に第1次から第3次までの基本計画の中で4施設が完成をしてございます。また、現行の基本計画の中では、東総用水、霞ケ浦用水、北総中央用水ということで、3施設が現行計画に上がっておりまして、そのうち2施設につきましては既に完成しているという形でございます。
 また、既にでき上がりました施設の改築というものも逐次出てきております。改築事業ということで、利根大堰施設緊急改築が平成9年で既に完成してございまして、また、武蔵水路改築につきましては、まだ途上でございます。
 以上、現在の進捗状況でございます。
 19ページには現行の供給計画の表を載せてございます。
 20ページは水源地域対策ということで、水源地域対策特別措置法に基づきまして指定されておりますダム、川治ダムから始まりまして、霞ケ浦の湖沼開発まで、こういった事業が水源地域対策特別措置法に基づく指定ダム等になってございます。
 整備計画といたしましても、21ページでございますが、さまざまな面での事業を進めているという状況でございます。また、21ページの利根川・荒川水源地域対策基金でもさまざまな事業を展開しているという状況でございます。
 22ページからが今回の一部変更の内容についてでございますが、22ページはそれの概要でございます。
 23ページにいきまして、思川開発でございます。思川開発といいますのは、昭和44年から事業をやっているものでございます。事業主体としましては、水資源開発公団ということでございます。思川の支川の中で南摩ダムというものをつくりまして、そこに鬼怒川の支川の大谷川から水を引くという形で、もう1つ、行川ダムという比較的小さな貯水池もつくるという形でございますが、これによりまして、水資源開発、また洪水調節等を行うという事業でございます。もともとの目的といたしましては、洪水調節及び流水の正常な機能の維持、栃木県思川沿岸地域の農地に対しての必要な農業用水を確保するということ、栃木県、東京都等の都市用水を確保するということで書いてございました事業でございますが、今回、関係者間での調整が整ってまいりまして、都市用水の水の使い道、ユーザーが確定をしたということでございます。そういうことで、利水者の確定に伴いまして、水資源基本計画での書きぶりを変えたいというものでございます。
 この都市用水につきましては、先ほど申しましたように、もとのフルプランの中では、栃木県、東京都等の都市用水というふうに書いてございましたが、これを茨城県、栃木県、埼玉県及び千葉県の水道用水、また栃木県の工業用水という形で水を使うということが確定したという形でございます。
 これで見ていただきますと、東京都の名前がなくなったということでございますけれども、東京都につきましては、この事業でいきますと、思川でございますが、この川筋でいきますと、ずっと下っていきまして、金町浄水場等がございます江戸川系統の方に水が入ってくるという形になるわけでございますが、江戸川系統の方につきましては、浄水施設の方が施設能力が手いっぱいだということでございまして、東京都としましては、需要の方は西の方に多いということでございまして、そういうことで、東京都は今回この事業から外れるという形でございます。そのかわり、思川の地元でございます栃木県、それと、人口急増地帯を抱えておりまして、用水の手当てということに苦労しております埼玉県等が入ってきたという形でございます。栃木県にとりましては、この思川開発というものが地元の水源ということで大事でございますし、今回の一部変更でも工期の変更ということで入っておりますが、湯西川につきましても水源を確保したいという形でございます。
 今回、事業概要としまして、ここに南摩ダム、行川ダムの諸元を書いてございますが、これそのものは特に変更はございません。新規用水といたしまして、水道用水6.8m3 /s、工業用水0.3m3 /s、農業用水1.5m3 /sという形での水利用を図るということでございます。事業主体は、先ほど申しましたように、水資源開発公団ということでございまして、予定工期といたしましては、昭和44年度から平成20年度までという形でございます。
 こういう形で、思川につきましては、利水者の確定に伴いまして、書きぶりを変えたいというものでございます。
 24ページでございますが、房総導水路の建設事業でございます。これにつきましては、事業目的等の変更はございませんで、予定工期の変更のみでございます。この事業は、もともと房総半島の奥の方まで水を運んでいくという事業でございました。24ページの右の方の図面でいきますと、佐原市の方から水をとってございますが、両総用水共用施設と書いてございますけれども、この部分が既に戦前から施工しましてつくりました農業用水の施設を共用してございます。そこから下といいますか、南の新しい水路につきましてはほとんど完成しているという状況でございます。
 今回の変更といいますのは、この共用施設の中をよく調査いたしましたところ、相当老朽化しているものがあるということでございまして、共用施設の中で北の部分、北部幹線導水路という名前で呼んでおりますが、この部分につきまして、幹線水路の改築でございますとか樋門の改築等の必要性が出てまいったということで、そういう部分をこの事業の中でやろうということでございます。そういうことで、もともと平成10年度までということで工期がございましたが、これを平成16年度までという形に延ばしたいということでございます。言ってみますと、維持管理的な性格の事業ということでございます。今回、追加といいますか、変更になった分につきましては、そういう性格でございます。
 25ページは湯西川ダム建設事業ということで、こちらの方も事業目的そのものには特に変更はございませんが、工期の見直しということでございます。湯西川ダムは、栃木県の上流部の方でございます。事業の目的としましては、洪水調節、流水の正常な機能の維持、また、栃木県田川地区の農地に対しての農業用水の確保、また、茨城県、栃木県、千葉県の水道用水並びに千葉県の工業用水の確保という事業目的になってございます。
 新規利水としましては、そこに書いてございます水道用水3.5m3 /s、工業用水0.5m3 /s、農業用水0.3m3 /sというものでございます。こちらの方は、事業主体としましては建設省でございます。この事業計画は、もともと平成10年度というのが工期でございましたが、今回、これを平成23年度までという形で、相当先でございますが、そこまで延ばしたいというものでございます。
 この事業計画の変更の理由でございますが、湯西川ダムにつきましては、水没者の方が80数戸あるわけでございますが、もともとの考えといたしまして、地区外に移転をするということで地元とのお話を進めていたわけでございますが、地元との協議の結果、地区外に移るのではなくて、現地で再建をしたいという話になってまとまってまいりました。湯西川につきましては、温泉ということでございまして、そういう施設もあるわけでございますが、ダム湖の近くで生活再建、現地再建をしたいという形で地元の意向が固まってきまして、そのためのさまざまな調整でございますとか、計画の策定調査ということで時間を要してきたという形でございます。
 ダムを進める上で、1つのステップとしまして用地の補償基準の妥結というものがございますけれども、これにつきましては、生活再建の代替地計画の合意が前提だということで、そちらの代替地計画の方を先に進めてきたわけでございますが、この代替地計画の方がまとまってまいりまして、補償基準につきましても、平成10年12月、昨年12月にやっとまとまったという形でございます。そういうことで、今後は、この補償基準によりまして用地補償を行いまして本体にかかっていくという形で、事業としての1つの目安がついてきたという形でございます。
 そういうことで、今回新たに工期をもう一度見直したということでございますが、現時点で見直しました結果、平成23年までの工期ということで、相当先ではございますが、実態的な工期としてはやむを得ないという形で考えてございます。そういう形でフルプラン上変更したいということでございます。
 26ページには、これはフルプラン本文ではございませんが、説明資料の中で書くものとしまして、転用関係がございます。埼玉県につきましては、非常に人口が急増してございまして、特に水道用水につきまして需給が逼迫している。水利権として確保しているものがございますけれども、そのうち相当分が暫定水利権といいまして、将来できるであろうダムを当てにしたものということで、不安定な取水ということになってございます。そういうことで、不安定な取水をできるだけ解消したいということで、埼玉県が既に持っております水源、下久保ダム、これは昭和43年に完成でございますが、ここで確保しておりますもののうちから0.7m3 /s、それと、平成3年に完成してございます権現堂調節池にかかるもの0.5m3 /sを緊急避難的な措置として、需給の逼迫しております水道用水の方に振り向けたいという形でございます。こういう形で、今回、転用についての処理をしたいということでございます。
 27ページには、供給計画の変更ということがございます。
 最後の28ページには、事業費・工期の新旧対照表という形で、このフルプランで掲げております事業費・工期の新旧対照表を記載してございます。事業費につきましては、一部増加するもの、例えば房総導水路の事業で増加するということがございますが、トータルとしまして、丸めの関係で、今回はフルプラン本文中に記載するものとしては特に変更がないという形になってございます。
 以上が今回の一部変更の内容でございますが、これを水資源開発基本計画といたしまして、本文あるいはそのほかのところに記載するということで、資料−8の新旧対照表を見ていただきたいと思います。
 左の方が現行で、右の方が一部変更、今回の変更ということで、変更部分にアンダーラインを書いてございます。2ページ、3ページにつきましては特に変更はございません。 4ページ、5ページも同様でございます。
 6ページ、7ページにつきましては、思川につきまして利水者が確定をしたということで、これに伴う部分ということで、事業目的の中での文章を変えたいということでございます。
 8ページ、9ページでございますが、房総導水路につきましては予定工期の変更ということで、「平成10年度まで」から「平成16年度まで」に変更ということでございます。 10ページ、11ページは特にございません。
 12ページ、13ページも同じでございます。
 飛びますが、18ページ、19ページでございます。湯西川ダムにつきまして、「平成10年度まで」から「平成23年度まで」に変更という形でございます。
 事業費全体につきましては、先ほど申しましたように、特に丸めの関係で変わっておりません。
 36ページ、37ページでございますが、現行のフルプランの中で、どの施設で水道用水、工業用水あるいは農業用水をどれだけ開発するかということの説明のための資料でございますが、その中で今回は思川開発の部分が変わってくるという形でございます。アンダーラインを引いてございます。従来、都市用水一本で書いていたものを、水道用水と工業用水に分解して書いたという形になってございます。
 38ページ、39ページにつきましては、現行計画ではございませんで、既に手当て済みの水量というものとしまして、先ほど御説明しました下久保ダムにかかわります転用ということで数字が変わってくるということでございます。水道用水のところを見ていただきますと、埼玉県の欄で、下久保ダムでございますが、左の方では1.6という数字になってございますが、右の方では2.3という数字になってございます。これに対応する形で、その下の工業用水のところの数字が変わってきているということでございます。これは下久保ダムにかかわる変更ということで、これが変わってくるということでございます。 先ほど権現堂調節池というお話もいたしましたが、こちらの方につきましては、37ページを見ていただきますと、権現堂調節池につきましては、現行フルプランで上がっている施設でございまして、利根川水系のその他事業、ちょうど真ん中のあたりでございますが、約4.7という数字が書いてございます。この都市用水の中で1本として記載をされているということで、都市用水一本としては増減はないということで、ここでは特に変更は出てこないという形でございます。
 あと、御参考まででございますけれども、34ページ、35ページのところでは、現行計画を決める際の考え方といたしまして、60年末まで手当て済みということで数字が書いてございます。先ほど38ページ、39ページのところで、手当て済み水量の中で、埼玉県の数字を修正したいということで御説明しましたが、34ページ、35ページの手当て済みの方につきましては、現行計画をつくった時点で整理をした数字ということで考えておりまして、こちらの手当て済みのところでは特に数字の変更はしていないという形でございます。
 以上、簡単でございますが、今回の一部変更案件の御説明とさせていただきます。
○部会長 ありがとうございました。
 大変長丁場の御説明でありましたけれども、何か御質問、御意見はございますでしょうか。
 ここで議論いただくのは、今の変更点だけを重点的にやればいいのですね。
○事務局 基本的にそういうことでございます。
○部会長 しかし、御意見、御質問は別のことでも結構ですから、どうぞ。
○委員 初めてなので、ちょっと素人っぽい質問をさせていただきたいと思います。
 まず、読み方なのですけれども、参考資料の17ページにいろいろ工期が書いてありますけれども、工期の終わりのないものが幾つかありますが、これはどういうことなのかというのが1つです。
 それから、それぞれの計画の中で思川開発事業、それぞれ南摩ダムと行川ダムとありますが、南摩ダムの方は新規利水容量が62,500千m3 に対して有効貯水容量が100,000千m3 ということで、行川ダムとすごく差がありますよね。これは2つのダムが1つのものみたいな考え方で新規ということを考えていいのでしょうか。
○事務局 まず、工期につきまして終期の書いていないものがあるということでございますが、これにつきましては、ダムの工期につきましては、まず地元の方の御理解をいただきまして、用地買収なり、あるいはその前に例えば地質の調査だとか、そういうものを進めました上でダムの形式ですとか、あるいは補償にどれだけの費用を要するであろうとか、そういうものを決めていくわけでございますが、最初の段階で地元といろいろお話をしている段階では不確定要素が多くて、工期を決めがたい部分があるということでございまして、そういう意味で、逐次調査を進めまして、具体的になっていきますと、工期が書き込めるという形になっていくわけでございます。そういう意味では事業の熟度がまだ十分高まっていないということで、工期が書けていないという形でございます。
 それから、思川開発で2つダムがあるけれども、規模が大分差があるということでございますが、これにつきましては、2つのダムを運用することによりまして、全体として効果を出そうということでございます。そういう意味で、一体の事業というふうに御理解いただければと思います。
○委員 今の工期に関連してなのですけれども、スタートの年度というのは、計画が決まった、オーソライズされた時点の年度ですか。
○事務局 基本的にその事業としましてきちんと予算がついたとか、そういう1つの区切りで整理しております。
○委員 基本的には、基本計画がオーソライズされた時期になっているのでしょうか。
○事務局 基本計画あるいは調査だけで入っているものもございます。
○委員 これも一般的によく誤解を招くのですけれども、実際の着工時点でそのものがないと、何となくだらだら長くなってしまって、何やっているのだというような話がよく出るのですけれども、その辺がこの表現だけでは不十分な気がします。
○委員 そうですね。一般的に言うと、工期というと、何となく実際的にダムがつくられた時期とか、そういうふうに受けとられがちですよね。
○事務局 この中では、ダムの実際の工事が始まります前のいろいろな調査でございますとか、地元での調整の部分も全部ひっくるめた形で書いております。実際には、その部分で相当長い年月を要する場合があるということでございまして、地元の御理解も得られまして、ダム本体の工事に着手することができるような状況になれば、あとは、工事だけについていいますと、かなり工程のメドがつくという形になってくるという形でございます。
○部会長 昭和61年ぐらいのがありますのでね。
 ほかに何かございますでしょうか。
○委員 まず、思川の関係で言いますと、東京都の江戸川系統の浄水場のキャパシティーからいって受け入れがたいということで西の方の需要が高いという御説明でした。そうすると、西の方のものは、いずれ新規に手当をするのですか、既存の手当ての中でやるのですか。それが1つです。
 それから、房総導水路につきましては、機能回復のためのいわば大修繕に属するものであるというお話でありましたけれども、そうすると、一応そこの計画が工事として完成した場合、それから後のそういう大規模修繕みたいなものが出てきた場合の扱いは一体どうなるのかということです。
 それからもう1点、下久保と権現堂の工水、水道の振りかえですが、今、緊急避難としてとおっしゃったけれども、これは後はどういうふうになるのですか。一応振りかえておいて、その後は今度は工水の方で何か手当するという含みがあるわけですか。
○事務局 まず1点目の東京の関係でございますけれども、これにつきましては、東京都としましても、需要の見通しにつきましてまだ地域的な差があるというふうに思っているわけです。そういう意味で、新規が全く出てこないかといいますと、むしろ今後まだ新規として頼る部分は出てこようかと思います。ただ、今のところ、お聞きしている中では、現在動いております事業の中でまず対応したいということを聞いておりますけれども、このあたりは、最初の説明にもありましたように、全体の需給の見直しの中でまたいろいろ考えていくということになろうかと思います。
 2点目の、大規模修繕といいますか、そういうものが出てくればということでございますが、これにつきましては、相当規模での修繕あるいは改築ということになってきますと、やはり新たな事業を起こして対応するという形になってこようかと思います。既にそういう前提もございます。
 3点目で、振りかえということについてでございますが、これにつきましては、現在のところ、上水と工水と比べますと逼迫度が少ないという意味で、まず上水の方を優先的に手当てをしたいということでございまして、上水と工水の需要の見通しにつきましても、やはり全部変更を近々やる必要があるわけでございますが、その中でもう一度きちんと見ていくということになろうかと思います。
○事務局 また工水に戻ってくることはまずないと考えていいかと思います。
○委員 資料−9の21ページ、きょうはこれが本題ではないと思いますが、表の水源地域整備計画の中で、造林というところの数字が何か随分少ないと感じたのです。と申しますのは、私の方の団体は、河川、湖沼あるいは海面の状況なのですが、お聞き及びと思いますが、最近、水資源確保というねらいで、山に木を植えよう、と。最終的なねらいは、いい魚をもっとふやしたいという気持ちからなのですが、みずから苗木を買って、今、各地で植林運動を活発にやっているわけです。ことしも私どもの方では全国規模でこれをやろう、こんなことを計画して、既に一部では実行しているのです。水を使っていただくという趣旨ではないので、ちょっと言いにくい話なのですが。山林が大分荒廃しているということが最大の原因である、こんなことからこういう運動をしている最中でございますので、造林というものが直接水資源確保につながる要因かどうかわかりませんが、これがちょっと数字が少ないなと感じたのです。今ここでこういうお願いをして、すぐにふえることにつながるとは思いませんが、その辺を御説明いただければありがたいと思います。
○事務局 水源地域整備計画をつくりますときには、まずその都道府県知事の方で原案をつくり、それをもとに国の方で調整してつくるという過程を経ているわけでございます。そういう意味で、原案の方に入っていませんと、特に必要があれば別ですけれども、国としてもその案に沿って計画を決定していくということになってまいるわけでございます。そういう意味で、結果としてこの数字になっているということになろうかと思います。
○委員 これは変更、増額をするようなことはできないということですか。
○事務局 整備計画は、必要があれば変更するということは物理的に可能でございます。ただ、現在、水特法に基づく整備計画は、生活の基礎条件に著しく大きな影響を与える、その影響を緩和するという観点から整備計画をつくるというのが現行法の体系になっております。そういう意味におきまして、むしろ住んでいる方たちの生活再建とか、そういう観点でつくっているものですから、水源涵養そのものを目的とするということについては、別途また検討していくことが必要ではないかと思います。
○委員 大体わかりました。ありがとうございました。
○部会長 多少今の御意見と関連するかもしれませんけれども、資料−5に関係知事に6月25日付で意見照会をしたとあるのですが、これの回答が返ってきて、この案ができ上がっているわけですよね。例えば、思川の開発について、東京都は水が要らない、そういうことは関係知事からの御意見をもとにでき上がっているのでしょうか。
○事務局 先ほど言いましたのは水源地域整備計画との関係ということでございまして、基本的には、関係都道府県知事への意見照会につきましては、現在、手続としましては、文書照会中でございます。水資源開発審議会までには回答が返ってくるという形になってございます。ただ、これは公文でのやりとりでございますので、その前の段階で事務的にはいろいろ調整いたしまして、皆さん大体こういう形でいこうということで動いているというのが従来のやり方でございます。
○部会長 それでは、今回のところもそうですね。例えば思川について、関係の都県は了解していると思っていいのですね。
○事務局 了解はしております。
○部会長 ここで「いい」と言っても、「いや、実はそんなことはなかった」なんて言われたら困りますので。
 関係省庁の方の協議もまだ返ってきていないのですね。
○事務局 はい。最終的な審議会のときには、必ずその文書もきちっとそろいます。まだ一部そろってないところもありますので。
○部会長 ほかに何かございますでしょうか。
○委員 まず、つまらないことを1点。資料−9の4ページの頭のところに「昭和26年に日光市内を流れる大谷川に建設された日光第二発電所」とあるのは、これは昭和ではなくて明治ではないでしょうか。
 それから、これは私の記憶違いかもしれませんが、水力発電所の利根川水系では、足尾のところにつくった間藤が一番最初ではなかったかなと。大谷川の方が早いかもしれません。同じころだと思いますが。それはつまらないことですから、後でチェックしてください。
○事務局 後でチェックさせていただきます。
○委員 それから、先ほど用途変更の話がございましたが、これは時代時代に応じて必要なところに変えていくというのは大賛成で、いいことだと思っております。セクショナリズムにとらわれないでこうやっていくというのは、有効に国費を使ってもらうのは大いに結構だと思うのですが、今度は審議会にいきますけれども、参考資料の取り扱いのところで、ここを変えたということは、もちろん行政対応の中で何か権威づけされているのかどうか。これはあくまでも参考資料なのですね。埼玉県では工業用水から転用になって上水道が1.6m/sから2.3m/sになるというのが、今度は、それぞれのダムの持ち分の中で、安い水をアロケーションし直してやっていくという行政対応をするときのバックにこれは使われるものなのかどうか。ここは専門部会ですが、これは水資源開発審議会の議を経て、参考資料の中にあるから、それはもう審議会の関係では終わってしまったのだ、それは審議会でも通った話だから、閣議決定されたものの参考資料だから、それでいきますというふうに動いていくものかどうか。これがどんなふうな取り扱いになるのか、そこがちょっとわからないので、教えていただきたいと思います。
○事務局 転用分についてですが、閣議決定をされるものはあくまで本文だけでございます。ただ、説明資料としましても従来から整理をいたしておりますので、その中で、今後、転用ということにつきましていろいろな事務処理が動いていくということになるわけでございますが、それと齟齬を来すようなことになるのもやはりまずいだろうということでございます。そういう意味では、説明資料を書いていることをもって、それだけで直ちにゴーサインが出るということではないかと思うのですが、少なくともいろいろな手続と整合をとり、フルプランの説明資料として整理しているものとしましても、きちんと合わせていくべきだということで、この中でも書き変えていっている、そういう考え方でございます。
○委員 そうすると、形としては、下久保ダムの管理方針とか管理規程あたりで変更になっていくところが正式に政府としてはなってくるはずである、それがもうほぼ話がついているので、ここの方には、それが変わる、そういうふうになっていくということを前提として参考資料に載せたというくらいの位置づけでしょうか。
○事務局 管理方針とかそのあたりになりますと、これは公団法との関係になりますので、もっとフルプランとの関係が密接になってこようかと思いますが、管理方針等ということですと、やはりこちらの方できちんと整理をした上でということが本来の姿ではないかというふうに思っております。
○委員 将来の形というようなものは、先ほどのお話のように、来年度以降、全面的な改定があるということだから、そのときに全部整理されるのでしょうが、水資源開発審議会というのは、新しい水を開発するということと同時に、でき上がったものはもう審議会には全然関係なくて、転用なり何なりというのは行政対応でどんどんうまくやっていけばいいという話なのか、転用も全体も含めて利根川の水資源がどうあるべきかというのを見るのか、その辺のところはどういうふうに解釈すればいいのかなと思いまして。
○事務局 その部分につきまして、これから全部変更という作業があるわけでございまして、現在、関係の省庁あるいは関係の都県にも御相談しているところですけれども、ここから先はどちらかといいますと私見にわたる部分になるかもしれませんが、転用等につきましても、水資源開発基本計画なりの中できちんと整理をするということが大事なのかなと思っております。その部分につきましては、関係者がいろいろございますし、水資源開発基本計画のつくり方そのものにも関係してくる議論でございますので、やり方については今後の議論をまつ部分が大分多いかと思っております。ただ、転用というものはやはり大事な要素だと思っておりますので、そういうものも計画の中でうまく整合を持って処理できるようなものが一番望ましいのではないかと思っております。
○委員 私としては、国土庁というものが、今度は行政改革でも各省のあれが大分変わってきますから、水に関して一元化という意味での役所としてひとつ頑張って、開発ばかりでなくて、転用というような、全体の水のバランスなどにも力を持っていただきたい、そう思っておりますので、ひとつ頑張ってやってください。
○部会長 ありがとうございました。ほかに何かございますでしょうか。
○委員 今の転用の話に絡んでなのですが、資料−9の26ページですが、これは下久保ダムの開発水量、埼玉県分についての工業用水からの水道用水の転用が今ここで話題になっておりますけれども、本文の方で思川開発でアロケーションが決まったということで、東京都が放棄して、そのかわりに埼玉を中心に栃木、茨城等が水利権を得たという格好になっているわけですが、その中身については、資料−8の37ページの方で、水道用水と工業用水の取水量比率が、6.8m/sと0.3m/sということで出ていますね。では、6.8m/sを茨城、栃木、埼玉、千葉がどのような水量配分になったかという資料は今回は出ていないのですが、これは説明資料の中できちんと整っているのでございましょうか。
○事務局 その点につきましては、このフルプランの一部変更を受けまして、事業実施方針の変更という形の手続があるわけでございますが、その中で、個別のユーザーの持ち分なり、アロケーションなり、そういったものがきちんと書き込まれるという形になってまいります。そういう意味で、手続としましては、事業実施方針の変更の中で処理をするということでございますが、これは当然関係者の中ではほぼ調整が整っているという段階でございます。例えば思川で申しますと、水道用水が6.8m/sでございますけれども、うち栃木県関係として約2.7m/s、埼玉が約2.2m/s、千葉が約1.2m/s、茨城が0.7m/s、そんなふうな配分になっているというふうに現在私どもは聞いております。
○事務局 御存じのように、基本計画は全体の計画をつくっておりまして、個別のそれぞれのダムの事業計画というのは、水資源開発公団法による事業実施方針で定めることになっていまして、その範疇で個別の何々県何m/sというのは決めるというシステムになっております。ただ、基本計画と整合がとれていなければいけませんので、それを踏まえてやるということでございます。
○委員 そうすると、資料−9の26ページに下久保の開発水量の変更が出ていますが、これはたまたま埼玉県が相当していたから埼玉県と書いたという意味であって、具体的にはこれは埼玉県とどこかであっても構わないわけですね。変更ということが今回の審議の対象になっているわけですね。要するに、どこそこの県の分の工業用水が水道用水に変更されたということではなくて、用途の変更が審議の対象ということですね。県の分とか都の分とかいう、そのアロケーションの細かいところはむしろ公団の話だということになるわけですか。
○事務局 基本的に、先ほど新旧対照表の38ページ、39ページのところで、手当て済みのところの数字を書きかえたいということで御説明しましたが、特にこういうところに影響を及ぼすようなことであれば、やはりきちんと水資源開発基本計画の変更の中で処理をしていく必要があるだろうということでございます。
○委員 恐らくダムによる環境破壊とか、そういうことに対して十分な配慮をした上で進められているのだと思うのですけれども、この資料の中でそういうことはどこで読み取ったらいいのかというのがよくわからなかったので、お尋ねいたします。
○事務局 環境への配慮ということについてでございますが、このフルプランの中では、書きぶりとしまして、個別の事業の目的とか事業主体とか、そういう形で書いている部分が主体でございますので、その部分ではなかなか書きづらいものがあるということでございますが、基本計画の本文の10ページ、11ページあたりで、「その他水資源の総合的な開発及び利用の合理化に関する重要事項」ということで、配慮すべき事項ということを書いてございます。そういった中で、先ほども少し出ておりましたが、(2)のあたりでは、森林の整備というふうなことも書かれております。あるいは(3)では、水産資源の保護というようなことが書かれております。11ページの(6)のところでございますけれども、「水質及び自然環境の保全に十分配慮するとともに、水環境に対する社会的要請の高まりに対応して水資源がもつ環境機能を生かすよう努めるものとする」ということで、一応こういう方針で個別の事業は考えてくださいという形で、重要事項ということの中で一般論として掲げているという形でございます。あとは個別の事業の中で、それぞれ事業者の方で検討なり配慮をしていくような部分は出てこようかと思います。
 ○部会長 それでは、きょうここで御審議いただく項目としまして、22ページの思川の変更ですが、利水者が決まったということでございます。それから24ページの房総導水路の建設、北部幹線導水路の改築をするという話で、予定工期を平成10年度から16年度に変えたいということ。それから、湯西川も工期の見直しで、平成10年度はもう過ぎておりますので、23年度まで延ばしたいということでございます。あとは用途間の転用というものがございます。以上の御提案に対して、この部会として了承するということでよろしゅうございましょうか。
 (「異議なし」の声あり)
○部会長 どうもありがとうございました。
 それでは、この件に関して、29日に開催されます審議会の方に部会として報告するということになろうかと思います。きょういただきました御意見もあわせて、その審議会の席上で御報告することになると思います。長時間どうもありがとうございました。
 
 5.閉  会
 
○事務局 それでは、これをもちまして水資源開発審議会利根川・荒川部会を閉会させていただきたいと思います。本日はどうもありがとうございました。