臨時大深度地下利用調査会
技術・安全・環境部会(第2回)議事概要


日時:平成8年5月21日(火)      
場所:三田共用会議所第3特別会議室 

  1.  開会

  2.  地下利用の現状について
     事務局より我が国における地下利用の現状を中心に説明がなされた。

  3.  調査検討の対象地域、大深度地下利用形態の分類について
     部会においては、東京、大阪、名古屋の三大都市地域を例にとって調査検討を行うこととした。
     我が国における地下利用の現状、各種の地下利用構想をもとに、今後、各種の大深度地下利用形態を類型に整理した。
     利用形態により(1)線的利用、(2)点的利用の2通りに、また人の関与のあり方により(ア)一般有人空間、(イ)特定有人空間、(ウ)無人空間の3通りに類型化し、この類型に基づいて検討を行う。

  4.  技術・安全・環境部会の平成8年度の調査審議方針について
     部会においては、8年度は調査会の中間答申に盛り込むため、技術、安全、環境の各分野について、国民が大深度地下利用について的確に理解できるよう、基本的な事項について調査審議することとし、9年当初に部会報告を行うことが了解された。
     また、事務局より各分野ごとの調査審議方針が提案された。

    (1) 技術分野
     大深度地下空間に施設を建設しても、建築物の建設等の通常の土地利用であれば影響が及ばないようにすることを基本的な考え方として、以下に掲げる審議項目に沿って調査審議を行う。
    1) 大都市部の地盤構造と地下調査技術
    2) 地盤の工学的特性と設計・施工技術の水準
    3) 大深度地下の定義と大深度地下利用のコスト

    (2) 安全分野
     地下空間は、閉鎖空間であるため自然災害の影響を受けにくい面がある一方で、いったん災害が発生した場合には、大災害となりやすい性格を持つ。
     そこで、災害を発生させないこと、不特定多数の人間が利用する空間を中心に災害が発生した場合可能な限り人的被害を少なくすること、通常時においては快適に利用できることを基本理念とし、現状の防災・安全対策を分析等を通じて、大深度地下空間における安全分野に係る課題を抽出し、対策を検討する。
    1) 安全の確保
     ア) 火災・爆発への対応等消防上の対策
     イ) 地震に対する対策
     ウ) 浸水、冠水、湧水等に対する対策
     エ) 停電に対する対策
    2) 快適な内部環境の維持(供用中の安全等)
     ア) 快適な内部環境の維持に関する検討
     イ) 弱者対策
     ウ) 犯罪、事故等の防止に関する検討
     エ) 漠然とした不安感等への対応に関する検討

    (3) 環境分野
     地下利用を行う場合、地盤沈下をはじめとする環境への影響が問題となるが、大深度地下は、従来、あまり利用されてこなかった空間であることに加え、いったん作った施設の作りなおしは困難であることから、従来にもまして万全の措置をとることが必要となる。
     環境分野として取り扱う領域は、地下構造物の施工及び供用時に生じる周辺への環境、いわば、地下構造物の外部環境として審議をすすめることとする。
     また、周辺環境への影響として検討すべき項目、環境要素を、(1)大気関係(大気、悪臭等)、(2)水質・水文関係(水質、流況、土壌等)、(3)地盤関係(地盤沈下等)、(4)騒音・振動関係(騒音、振動)、(5)その他(残土等)に整理する。

    (4) その他
     大深度地下の計画的な利用についての検討は、中間答申以降の課題とする。

    (委員よりの意見)
     上記の調査審議方針について、委員から下記のような発言があった。

  5.  現地調査の結果について
     事務局より東京都内及び阪神地区の地下利用状況調査の結果についての資料を配布した。

  6.  その他
     次回は、6月26日(水)午前10時より開催することとなった。

  7.  閉会
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
問合せ先 国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
     (室長)真鍋 (課長補佐)大槻
     (電話)03-3501-6484 (Fax)03-3501-6534