臨時大深度地下利用調査会
技術・安全・環境部会(第3回)議事概要
日時:平成8年6月26日(水)
場所:三田共用会議所第3特別会議室
開会
社会資本整備の現状
事務局より、我が国における社会資本整備の現状について説明がなされた。
三大都市地域の地盤構造と地下水状況について
事務局により、三大都市地域の地盤構造と地下水状況について説明がなされた。
地下構造物の設計・施工技術の水準
事務局より、現時点で実用に耐えうる地下構造物の設計・施工技術について説明がなされた。
深層地下空間利用による地上、浅深度への影響
大深度地下利用に伴う地上、浅深度への影響を評価するため、現在行われている地上、浅深度の利用を阻害せずに構築可能なシールドトンネルをシミュレーションにより求めた。
シミュレーションの結果により、
(1)地表面にランドマークタワーに相当するビルがぎっしりすき間なく建っている場合でも、支持層表面付近から十分な緩衝距離をとってトンネルを設置すれば、一般的な部材を用いたシールド工法で深度(土被り)100m程度までは建設可能なこと、
(2)地表面に、ランドマークタワーに相当するビルが一棟建っている真下に、基礎杭の先端に10mまで近づけてトンネルを掘る場合も、高い強度の部材を使えば、深度80m程度までは建設可能なこと、
が明らかとなった。
東京都区部の中高層ビルのうち、地下室を有するものの件数をみると、地下1階までが9割、地下3階までとると99%以上、最も深いもので地下8階であることが報告された。これらの地下室によって使われている深さは、それぞれ、5m程度、15m程度、30m程度である。
今回の検討結果から通常の地上・浅深度地下の利用を妨げないで使用できる地下空間を技術的に検討すれば、地下室最下面から、または、支持層表面から10m程度の緩衝距離をとったそれ以深と考えることができることが確認された。
大深度地下における施設建設コストと経済性
直径15m(東京横断トンネル(掘削機外径14.14m)規模)、延長5kmのシールドトンネルを設置する場合の建設コストを算定した結果、土被りが40mの場合に比べ、80mになった場合、工事費総計で約30%程度の増加ですむことが明らかとなった。
その他
事務局より、東京区部の浅井戸等のデータが示された。
次回は、7月10日午前10時より開催することとなった。
閉会
<意見>
地質について新しい知見が次々と発表されていることから、審議資料についても逐次更新してほしい。(工法等も同様)
サービストンネル等実際の付帯施設を設置した場合、トンネル一本の場合より厳しい設計条件になると考えられる。
大深度の施設は、半永久的に使うことが求められることから、メインテナンスの技術についても検討が必要。
社会資本を大深度地下の施設として設置する場合、必要性はもとより、技術面、環境面、安全面、経済面など様々の要素が総合的に検討される必要がある。
問合せ先 国土庁大都市圏整備局計画課大深度地下利用企画室
(室長)真鍋 (課長補佐)大槻
(電話)03-3501-6484 (FAX)03-3501-6534