平成９年(暦年)における運輸審議会の事案処理状況は、別表のとおりであり、147事案について審議・答申を、187事案について説明を聴取した上、軽微な事案とする認定を行った。また、運輸審議会があらかじめ定めた軽微認定基準に該当するもので、運輸大臣から処分通知のあったものは1,356事案であった。前年との比較では、答申事案件数は47件の増加、軽微認定事案件数は133件の増加、軽微認定基準に該当する事案の処分通知件数は1,111件の増加となった。答申事案件数について分野別に見ると、乗合バス関係事案力76件と最も多く、前年最多であった航空関係事案はそれに次いで53件であった。
なお、本年は、大手民鉄4事業者の鉄道の旅客運賃変更認可申請事案、千葉、武蔵・相模ブロック13事業者の一般乗合旅客自動車運送事業の運賃変更認可申請事案及び京浜ブロック8事業者の一般乗合旅客自動車運送事業の運賃変更認可申請事案について、それぞれ運輸審議会主宰により公聴会を実施した。このうち、大手民鉄4事業者の鉄道の旅客運賃変更認可申請事案については、運輸審議会主宰により参考人意見聴取を実施した。
また、札幌市ほか4事業者の鉄道の旅客運賃変更認可申請事案、札幌市ほか3事業者の一般乗合旅客自動車運送事業の運賃変更認可申請事案の計9事案について、それぞれ運輸審議会主宰により申請者意見聴取を実施した。
分野別状況
 海運関係
本年は、オーシャン東九フェリー㈱の北九州～徳島～東京間に係る運賃変更認可申請事案等計2事案について審議・答申し、東日本フェリー㈱の函館～青森間等に係る運賃変更認可申請事案等計27事案について軽微な事案として認定した。
港湾関係
本年は、静岡県の御前崎港に係る港湾区域の変更認可申請事案等計3事案について軽微な事案として認定した。
港湾運送関係
本年は、愛知海運㈱の三河港における免許申請事案等計5事案について軽微な事案として認定した。
鉄道関係
本年は、札幌市の運賃変更認可申請事案等計16事案について審議・答申し、西日本旅客鉄道㈱の片町線の京橋～片町間に係る一部廃止許可申請事案等計51事案について軽微な事案として認定した。
このうち、大手民鉄(東武鉄道㈱ほか3事業者)の運賃変更認可申請事案について、運輸審議会主宰により、10月28日に公聴会を、同月30日に参考人意見聴取を実施した。また、札幌市、福岡市、大阪市、西日本鉄道㈱及び横浜市の運賃変更認可申請事案について、それぞれ運輸審議会主宰により申請者意見聴取を実施した。
自動車関係
バス運賃関係
本年は、民営事業者では、京成電鉄㈱(千葉ブロック)の運賃変更認可申請事案等計68事案について審議・答申し、千葉中央バス㈱(千葉ブロック)の運賃変更認可申請事案等計61事案について軽微な事案として認定した。
このうち、千葉、武蔵・相模ブロック(京成電鉄㈱ほか12事業者)の運賃変更認可申請事案について、2月18日、19日に、京浜ブロック(東急バス㈱ほか7事業者)の運賃変更認可申請事案について、11月4
日に、それぞれ運輸審議会主宰により公聴会を実施した。また、京阪バス㈱(大阪ブロック)の運賃変更認可申請事案について、運輸審議会主宰により申請者意見聴取を実施した。
一方、公営事業者では、札幌市の運賃変更認可申請事案等計7事案について審議・答申し、秋田市の運賃変更認可申請事案等計5事案について軽微な事案として認定した。
このうち、札幌市、大阪市及び横浜市の運賃変更認可申請事案について、それぞれ運輸審議会主宰により申請者意見聴取を実施した。
バス免許等関係
本年は、山形交通㈱（譲渡人）と山交バス㈱発起人代表柏倉信幸（譲受人）の譲渡譲受認可申請事案の1事案について審議・答申した。
航空関係
本年は、運賃・料金変更認可申請事案では、12事案について審議・答申し、10事案について軽微な事案として認定した。
また、免許・運賃設定認可申請事案では、41事案について審議・答申し、25事案について軽微な事案として認定した。
この結果、国際線では、日本航空㈱の大阪～大連間1路線、全日本空輸㈱の大阪～モスクワ間等3路線、㈱日本エアシステムの大阪～香港間1路線及び日本貨物航空㈱の東京～アンカレッジ間等8路線の計13線が開設された。一方、国内線では、日本航空㈱の東京～高知間等3路線、全日本空輸㈱の東京～女満別間等5路線、㈱日本エアシステムの那覇～出雲間等5路線、日本トランスオーシャン航空㈱の東京～久米島間等2路線、エアーニッポン㈱の名古屋～福岡間等10路線及び日本エアコミューター㈱の福岡～高松間等2路線の計27路線が開設された。
|
概 要
