国土交通省
 
運輸審議会答申書(運審第2号)
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 主  文

 千葉都市モノレール株式会社の申請に係る千葉市中央区市場町2番地先(県庁前)から千葉市中央区青葉町955番地先(中央博物館・市立病院前)までの間(3.4キロメートル)における軌道事業の経営については、特許することが適当である。


 理  由

1.  申請者は、昭和52年3月に策定されたマスタープランに基づいて1号線の一部(千葉みなと・県庁前間3.2キロメートル)及び2号線(千葉・千城台間12.0キロメートル)を開業したところであるが、当該モノレールを県庁前から青葉の森公園北側まで延伸し、青葉の森公園、同公園 内外の公共施設、千葉市立病院、千葉大学付属病院等の医療施設等が集積 する千葉市東部地域に対する公共アクセスの整備を行うことにより、道路 交通の混雑の緩和及び利用者利便の増進を図ろうとしてこの申請に及んだものである。
2.  当審議会に提出された資料その他によって検討した結果は次のとおりである。
 申請路線は、道路交通からの転移により千葉市の道路交通の混雑の緩和に寄与するとともに、千葉市東部地域と千葉都心との間の利用者利便の増進に資するものと認められる。
 申請路線の建設に要する費用(インフラ外部分)については、概算120億円(ほかに公共事業により行われるインフラ部分の建設費概算306億円)と見込まれており、その資金は千葉県等からの出資金並びに転貸債 及び日本政策投資銀行からの借入金により賄う計画であるが、申請者は千葉県及び千葉市が出資する第三セクターであり、その資力、信用状態を考 慮すれば、必要資金の調達は可能であり、かつ、申請者は既にモノレール の運行を行っており、軌道敷設能力及び運営能力も十分であるので、申請事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであると認められる。
  輸送人員については、平成20年度に予定されている開業時において、申請路線において1日当たり18千人程度と見込まれており、この推定輸送需要量等に基づいて申請路線の収支を算定すれば、開業14年目以降継 続的に利益を生ずるとともに、開業28年目には累積赤字の解消が図られるものと見込まれる。
 よって、この申請については、主文のとおり特許することが適当であると認められる。

 要望事項
  千葉都市モノレール株式会社の県庁前駅〜中央博物館・市立病院前駅の延伸に当たっては、同社の既設開業区間の経営が依然として厳しい状況にあること、延伸区間の建設費が多額に上ること等に鑑み、既開業区間を含めて、千葉都市モノレール株式会社及び関係自治体が、地域住民、利用者、関係交通事業者等の協力を得て、地域住民の暮らしを支える魅力ある駅づくり、地域住民のモノレール利用促進に役立つような街づくり、プリペイドカードの共通化等一層の利用の増進を図るための適切な措置を講じ、同社の安定的な経営が確保できるよう指導を行うことを要望する。
 なお、千葉都市モノレール株式会社及び関係自治体がこの要望に対して講じた措置及びその結果について、必要に応じ報告を求めるとともに、その内容については、本審議会に報告することとされたい。
 

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