国土交通省 
運輸審議会答申書(運審第19号)
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 主  文 

 株式会社ゆりかもめの申請に係る東京都江東区有明2丁目5番地先(有明)から同区豊洲2丁目2番地先(豊洲)までの間(2.8キロメートル)における軌道事業の経営については、特許することが適当である。

 理  由 

1.  東京都は、都心一点集中型の都市構造の是正を目的に、臨海副都心の整備を進めており、平成9年3月に策定した臨海副都心まちづくり推進計画では、平成17年度を第二段階の完成目標とし、同年度には、臨海副都心の居住人口及び従業人口がそれぞれ平成8年度の3.6倍になるものと予測されている。また、豊洲地域については、平成9年4月に策定した豊洲・晴海開発整備計画(改定)に基づき、居住機能及び業務・商業機能を中心とした大規模な再開発が計画されている。
 申請者は、平成7年11月に東京臨海新交通臨海線(新橋・有明間11.9キロメートル。以下「臨海線」という。)を開業し、以降、同線は、臨海副都心の交通アクセスとして重要な役割を担っているが、新橋一方向からのアクセスしかないため、今後見込まれる居住人口、従業人口等の増加を考慮すると、輸送需要の増大により大きな混雑を生じるものと予想される。
 そこで、申請者は、臨海線を有明から豊洲まで延伸することにより、営団地下鉄有楽町線豊洲駅との結節を図り、将来予想される臨海線の混雑の緩和を図るとともに、臨海副都心及び豊洲地域における利用者の利便の向上を図ろうとして、本申請に及んだものである。
 
2.  当審議会に提出された資料その他によって検討した結果は、次のとおりである。
 申請路線は、臨海副都心及び豊洲地域の開発計画の進展に伴い予想される臨海線の混雑の緩和に寄与するとともに、同地城における利用者の利便の増進に資するものと認められる。
 申請路線の建設に要する費用(インフラ外部分)については、概算201億円(ほかに、公共事業により行われるインフラ部分の建設費301億円)と見込まれており、その資金は、東京都等からの出資金及び借入金により賄う計画であるが、申請者は東京都を中心として設立された第三セクターであり、その資力、信用状態等を考慮すれば、必要資金の調達は可能であり、かつ、申請者の軌道敷設能力及び軌道運営能力も十分であるので、申請事業を自ら適確に遂行するに足る能力を有するものであると認められる。
 輸送人員については、平成17年度に予定されている開業時において、申請路線において1日当たり23千人程度と見込まれるとともに、既設臨海線においても着実な輸送需要の増加が予想される。
 申請路線の収支については、前記の推定輸送需要量等に基づいて算定すれば、開業6年目以降継続的に利益を生ずるとともに、開業10年目には累積赤字の解消が図られるものと認められる。
 よって、この申請については、主文のとおり特許することが適当であると認める。

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