国土交通省
 運輸審議会答申書(運審第28号)
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 主  文
  株式会社ジャル エクスプレスの申請に係る大阪〜仙台間(大阪国際空港起点803キロメートル)における定期航空運送事業は、免許することが適当である。

 理  由
株式会社ジャル エクスプレスは、大阪〜仙台間において定期航空運送事業を経営し、両地域間の利用者の利便の向上に寄与しようとして、この申請に及んだものである。
 申請者の事業計画によれば、平成12年1月11日から大阪(大阪国際空港)〜仙台間に、B−737型機を使用して、1日2往復の運航を行おうとするものであり、所要時間は往路1時間10分、復路1時間25分を予定している。
 なお、両地域間においては、現在、全日本空輸株式会社がB−767型機を使用して1日4往復、株式会社日本エアシステムがMD−90型機及びMD−81型機を使用して1日2往復、日本航空株式会社がB−737型機を使用して1日2往復の運航による定期航空運送事業をそれぞれ経営
しているが、日本航空株式会社は、申請者による申請事業の開始の日から当該事業を休止することとしている。
当審議会に提出された資料その他によって検討した結果は、次のとおりである。
( 1 ) この申請事業の開始は、大阪〜仙台間の航空需要に対応し、利用者の利便の向上に資するものであり、公衆の利用に適応するものであると認められる。
( 2 ) 輸送需給については、日本航空株式会社の経営に係る両地域間の定期航空運送事業が休止されることを前提に、両地域間の航空利用旅客の輸送実績等を勘案して予測すれば、全日本空輸株式会社、株式会社日本エアシステムの運航と競合することを考慮に入れても、運航開始後1年間の推定輸送量として旅客167千人、貨物550トン程度は確保されるものと考えられ、申請者が申請どおり運航を行うとしても、航空輸送力が著しく供給過剰になることはないものと認められる
( 3 ) 事業収支は、上記の推定輸送量と使用航空機についての運送原価等に基づいて算定すれば、上記期間中において、収入2,043百万円、支出1,770百万円、差し引き273百万円の利益を生ずるものと見込まれる。
 航空保安上の諸点については、使用空港及び申請路線に係る航行援助施設は整備されており、必要な航空機及び乗員等の要員も確保されていること、また、運航及び整備関係業務については、運航管理業務を日本航空株式会社の運航管理者を兼務発令して実施することとし、整備業務、運航支援業務等を当該業務遂行体制の整っている日本航空株式会社及びその関連会社である日本トランスオーシャン航空株式会社に委託して実施することとしており、自社においては委託業務の管理を含む安全管理業務を遂行するため、十分な知識・経験を有するものを各部門の責任者として配置するなど必要な体制が整備されていることから問題はないものと認められる。
 以上により、事業計画は、経営上及び航空保安上適切なものと認められる。
( 4 ) 申請者は、日本航空株式会社が全株式を所有する会社であり、定期航空運送事業の経営に係るそれぞれの部門に必要な知識・経験を有する者を役職員として配置していること及びこれまでの実績その他からみて、申請事業を適確に遂行するに足る能力を有するものと認められ、また、欠格事由に該当しないものと認められる。
.以上に掲げる理由により、この申請は航空法第101条第1項各号に掲げる基準に適合するものと認める。
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