取扱事業法の施行状況を概観すると、木目細かい経過措置の手当もあって、殆ど混乱もなく、この3年間に円滑に定着を見たといってよい。
取扱事業法施行後の新規参入状況をみると、法施行時期が深刻な景気後退期と重なったこともあり、事業者数は必ずしも大幅に増加しているとはいえないが、従来の趨勢と比べると着実に新規参入がなされている。また、外国フォワーダーとの相互参入も概ね適正に行われている。
運賃・料金の届出状況をみると、新規参入、路線追加等に係る運賃・料金について、概ね時宜を失することなく弾力的に設定・変更が行われている。
社会ニーズの変化、法制度の変更に対応した新サービスとして、平成3年12月より、「航空宅配便」サービスが開始された。
附帯決議に対し講じた措置の主なもの及びその遵守状況は以下のとおりである。
- 取扱事業者が実運送事業者や関連する貨物流通関係事業者(以下「実運送事業者等」という。)を運賃・料金等の面で不当に圧迫することのないように、施行規則に訓示規定を設けるとともに運賃・料金の遵守について地方運輸局等へ通達を行い、また監査等を通じてその指導を行っている。
- 参入に当たっての審査基準の統一性、透明性の確保を図るため、審査基準について地方運輸局等へ通達した。
- 港湾運送事業と取扱事業との関係については、両事業間に混乱がないよう地方運輸局等へ通達するとともに、周知徹底を図った。
- 取扱事業者の監査等について地方運輸局等へ通達するとともに、本省・地方運輸局において着実に行っている。
関係団体の意見、監査結果等によれば、取扱事業と実運送事業等の関係は取扱事業法によって大きく変化したということはなく、附帯決議の趣旨は遵守されており、新法施行後の事業運営は概ね適正に行われていると評価してよい。
ただ、港湾運送事業との関係において、取扱事業の業務の範囲の逸脱を懸念する声があり、附帯決議の更なる徹底が必要と思われる。
経過措置により、取扱事業法施行前からの事業者は、概ね大きな混乱もなく事業を継続しているが、一部事業者について所要の手続きが残っているものがある。