【講評】
受賞者は、施設の老朽化や歩行者の移動の円滑化等が課題となっていたJR 川崎駅東口駅前広場において、移動困難者への対応をユニバーサル視点に立って取り組んだ、歩行者、バスを優先する駅前広場再編整備計画を策定し、一般利用者のみならず、障害者・高齢者の移動円滑化にきめ細かく配慮した、これまでの都市計画の流れと一線を画する「人にやさしい」バリアフリー化整備に取り組んだ。こうした取組みを進めた点を高く評価し、表彰することとした。
【受賞者の取組み】
■ 取組みの概要
川崎市では、JR川崎駅東西両地区の回遊性・利便性の向上やバリアフリー化の促進等を図るため、平成16年に学識者・市民・公共交通事業者及び商業者等から構成する「川崎駅周辺総合整備計画策定協議会」を設置し、総合整備計画を策定した。JR川崎駅東口駅前広場の再編整備にあたっては、障害当事者等からの意見聴取やまち歩き点検など、多角的な視点からの議論を行い、ユニバーサルデザインに配慮した駅前広場の再整備を行った。
● 歩行者の回遊性とゆとりある広場空間の創設
川崎駅東口駅前広場では、利用者が地上を通って直接バス乗り場や市街地へ行けるように7箇所あったバス島を方面別に2箇所に集約し新たな歩行者空間を創出するとともに、地上部と地下街を結ぶエスカレーターやエレベーターを増設し、駅周辺地区全体の回遊性にも配慮しながら、バリアフリー化の行き届いた安心・安全なゆとりある空間を創出している。
● 障害当事者の参画
再編整備事業にあたっては、身体障害者・聴覚障害者・視覚障害者等を交えた「まち歩き点検」を実施し、改善点や要望等を反映した施設整備を行った。
● 全国初となるユニバーサルデザインタクシー専用の乗り場整備
駅前整備再編に際し、全国初となるユニバーサルデザインタクシー専用の乗り場を整備した。また、ユニバーサルデザインタクシーの購入にあたり、事業者への補助制度を創設した。
【今後期待される取組み】
「川崎市交通バリアフリー基本構想(川崎駅周辺地区)」に基づき、更なるスパイラルアップを図ることが期待される。
【連絡先】
神奈川県川崎市川崎区宮本町1番地
TEL 044-200-3021
(まちづくり局市街地開発部市街地整備推進課)
【Web-URL】
http://www.city.kawasaki.jp/
川崎駅東口駅前広場再編整備事業(主な取組み)
バス島の集約とバリアフリー化
路面素材は滑りづらく・目地の少ないものを採用
車椅子使用者に配慮したバス案内板を整備
ユニバーサルデザインタクシー専用乗り場