バリアフリー

日本航空株式会社・日本エアコミューター株式会社 「小型機へのストレッチャー搭載の実現等による離島航空路線のバリアフリー化、食物アレルギーツアーの企画等によるユニバーサルツーリズムへの積極的な取組」

講評

 受賞者は、誰もが旅、スポーツ、文化を楽しめる社会実現に向けて、社内人材育成と、空港見学会等の社会貢献に努めてきた素地の下、このたび保安検査場でのストレス軽減を目指した堅牢な「木製車椅子」を国内空港に導入した。また、離島航空路線への「小型機へのストレッチャー搭載」や「搭乗スロープ」を導入し仰臥での移動を可能にするとともに、「自動搬送モバイルロボットの実証実験」に取り組んだ。食のユニバーサルデザインともいえる「食物アレルギー対応ツアー」は、ホテル等での汎用性も見越している。これらの取り組みを総合的に評価し、表彰することとした。

受賞者の取組み

■ 取組みの概要
 日本航空株式会社及び日本エアコミューター株式会社では、誰もが旅、スポーツ、文化を楽しめる社会の実現のため、アクセシビリティ向上に積極的に取り組んでおり、小型機へのストレッチャー搭載や搭乗スロープの導入、食物アレルギー対応ツアーの開発・企画等に取り組んでいる。

●「 小型機へのストレッチャー搭載」や「搭乗スロープ」の導入による離島航空路線のバリアフリー化
 ATR 社との共同開発により、仰向けに寝た姿勢のままで搭乗できるストレッチャーを導入、カーテンでのプライバシーに配慮している。また、パッセンジャーボーディングブリッジを直接使用できない小型機への乗降に際し、車椅子を利用する利用者のためにスロープを配備し、バリアフリー化を図った。スロープの導入により、乳幼児連れや高齢者からも、乗り降りの際の不安が解消されたと評価されている。
                                                                                                     

                                                          ストレッチャー                                                搭乗スロープ

● さまざまな利用者が楽しめるアレルギー対応ツアーの実施等
 アレルギーを持った利用者の、旅行や外食への不安を取り除くために、「安心して食事をし、旅行する楽しみを知ってほしい」という想いから、関連団体や専門家と協同し、食物アレルギーツアーを2010 年より実施してきた。食物アレルギーの利用者に評価されると共に、ホテルをはじめとした受け入れ側にも食物アレルギーに関しての講習会を実施することで、応需体制を強化してきた。受け入れ側の付加価値向上による差別化や地域力の底上げも図っている。









● 空港内をより快適に移動するための「木製車椅子」の導入、「自動搬送モバイルロボットの実証実験」の実施等
車椅子については、保安検査場において金属探知機で反応し再検査になってしまうことについて、利用者から改善の要望があったところ、2017 年7 月より木製車椅子を国内の空港に配備を開始した。2018 年までに国内全空港(羽田空港国際線ターミナルを除く)に配備を予定している。
本車椅子は、軽量で丈夫、加工がしやすい合板を使用することで、比較的安価で量産が可能であり、たとえば、金属製のものを一切持ち込めない病院のMRI 室への移動時の利用など、多様なシーンでの活用が期待できる。また、自動搬送モバイルロボットを使用した、車椅子使用者の手荷物を運ぶ実証実験にも積極的に取り組んでいる。

                                     木製車椅子


                             自動輸送モバイルロボット


日本航空株式会社
【連絡先】〒140-0002  東京都品川区東品川2-4-11
【Web - URL】 http://www.jal.co.jp/


日本エアコミューター株式会社
【連絡先】〒899-6404  鹿児島県霧島市溝辺町麓787-4
【Web - URL】 http://www.jac.co.jp/

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