受賞者は、地下鉄全49 駅で稼働式ホーム柵を設置するなどバリアフリー化に積極的に取り組んできた。また、新設した路面電車のループ化区間において、市民参加のもとに、歩道側を走行する「サイドリザベーション」方式を採用したことで、歩道から電車に直接、乗降することができるようになった。これらの結果、車椅子使用者・視覚障害者など、障害のある人を含む多くの利用者の安全性・利便性が大きく向上した。これらは鉄道事業における模範となるものであり、表彰することにした。

■ 取組みの概要
　札幌市交通局では、地下鉄全49 駅への可動式ホーム柵の設置や、歩道から路面電車に直接、乗降することができるサイドリザベーション方式の導入とあわせて、全駅員を対象に高齢者や身体の不自由な利用者の介助技術を学ぶ研修を実施する等、ハード・ソフト一体となったバリアフリー化の推進を図っている。

● 地下鉄・路面電車の創意工夫を凝らしたハード整備
　既存駅を含めた地下鉄3 路線全49 駅に「可動式ホーム柵」を設置したほか、ホーム柵各扉に車椅子対応等を運転手に知らせるための「旅客対応中ボタン」、車両とホームの隙間が15cm 以上の乗降口には「転落防止ゴム」を設置するなど、利用者の安全・安心に繋がるバリアフリー化を積極的に推進している。また、路面電車では、ループ化区間において、全国でも珍しい歩道側を走行するサイドリザベーション方式を採用し、歩道から電車に直接、乗降することができるため、低床型車両の導入効果も合わせて車椅子使用者の利用件数が増加するなど、高齢者や障害者の移動等における利便性を大きく向上させている。

   
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　東豊線可動式ホーム柵　　　　　　　　　　　　　　　　　　サイドリザベーション方式の路面電車

● 利用者の声や職員の気づきをベースとしたバリアフリー化
地下鉄駅全ての階段を対象に、色により段を容易に識別できるようにし、ゴム材により雨や雪などのスリップを防ぎ、転倒事故の抑制を図るための、階段ステップの改修を実施した。また、車椅子使用者等が安全に乗降できるよう、ホームと列車の隙間と段差を解消するために、職員により手づくりで「車椅子用渡し板」を開発。長年の改良を重ねて、駅ごとの微妙な段差の違いに対応し、車両の形状に合わせたズレ止め機能を付けるなどの工夫を凝らすとともに、駅員が素早く対応することを目的に各駅のホーム壁面に設置している。

　　
　　　　　　　視認性が高く、転倒事故の抑制を図った階段

　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　車椅子用渡し板

　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　車椅子用渡し板（使用シーン）　　

● 利用者の声や職員の気づきをベースとしたバリアフリー化
　地下鉄駅全ての階段を対象に、色により段を容易に識別できるようにし、ゴム材により雨や雪などのスリップを防ぎ、転倒事故の抑制を図るための、階段ステップの改修を実施した。また、車椅子使用者等が安全に乗降できるよう、ホームと列車の隙間と段差を解消するために、職員により手づくりで「車椅子用渡し板」を開発。長年の改良を重ねて、駅ごとの微妙な段差の違いに対応し、車両の形状に合わせたズレ止め機能を付けるなどの工夫を凝らすとともに、駅員が素早く対応することを目的に各駅のホーム壁面に設置している。

　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　地下鉄の専用席の表示　　　　　　　　　　　　　　困っている人０（ゼロ）運動のポスター　

◎ 今後期待される取組み
　地下鉄については、今後さらに多様な障害者や市民のニーズを把握し、当事者参加・参画のもとでキメの細かいバリアフリー化に努めることを期待する。路面電車については、新規区間におけるより安全・便利な歩道からの車椅子アクセス環境改善の工夫、在来区間におけるホーム改善を含むバリアフリー化の工夫に努められたい。

札幌市交通局
【連絡先】〒004-0041 　北海道札幌市厚別区大谷地東2 丁目4 番1 号
【Web － URL】　http://www.city.sapporo.jp/kurashi/kotsu/index.html