バリアフリー

鳥取県・公益財団法人日本財団・一般社団法人鳥取県ハイヤータクシー協会 「官民一体となった先駆的なタクシーのバリアフリー化」

講評

 受賞者は、官民一体となり、ユニバーサルデザインタクシーを一気に導入する先駆的事業を行った。これにより特に車椅子使用者をはじめとする鳥取県下の移動困難者にきわめて大きい移動支援のインフラを整備したことになる。これほど大規模なユニバーサルデザインタクシーを導入したことは、いまだかつて一度もなかったことであり、官民一体となった先駆的な取り組みを高く評価し、受賞することとした。

受賞者の取組み

■ 取組みの概要
 鳥取県、公益財団法人日本財団及び一般社団法人鳥取県ハイヤータクシー協会では、官民一体となり、2020 年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて、誰もが移動しやすい新たな地域交通モデルの構築を目指し、県全体でユニバーサルデザインタクシーの導入割合を高めるとともに、利用環境の整備、ユニバーサルドライバー研修の実施などのタクシーのバリアフリー化を進めている。

● 200 台のユニバーサルデザインタクシー導入
 平成28 年4 月に14 台が導入されたのを皮切りに、平成28 年度中に県全域で125 台を導入、平成29 年度中に更に75 台を導入し、県内タクシーの約4台に1台である200 台のユニバーサルデザインタクシーを導入することにより、高齢者や障害者の外出支援を促進する。なお、車両については、ユニバーサルデザインタクシーであることを広く認知できるよう車体色を黄色に統一するとともに、車体に大きく「UD TAXI」の表示を行う等基本デザインの統一化を行っている。


                       ユニバーサルデザインタクシー

● ユニバーサルデザインタクシーの利用環境の整備
 鳥取県の玄関口である空港・駅を中心にユニバーサルデザインタクシー専用待機場所の整備、乗降場案内板の整備、段差解消等を行っており、引き続き総合病院等においても利用環境整備を進めることとしている。導入当初は福祉タクシーのイメージが強く、一般の利用者が利用を控える傾向が見られたが、積極的な広報活動により“ユニバーサルデザイン”本来の誰でも乗れるタクシーとして認知が高まっている。


                    鳥取コナン空港(待機場整備・案内版表示)             鳥取大丸前(段差の解消(バリアフリー化)・案内版表示)

● ユニバーサルドライバー研修の推進
 ユニバーサルデザインタクシーの200 台導入のみならず、高齢者・障害者等の特性を理解した接遇向上のためのユニバーサルドライバー研修を、平成30年度までに県内のタクシー乗務員全員に対し実施することとしている。実施にあたっては、ユニバーサルドライバー講師資格を一般社団法人鳥取県ハイヤータクシー協会役員自らが取得するほか、各タクシー事業者も積極的に受講者を派遣するなど業界を挙げて積極的な研修が行われている。


                                             ユニバーサルドライバー研修の様子

● ユ ニバーサルデザインタクシーの多方面での展開
 高齢者の外出支援として、「自宅~介護予防教室~ショッピングセンター~自宅」といった輸送について、ユニバーサルデザインタクシー等を活用するとともに、買物同行支援者として地域ボランティアの育成を行い、高齢者が自立して買物ができるような地域の支援体制の構築を着実に推進していく。

◎ 今後期待される取組み
 今後、移動距離が長い人など、タクシーの運賃を支払うことが難しい人に対する移動保障をどのようにするかが大きな課題であり、より利用しやすい環境となることを期待する。


鳥取県
【連絡先】〒680-0011 鳥取県鳥取市東町一丁目220 番地(鳥取県地域振興部交通政策課)
      TEL 0857-26-7641
【Web - URL】 http://www.pref.tottori.lg.jp/263497.htm


公益財団法人日本財団
【連絡先】〒107-0052 東京都港区赤坂1 丁目2 番2 号日本財団ビル
      TEL 03-6229-5111
      FAX 03-6229-5110
【Web - URL】 https://www.nippon-foundation.or.jp/

一般社団法人鳥取県ハイヤータクシー協会
【連絡先】〒680-0006 鳥取県鳥取市丸山町246 番地10
       TEL 0857-24-4689


 

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