国土交通省
 第1回「情報化社会と交通」研究会・議事要旨
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資料(PDF形式)説明後意見交換〜

 鉄道の場合、ダイヤが乱れた時、事前に運行情報を入手していたお客様よりも、詳しい運行情報を知らずに駅にきたお客様の方が不満度が当然強くなる。いかに本人の行動の前にタイムリーな情報を提供するかが重要だと認識している。
 
 ドコモのiモードに約2000万人以上が加入している状況であり、非常にインフラ的になってきた。自分のタイミングで情報がとれるなど受信者中心主義になってきており、過去と違う発想が必要。今後のIT化の進展をよく見据え、これをどう使いこなすかが重要。
 
 バスの世界では、定時運行を厳守するのは困難。路線も複雑なのでリアルタイムに情報提供をするのは難しい。これからの新しい時代にバスが活躍できるように情報化の進展に期待している。
 
 現在、iモード、パソコンでインターネットを通してチケット予約等を行っているが、各社によって表示方法や検索方法が異なるので不便を感じている。
 
 現在は規制緩和でコモンキャリアに対する規制が緩くなっている時代。その中で情報提供を義務づけるということが可能かどうかは疑問。今後は利用者側から情報発信をし、それに運行側が反応するということも考えていくべきだろう。
 
 国土交通省では、「電子政府」を目指しているが、これを実現するためには、事業者側に広く使っていただく必要がある。しかし、大手の会社は別にして小さな会社などはデジタル化に対応できないところが多く、この辺をどうフォローしていくかが課題。気象情報などは国民が必要なコンテンツとして行政が発信しているが、電子政府で行政が収集した交通情報もそういう面があるのではないかと考えている。
 
 交通の運行状況ぐらいはデジタルで出してほしいというニーズがあると思う。BSデジタル情報はこれに対応することが可能なので、NHKとしても対応したいと考えている。
 
 モバイル端末の利用が爆発的となっており、最近は、台風などの際、利用者のアクセスが一挙に10倍に増えるなど利用状況が一変して、システムが機能しなくなってしまう。こうした問題に対しては、インフラ整備の観点から対応が必要。
 
 交通とITとの関係には、ITを駆使して交通情報を提供するという側面とITを使って交通そのものを高度化するという両者の側面がある。いずれにしても、交通情報の提供は大きなカギ。交通情報には道路局や警察庁の道路情報、公共交通情報、民間の情報等々があるがこれらをうまくミックスすることが必要である。民間の立場だと、交通情報の提供で金を取ることができないので、ビジネスの仕組みを考えるのが難しい。
 
 交通情報が事前に分からないというストレスを取り除くことが重要だが、これは道路、バス、鉄道等の交通資源の有効活用、最適化(ベストマッチング)といった国民経済的観点からも重要。このために、情報化の役割があると考える。
 過去に、地震で新幹線が止まった事態に遭遇したことがあるが、携帯電話が役に立たずに、まったく情報がない状況に追い込まれたことがある。このような緊急時にどう対処するかが重要。必ず何らかの手が打てるはず。
アメリカには、セーバーシステムというものがあるが、こうした海外の事例を調べるのもいいと思う。
 利用者(国民)がトータルに交通情報を手に入れることができるようにすることには税金を投入する価値がある。交通関係の情報化は現在まったく白紙の状況で、まさにこれからだと思う。
 
 ドア・ツー・ドアで人が動いている時にタイムリーに必要な情報は何なのか、全体像を明らかにすべきである。例えば移動制約者への情報提供は現在不充分であり、国として、何らかの対応をすべき分野でもある。また、データの標準化や緊急時の対応も重要な課題。
 
 緊急時対応については、人命救助を要するレベルとそうではないが列車が広域的に止まるレベルの2つがある。後者に係る情報伝達・提供のマニュアルが不充分と認識。
 
 利用者は緊急時には何時もいつ列車が動くのかが知りたいわけで、今後緊急時の情報の提供方法を関係者間でシミュレーションすべき。
 
 緊急時に携帯電話など個のメディアが使えなくなるのはやむを得ない面もある。車内のデジタル掲示板で情報提供をするなど、皆が共有できる情報を時々刻々流すといった工夫が大事。
 
 歩行者が携帯電話を道路際の店に向けると、その店の情報が得られるといったシステム構築の話があったが、こうした、ロードサイドの人にビジネスチャンスを与えるのも交通情報提供の一つの役割で、広義のITSといえるかもしれない。
 
 VICSをさらにカスタマイズして、オンデマンドでリアルタイムな交通情報予想といったものができないか考えている。
 
 マイカーと鉄道、バス等の公共交通の最適な組み合わせを積極的に考えるべきであり、提供する交通情報もこの組み合わせが可能なようにすべき。
 
 道路を整流化すれば、交通量が増えて結局もとの混雑状態に戻るなど、ITSにもパラドックスがある。個の交通と公共交通のシームレスな情報提供により人の移動を両者にうまく振り分けねばならない。
 
 各交通機関をトータルにコーディネートしたシステムが望まれる。需要と供給の最適配分を可能とするような情報化が必要。
 
 交通事業者の情報のデジタル化は必ずしも進んでいない。現在の交通事業法制は古い法律で必ずしも今のIT時代に対応していないが、新たに規制したからといってうまくいくとも思われない。NHKなどのメディアの力が重要になってくると思う。
 
 デジタル情報を最初に作成インプットをするのは大変な力仕事であり、そう簡単なものではない。
 
 デジタル化された情報を提供することが、交通事業者にとって得になる(もうかる)という仕組み作りを行政が担うべき。
 
 緊急時の対応は、リスクマネジメントとして別途考えるべきだろう。交通の情報化の議論では総論賛成、各論反対になりがち。ここをときほぐすことが必要。
 
 カーナビなどは、日常的に使用していると、通過エリアの周辺の地理が頭に入るものであり、緊急時に対する間接的な準備が自ずとできていることになる。
 
 緊急時対応に関しては、同時にサイバーテロが来るというハードウェアへのアタックとソフトウェアへのテロという両面への配慮が必要。
<以上>

※意見交換後、第2回及び第3回委員会の開催日時を決定。

第2回委員会5月17日(木)14:00〜16:00

第3回委員会6月21日(木)14:00〜16:00


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