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国土交通省環境行動計画(平成16年6月)
 
1.本  文 
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序  章
  第一章−T
  第一章−U
  第二章−T
  第二章−U
  第二章−V
  第二章−W
  第二章−X
  巻末資料
2.モデル事業
  モデル事業の実施について
  モデル事業の実施地域の選定
3.フォローアップ
4.国土交通省の環境政策の基本的方向(平成15年3月)

 

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第一章 国土交通省環境行動計画策定に際しての基本的な考え方と主な取組

U 国土交通行政のグリーン化を進めるための6つの改革

 以上のような4つの視点を踏まえて、国土交通行政のグリーン化を効果的に進めるため、以下の6つの基本的な改革を行ってまいります。併せて、このような国土交通行政のグリーン化が目指す持続可能な社会の礎となる国づくりを進める指針として、国土計画の改革を進めていきます。

(1) 社会資本整備におけるライフサイクル・マネジメント(仮称)の導入
 これまでの社会資本整備については、事業実施段階の個別具体の環境問題への対応に重きが置かれる面がありましたが、今後は、事業の構想及び計画段階から事業実施、維持管理、そして廃棄に至るまで、事業全体のライフサイクルや一つの事業を超えた広域的な視点から、環境の保全・再生・創造を内在化させた取組を進めます。

1)計画決定プロセスにおける環境の内在化
 事業の構想段階における住民参加手続きについては、複数案の作成、公表などのプロセスを各種運用指針等に導入し、取組を推進しているところですが、これに加えて、構想及び計画段階において、事業の計画案を策定するに当たり、環境の保全・再生・創造の観点等から総合的に評価する仕組について検討し、試行的な導入を進めます。

2)グリーン・バンキング・システムの構築等環境の再生・創造を行う社会資本整備の推進
 河川、内湾・沿岸域、里山等において、湿地、干潟や良好な樹林地等の再生技術、再生された環境を管理する技術の確立等により、効果的な自然環境の再生・創造を図ります。
 また、公共事業の実施に当たって、貴重な生態系の保全ばかりでなく、地域における良好な環境の保全、さらには二酸化炭素吸収源対策の観点から、緑地や「海の森」ともいわれている干潟等の確保を図ることとし、公園、河川、道路、港湾等の公共施設空間を活用した緑化を計画的に進めること等により、グリーン・バンキング・システム(一定のエリアにおいて事業の実施に伴い緑地や干潟等を減少させないための仕組)を構築します。
 また、その際には米国のミティゲーション・バンキング・システム等、諸外国で実施されている自然環境の再生・創造の取組も参考にしつつ検討を進めてまいります。

3)アセットマネジメントの導入
 アセットマネジメント(総合的な資産管理手法)の導入により、補修サイクルの短縮による橋梁の延命化など、公共施設の長寿命化を推進します。

4)建設工事のゼロエミッション化((5)@参照)


(2) 環境負荷の小さい交通への転換
 運輸部門における地球温暖化対策については、取組を始めて以降、二酸化炭素排出量はほぼ横這いで、これまでの施策が一定の効果をあげていると考えられるものの、なお2010年度における排出削減目標の達成は容易ではありません。
 従来から、輸送機関の環境負荷低減技術の開発やその普及、交通の円滑化、鉄道等環境負荷の小さい交通機関の輸送力増強など、環境負荷の軽減を図るための様々な施策を講じていますが、それぞれの施策間の連携についてみると必ずしも十分とは言えない面もあります。
 今後、地球温暖化対策を始めとする「交通のグリーン化」を効果的に進めるために、貨物・旅客の両分野において、輸送効率が良く、環境負荷の小さい交通体系の実現を図っていくことが必要と考えられます。企業や国民がこうした交通機関を選択しやすくするためには、利用者に対する経済的な誘因の付与など需要面に着目した施策や、地域と交通事業との連携強化による公共交通の利用促進という視点が不可欠となっています。
 また、地球温暖化や海洋汚染等交通に起因する環境問題は地球規模の問題であることから、我が国がイニシアティブを発揮して、環境にやさしい自動車や海洋汚染防止に関する国際連携・協調の枠組づくりの推進、京都議定書に定められたクリーン開発メカニズム(CDM)の運輸部門における活用など、問題解決に向けた具体的な取組を積極的に進めていく必要があります。

1)グリーン物流総合プログラム(仮称)の創設
 物流部門からの二酸化炭素排出量の削減のためには、輸送単位あたりの排出量が大きい自家用トラックから輸送効率が高く排出原単位が小さい営業用トラックへの転換(アウトソーシング)や、トラックから海運、鉄道への転換(モーダルシフト)を推進することが必要です。また、サード・パーティー・ロジスティクス(3PL:荷主から在庫管理や流通加工を含む包括的物流管理を請け負い、新たな物流サービスを提供する事業)の活用などにより、輸送効率の向上を通じた環境負荷の低減が可能となります。
 こうした取組を効果的に推進するためには、荷主と物流事業者のパートナーシップが必要です。このため、「グリーン物流総合プログラム(仮称)」を創設し、この中で、荷主と物流事業者が協力して燃料消費量の削減を図るための計画づくりを促進するとともに、計画実現のための環境整備を行っていきます。

2)環境的に持続可能な交通(EST)モデル事業(仮称)の実施
 公共交通機関の利用を促進し自家用自動車に過度に依存しないなど、環境的に持続可能な交通(EST)の実現をめざす先導的な地域を募集し、革新的かつ総合的な取組に対して、次世代型路面電車システム(LRT)の整備やバスの活性化等の公共交通機関の利用促進、自転車利用環境の整備、道路整備や交通規制等の交通流の円滑化対策、あるいは低公害車の導入促進等の分野における支援策を集中的に講じるなど、地域の意欲ある具体の取組(トップランナー)に対する連携施策を強化します。

3)東アジア交通グリーン化連携プログラム(仮称)の作成
 世界の経済成長センターである東アジアはCO2対策等の地球環境問題解決の鍵を握る地域であることから、日中韓+東南アジア諸国連合(ASEAN)におけるハイレベル協議を通じて交通グリーン化連携プログラム(仮称)として、環境にやさしい東アジア物流ネットワークの実現のための合意形成を図っていきます。また、同プログラムの一環として、モータリゼーションの進む東南アジア主要都市における混雑・騒音等の問題解決のために、平成20年度を目標として、バスを中心とする公共交通の振興による都市交通のグリーン化を推進していきます。

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