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国土交通省環境行動計画(平成16年6月)
 
1.本  文 
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序  章
  第一章−T
  第一章−U
  第二章−T
  第二章−U
  第二章−V
  第二章−W
  第二章−X
  巻末資料
2.モデル事業
  モデル事業の実施について
  モデル事業の実施地域の選定
3.フォローアップ
4.国土交通省の環境政策の基本的方向(平成15年3月)

 

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第一章 国土交通省環境行動計画策定に際しての基本的な考え方と主な取組

U 国土交通行政のグリーン化を進めるための6つの改革

(5) 循環型社会の形成
 廃棄物問題を始めとする今日の環境問題を解決するためには、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会のあり方や国民のライフスタイルを見直し、間伐材などの再生産可能な循環型資源を積極的に活用するとともに、リサイクルなどを通じて、社会における物質循環を確保することにより、天然資源の消費を抑制しつつ、環境への負荷の低減を図ることが重要です。
 このため、関係者の幅広い連携の下、自らが率先的に行う取組や、リサイクル市場の形成等を通じて循環型社会の形成に資する施策を実行します。

1)建設工事のゼロエミッション化
 建設混合廃棄物の削減や、建設発生木材・建設汚泥等のリサイクルを促進することにより、建設工事のゼロエミション(建設廃棄物の最終処分量ゼロ)を目指すとともに、自然環境への負荷を低減するために土砂等の資源の有効利用を促進します。また、直轄工事については、グリーン購入(できる限り環境への負荷が少ない製品の優先的な購入)によるリサイクル材のより積極的な活用を図ります。あわせて、それらの実行に当たっては、具体的な年次目標の設定等により段階的・計画的な施策展開を図ります。

2)木材リサイクル市場拡大戦略(仮称)の推進
 建設発生木材のリサイクルの促進は、建設廃棄物等の産業廃棄物の最終処分量を削減するだけでなく、地球規模での森林資源の減少を抑制し、CO2の吸収源の保全による地球温暖化防止のために重要な課題です。例えば、焼却等で処分される建設発生木材のすべてをリサイクルした場合、その量は、我が国の南洋材輸入量に相当するとも言われています。しかしながら、その再資源化の状況をみると一層の取組を必要とする状況にあります。
 このため、市場における合理的な選択の結果として建設発生木材のリサイクルがさらに進むよう、以下の施策を強力に講じていきます。
 ・地域の特性を踏まえた建設発生木材のリサイクルを推進するため、地域ごとに促進行動計画を策定します。
 ・木材の主たる需要先である住宅市場においては、安全性の確保等のため、木材等に一定の性能が求められます。こうした住宅市場において、リサイクル木質建材の利用を促進するため、その住宅部材としての性能や品質の評価手法を開発し、市場への門戸を開くことにより、民間活力の活用によるリサイクル製品の開発・供給が図られる市場基盤の整備を図ります。
 ・国土交通省の直轄事業や公団住宅等において、モデル的な使用を率先的に行うことにより市場拡大を図ります。

3)FRP船リサイクルシステムの構築
 繊維強化プラスチック(FRP)製船の3R(「リデュース(Reduce:廃棄物の発生抑制)」「リユース(Reuse:適正な再使用)」「リサイクル(Recycle:再生利用)」)を進めるため、使用済みとなった際に処理が困難なFRP材の使用量を減らした「エコ・ボート」の市場化や、FRP船の長寿命化技術の普及などに取り組むとともに、使用済みFRP船の所有者による適正処理と再生資源としての活用を実現するため、経済的リサイクルシステムを構築するための制度的基盤を整備していきます。

4)リサイクルポート高度化プロジェクトの実施
 循環型社会を形成するため、港湾における循環資源ストック調整システム(仮称)の構築、リサイクルポート(総合静脈物流拠点港)における施設整備支援メニューの拡大、リサイクルポート間実証実験等を通して、循環資源の適正かつ効率的な取扱いを推進する静脈物流システムを構築するための先進的な地域における取組を支援していきます。


(6) 目標の実現力を高める推進方策

1)トップランナーに対する集中的な支援
 地球温暖化を始めとする環境問題に適切に対応していくためには、地域の実情に応じた地方公共団体の取組や、国民各界各層の積極的な取組や様々な知恵の活用が必要です。とりわけ、先進的な取組をしようとする意欲のある者の果たす役割は重要です。
 国土交通省としても、従来から既存の制度を通じてこれらの取組を支援してきましたが、今後、これらの取組を一層促進していくため、環境の切り口から意欲ある者(トップランナー)の具体の取組に対して、関係省庁と必要な連携を図りつつ、制度の整備・充実を含む支援策を講じます。
 この具体的な方策の一つとして、一定の地域において、様々な政策資源を総合的に活用して集中的かつ効果的な支援を行い、かつ、その効果を検証するモデル事業を公募等により実施していきます。

2)国土交通省の率先的取組
 国土交通省は、市場に参画する一員として相当の規模を有する主体です。グリーン購入、官庁施設における環境負荷低減プログラムの策定・推進による庁舎のグリーン改修(改修計画から改修工事、運用、廃棄に至るまでのライフサイクルを通じた、環境負荷の低減に配慮した改修)等の率先的な取組を強化します。また、これらの取組の成果等も含めた国土交通省の環境報告書を公表していきます。

3)観測・監視体制の強化及び研究・技術開発の推進
 地表、大気、海洋を観測し、取得したデータや地理情報の解析により現状の把握や変化の監視・予測を行う体制を強化していきます。また、国土交通省技術基本計画に基づいて、地球温暖化による我が国の詳細な気候変化予測を可能とする気候モデルの開発、ヒートアイランド対策の総合的評価手法の開発等の研究・技術開発を重点的・総合的に推進し、その技術を具体的な施策展開に活かします。さらに、環境に資する研究開発の大学等への支援や民間が開発した新技術を公共工事で積極的に活用するなど、産学等との役割分担・連携により、新規需要の創出を通じて新たな市場の形成につなげていきます。

4)行動計画の計画的実施と推進状況の点検
 国土交通省の環境政策に係る数値目標については、国土交通大臣を本部長とする「国土交通省環境対策推進本部」において平成15年3月に策定された「国土交通省環境政策の基本的方向」に記載されていますが、本行動計画の実施を計画的に進めるため、新たな数値目標の設定も含め必要な見直しを行います。
 また、本行動計画の推進状況については、今後の「国土交通省環境政策の基本的方向」の定期的な点検の中で併せて把握してまいります。さらに、今後の政策レビューのテーマとして取り上げ、政策評価を行います。

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