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中国海外高速鉄道技術調査事業



● 背景と目的

 中国鉄道部は、2004年に中長期鉄道網計画を発表した。同計画は、全国に総延長12,000kmの高速鉄道網を建設する計画が盛り込まれ、2020年までに、営業最高速度300km/hの高速新線を、中国大陸の南北方向に4路線、東西方向に4路線の合計8路線を整備するものである。

 現在、2008年の北京オリンピックに併せて北京−天津間を開業させるべく、急ピッチで工事が行われているほか、武漢−広州−深セン(※)(香港)、石家庄−太原などの区間で工事が進められ、北京−上海間も近く着工されるとの発表があった。この計画に対し、土木工事の着工に追いかけるように、軌道・信号・通信・運行管理・車両等のコアシステムの選定を進めており、日本の新幹線技術の導入に向け、官民挙げた取り組みが行われている。

 このような状況を受け、国土交通省として中国鉄道部と技術交流を行い、日本の高速鉄道技術の理解に努めている。これらの交流は、目に見える協力となるほか、コアシステム選定における新幹線技術の採用にも有利であると考えられる。

※センは土へんに川

● 事業概要

 中国高速鉄道計画では、全体計画での残りの未着工区間のうち、次に着工する路線は中国鉄道部から明らかになっていない。しかし、国土交通省を初めとした日本側関係者と中国鉄道部とでは、共同研究や実務者協議等、様々な機会を通じて技術交流を行ってきた実績があり、また、その成果が現着工区間のシステム選定にも関係していると考えられる。よって、次に着工する路線についても、日本側に協力要請がなされることは充分に見込まれる。このため、平成18年度には未着工区間の路線計画の概要の情報収集を行い、今後の技術交流に備えるとともに、早期の着工が見込まれる北京−上海間について、新幹線技術の適応性や問題点等の技術的検討を行なった。

中国鉄道部においては、これらのコアシステムに関する理解が進み、その他の周辺技術にも目を向け始めている。また、中国においても環境問題への関心の高まりや、住民の権利意識の向上などから、新線建設時における騒音・震動等への配慮が必要になってきていると認識し始めている。このため、中国鉄道部より日本の新幹線における進んだ環境対策技術を学びたいとの要請があり、平成19年度には、高速鉄道における環境対策をテーマに、日本の新幹線等における環境対策の最新状況について中国側鉄道関係者へのセミナーをおこなうと共に、現在の中国高速鉄道の環境対策について文献収集・翻訳を行うことや、建設が進む区間において現地調査やヒアリング等の情報収集を行った。

● 事業の概要図