N o b u h i k o  S h i m a
嶌 信彦 氏
からのメッセージ
ジャーナリスト

略 歴
昭17 中国・南京生まれ(5月5日)
東京都出身
  慶應大学経済学部卒業
昭42 朝日新聞社入社
昭46 毎日新聞東京本社経済部勤務
昭56 ワシントン特派員。サミット始めIMF、ガットなどの国際会議を取材。
昭58 米ミシガン州フリント市の名誉市民となる。
昭62 毎日新聞社退社。フリーとなる。
TBSニュース情報番組のキャスターなどを経る。
平9

この年までTBSテレビ「ブロードキャスター」のコメンテーターを7年間勤める。

現在 テレビ朝日「サンデープロジェクト」、TBSラジオ「ニュースズームアップ」(水曜日7:00)コメンテーターほか、「ニュース23」「報道特集」などにも出演。このほか、雑誌「財界」、月刊「Oggi」など連載中。また、サミット取材は17回に及ぶ。

主な著書
「新冷戦後」(集英社)、「10の空洞化は克服できる」(角川書店)、 「自分を活かす構想力」(小学館)、「ニュースキャスターたちの24時間」(講談社a文庫)ほか多数

経済企画庁「経済審議会企画部会」委員、建設省「次世紀の暮らしを語る懇談会」委員ほか

 


 日本の行政、企業社会は「微調整」は得意だが、大きなパラダイムの変化に応 じて既存のルール・システムを大変革することは、先輩や伝統、過去の経緯への しがらみもあるのか消極的だ。現在の日本は、旧い秩序、制度、慣行などが音を たてて崩れ、新しい時代を迎えているが、その時代にあった新しいルール・シス テムを作るには、まず「原則を自由にする」という発想からスタートすることが 大切ではないか。古いしがらみ、経緯にあまりとらわれることなく、新しい時代 の価値観をさぐりながら、よりよいものを創っていってもらいたい。

 物事が成功するには法則がある。1番目は「夢」と「構想力」を持つというこ と、2番目は構想を実現する「方法」・「技術」と「システム」を作るというこ と、3番目は「情熱」と「志」を持ってそれをやりとげるということである。行 政は「技術」「システム」作りを得意としてきたが、これからは、「夢」や「構 想」を描き、「情熱」「志」を保ちながらその実現に向けて取り組んで欲しいと 思う。

 また、現代のキーワードとして、「変われないと生き残れない」ということを あげておきたい。かつては優良と言われた企業であっても、古いシステムや慣習 に縛られていたところは生き残れていない。行政もかつてのスタイルのままで は、時代のニーズに合わなくなり、生き残れなくなる可能性がある。欧米型の近 代化に追いつく「夢」と「構想力」の時代は終わった。今後は「上」からでな く、国民から「居心地良い、品性のある社会」の構想やアイディアについて対話 を行う、コミュニケーション型行政への転換を図り、新しいルール・システムの もとで、自らを変革していって欲しい。

 人間にとって「奉仕」をすることは、最高の喜びであり、贅沢だと言われる。 どんな富や名声も結局は空しく、最後は必ず「奉仕」こそがもっとも人間的な喜 びだと言うのだ。その意味で行政マンや国会議員は実は最高に贅沢な職業につい ているのだということを自覚し、国家・国民への奉仕に対し、大きな志をもって もらいたいと思う。


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