3.被害の最小化を基本とした危機管理型防災対策の構築


○新たな急傾斜地崩壊対策事業五箇年計画の策定
 平成10年度から新たな急傾斜地崩壊対策事業五箇年計画を策定し、がけ崩れ対策を強力に推進する。

<基本方針>
 ハード主体の対策から、危険個所の増加抑制、警戒避難体制の強化など、ソフト対策を組み合わせた「がけ崩れ被害を減らす施策」への転換
(1)広域的ながけ崩れ対策の推進
 ・行政機関、住民、ボランティア団体等からなる協議会において、地域のがけ崩れ対策の基本的な計画(「斜面の共生21プラン」)を策定
(2)安全で災害のない地域づくり
 ・がけ崩れ危険個所の増加を抑制するため、土地利用の現況を踏まえつつ開発抑制措置を実施
 ・危険個所マップを作成・公表、「斜面カルテ」による安全度の評価を行うなど警戒避難体制の強化
(3)豊かな緑地空間の創出
 ・樹木の崩壊抑止効果を活かした「緑の斜面工法」により、安全で自然にやさしい対策を推進


@ 地域主体の危機管理対策の確立
 防災施設等の整備と併せ、平常時から災害を想定した対策及び災害発生後の被害を軽減するための対策を推進する。

○平常時からの危険箇所や避難場所の周知徹底等
 ・広域ハザードマップの策定、公表等
 ・中高層建築物等を災害時の避難場所等に活用するための方策の検討

○非常時の警戒避難情報の提供及び救援、復旧の支援
 ・氾濫流や火山泥流等を予警報するシステムや避難に係る判断を支援するマニュアルの整備
 ・情報通信技術等の活用による被災状況の把握と救援、復旧の遠隔操作
 ・企業内水防団等の普及、促進
 ・内陸防災拠点の整備 
 ・救援、復旧のための無人化施工技術の開発
 ・道路防災カルテ等に基づく、防災管理体制の強化




A 「減災」を目的とした施設整備への転換
 防災施設等の整備についての基本的考え方を、災害の発生を前提としつつ、被害を最小限にするという方向に転換する。人的被害の絶えないがけ崩れ、土石流対策についてはハード施策に併せソフト施策を強化する。

○まちづくりや公園整備と連携しつつ、スーパー堤防フロンティア堤防の整備などにより、大災害に強いまちづくりを推進

がけ崩れ緩衝樹林帯の整備、危険箇所の増加の抑制、警戒避難体制の強化などハード・ソフト両面からの総合的ながけ崩れ対策等を推進

○計画を超える大地震時にも、建築物の壊滅的な被害を回避するため、特定部材に地震エネルギーを吸収させる技術開発を推進




B 都市における総合的な防災対策の充実
 大災害発生時における安全性の向上や経済・社会機能麻痺を防ぐため、住宅・社会資本の防災性の向上や密集市街地の整備などハード・ソフト両面から総合的な大規模災害対策を推進する。

「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」に基づく防災再開発促進地区等の設定及び整備の促進

○防災公園の計画的整備の推進及び防災性を強化するグリーンオアシス緊急整備事業の充実

○官庁施設や下水道施設の耐震診断の実施と耐震改修の推進

○非常時の救助活動や輸送の確保のため、沿道施設の耐震診断や緊急輸送道路の耐震補強の推進

○スーパー堤防を核として河川舟運を活用したリダンダンシーのある内陸防災拠点の整備

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