東京都・葛飾区


10 水と緑と歴史のフィールドミュージアム「曳舟川親水公園」


写真1
 曳舟川は、江戸時代初期には飲料水用水路として利用され、これが廃止された後は綱を付けた小船を岸から引いて人々を楽しませる乗合船が登場し、安藤広重の江戸百景にも描かれるなど江戸の風物詩として知られ、これが曳舟の由来となっている。
 近年までは灌漑や運搬に使用されたが、その後は排水路となり、下水道の整備により役目を終えて埋め立てられた。
 葛飾区では、かつての曳舟川の流域を「水と緑と歴史のフィールドミユージアム」として再生・整備を進め、区民の身近に自然とふれあうことのできる場の創出を図っている。
 今回整備された「曳舟川親水公園」は、水と緑の環境軸として、清流と緑の自然を再生し、水辺の散策路、水遊び広場、緑道等を設け、区民が憩い、自然と親しめるスペースづくりを進めた。水路は、昔ながらの姿を再現するために、法面の多くを土で施工するとともに、水生植物の植栽、メダカの放流等を行っている。
 計画にあたっては、地元自治会や隣接する郷土と天文の博物館の学芸員等が協力し、整備内容を検討した。また、今回の整備部分は博物館の参加型体験学習の場とするために水田を設け、区民による田植えや稲刈り、餅つきなどが行われており、自然体験や学習のフィールドとしても活用されている。

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