石川県・加賀市


14 北前船の里づくり「橋立町」


写真1
 加賀市の橋立町は、江戸時代から明治時代にかけて北前船の本拠地として栄えた地域で、現在も船主の豪壮な生活を思い起こさせる屋敷群や庭園、街並みが残されている。また、地域内には古くからの道筋も残っており、生活道路や観光客の周遊ルートとして利用されている。
 「北前船の里づくり」は、橋立町地区を加賀市ふるさとの歴史的景観を守り育てる条例により、歴史的景観整備地区に指定し、景観に配慮した建造物群の保存・修景を行い、道路についても石張・天然色舗装の修景整備を行ったものである。
 整備にあたっては、地域住民や行政、学識経験者で組織された基本設計作成委員会において、整備計画や景観基準の検討を行った。建築物については、赤茶系日本瓦の勾配屋根、木製板張りの壁面等の基準を設け、道路は街並みに調和した石張り舗装、表面に洗い出し仕上げを施した側溝を用いている。
 整備後は、橋立北前船の里づくり委員会により、建造物の保全・修景活動も行われており、この委員会や婦人会が街並み散策会を企画したり、周遊ルートを観光客が訪れるなど、歴史のある街並みの活用がより進展している。

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