福井県・上中町


15 若狭鯖街道 熊川宿


写真1
 熊川宿は、豊臣秀吉に登用され若狭の領主となった浅野長政が交通と軍事において重要な場所であると考え、諸役の免除を行い宿場町として整備したものである。また、若狭鯖街道の名は、若狭で獲れた鯖が京都に運ばれていったことに由来している。
 上中町では、重要伝統的建造物群保存地区に選定されている熊川地区において、歴史的景観の保全と修景を図るとともに、交流・観光の拠点を軸とした地域振興を目的に整備を進めてきた。地区内の町家などについても修景だけではなく、歴史的資産を活かしながら地域住民にとっても住みやすい環境づくりに配慮した整備を行っている。
 整備にあたっては、沿道環境保護条例と景観形成ガイドラインを策定し、地域住民の協力を得ながら、伝統的建造物である町家の保存や修景等を図っている。
 街道沿いの旧宿場町は、山辺のみちゾーン、宿場のみちゾーン、川辺のみちゾーンと、それぞれに特色を持たせた三つのゾーンにより構成されている。また、旧熊川村役場を利用した熊川宿資料館や道の駅等も開設され、来訪者や観光客に対する配慮も行っている。
 熊川宿町並み保存伝統技術研究会による勉強会や若狭熊川宿まちづくり特別委員会による伝統の葛つる細工教室など、独自の地域活動も展開されており、約八十年ぶりに郷土芸能てっせん踊りも復活している。

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