滋賀県・近江八幡市


18 安らぎのある農の里 耕遊庵


写真1
 近江八幡市の大中町地区は、昭和四十三年に国営の大中の湖干拓事業の完了によリ入植が開始され、大中町地区の歴史が始まり、以降営農活動が続けられてきた。
 こうした中で、地域住民から自然とともに生きる農村の原風景を取り戻そうという声が上がってきた。このため、滋賀のふるさとを守り育てる条例にある近隣景観形成協定の制度を活用し、平成三年度の景観協定締結を契機として、施設の整備内容が検討された。
 整備にあたっては、琵琶湖周辺に自生するヨシを使用しているほか、古電柱の再利用、滋賀県産の間伐材により、広場に東屋や藤柵が造られ、周辺には近年まで多く群生していたムベを植栽した。また、施設の名称については、心の憩いの場・自然との植生のシンボルをめざして、「耕遊庵」と名付けられた。
 この施設づくりでは、計画段階から地域住民主体で進められ、大中町まちづくり委員会、耕遊会のメンバーを中心に、手づくりで整備が行われた。維持管埋についても、耕遊会が中心に行っているほか、イベント開催時や行事に合わせて情報交換を行いながらの清掃活動も行われている。
 住民らがつくり上げたこの施設は、農作業の合間の休息、地域行事の会場等、人々が気軽に利用できるものとなっている。

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