兵庫県・神戸市


19 野田北部の小径


写真1
 神戸市では、JR鷹取駅に隣接する野田北部地区において、震災後の市民が住宅の再建を行う中で、安全で暮らしやすいまちの復興をめざして、まちづくり計画を策定した。
 この計画は、緑あふれうるおいとやすらぎのある下町を目標に、防災性の向上と安全性の確保を同時に行うため、街路の拡幅と下町らしい街並みの維持・創造を図るものとして進められたもので、土地買収によらない事業手法で行われている。
 震災後の同様な地区では区画整理、再開発事業によって下町らしさが失われつつあるが、野田北部地域ではこうした雰囲気や記憶を将来に残していくものとなっている。
 整備にあたっては、まちづくり協議会及び地域住民と街づくり協定を締結し、従来四メートル幅であった細街路の両側を五〇センチずつ後退させて、五メートル幅の空間を確保することの目途を立てた。その後、小径ごとに路面の材料、デザイン、維持管理について話し合い、計画に反映させている。
 また、ワークショップからの意見により、更地の解消を図るため、きんぽうじゅひろばを設け、街角スポット的な存在としている。
 

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