山口県・美東町


25 ビオトープのある川


写真1
 美東町では、河川や森林等の恵まれた自然環境を活用した公園づくりやオープンスペースの整備を進めており、町域を流れる大田川の河川改修事業に合わせて、地域の自然を保全しながら、人々が水辺に親しめる空間としての整備を行った。
 この流域には、かつて大田川の氾濫で生まれた河原があり、この部分に堰を設けて入江のような形態を造り、ビオトープとしての整備が行われた。
 ビオトープの整備にあたっては、生息環境の調査を行い、生態系に配慮した環境づくりが進められた。本流との間は中島により分離され、水の入れ替わりと一定の水位を保つために潜堤を設置した。また、水際にはヤシロールを使って川床との間に隙間を作り、魚類の隠れ家となるように配慮したり、周辺に生息ずるモリアオガエルやカワセミ等の習性を考え植栽が施されている。
 さらに、上流部には道の駅が開設されていることから、水辺を憩いの場としで楽しんでもらえるように、親水護岸等を整備している。
 計画にあたっては、地域住民からの要望により、車椅子でも利用できる遊歩道、親水護岸から川を渡ることのできる飛石が設けられている。
 整備後は、自然観察をはじめ、イカダレースなどのイベント会場としても利用されているほか、地域住民や道の駅の利用者に憩いの場としで親しまれている。

戻る