鹿児島県・三島村


30 俊寛堂公園


写真1
 平安時代の僧侶であり、平家物語の中にも登場する俊寛は、平清盛により現在の三島村である硫黄島に流され、この地で島民と暮らしながら生涯を終えた。
 三島村では、こうした歴史的背景をもとに観光・交流資源として活用していくことを目的に俊寛堂公園の整備を進めた。
 整備にあたっては、俊寛の住居跡といわれる俊寛堂を当時の生活を偲ばせるように復元し、俊寛像と歴史を紹介したモニュメントを設置、苔道の散策路等の整備が行われた。
 住居の再現にあたっては、これまでにもコンクリート造りの小さなものが存在していたが、地域往民の意見により、硫黄島の素材である笹や大名竹を使って建てられた。こうした作業は住民の手づくりで行われ、島の長老が施工技術を教えるなど、世代間におけるコミュニティの活性化や技術伝承の機会にもつながっている。
 整備後は、郷土の歴史文化を現在に伝えるとともに、観光資源、地城の人々の交流の場等、多彩な活用がなされ、この事業によりお年寄りが竹の加工に携わる機会も増えている。
 また、俊寛まつりも毎年開催されるようになり、郷土芸能の発表の場としても使用されている。

戻る