東京都葛飾区・足立区


9 古隅田川緑道


写真1
 「古隅田川緑道」は、葛飾区と足立区の共同事業として、両区民の安らぎの場を創出する出会いの川・古隅田川をテーマに整備されたものである。
 この事業では、河川や下水道の整備により回復しつつある水辺の自然環境を再生・保全するとともに、地域の人々に見守られ育まれる都市空間の創出をめざした。
 荒川と中川を結ぶ形で整備された水路は、中川を源流とする葛西用水から取水した水を礫間浄化層で処理する浄化ゾーン・せせらぎゾーンをはじめ、小菅地区に残る桜並木や土堤等の景観を保全して水路上にデッキを配した裏門堰親水ゾーン、生物の生息に適した環境を整備した水辺再生ゾーンの三つにより構成されている。
 整備にあたっては、古隅田川緑道水辺環境整備検討委員会が設立され、学識経験者と地域の人々が動植物の調査や整備手法の検討を行った。また、水路に生息していたメダカや菖蒲などを、工事中は小中学校や地域の人々に里親になつて育ててもらい、工事後に放流・移植を行った。
 完成後は、野草が繁殖し、水路にはコイやメダカの泳ぐ姿も見られ、一年を通して自然とふれあうことのできるスポットとなっており、市街地の中で自然と人が共生できる場所が再生された。

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