2.人々が集い憩う水辺づくり
水辺と背後地を一体として公園化を図った取り組み、自然石を行かした河川、海岸整備など、力作が多く見受けられ、このような地域の努力を評価したい。しかし、一方では力が入りすぎてデザイン過剰となり、全体として騒がしい印象を与える事例も見受けられた。今後は、周囲の風景にとけ込んだ品の良い水辺がつくられることを望みたい。
また、地域と密着した生活道路や公園などの周囲の施設と機能的・景観的に一体となった整備を行うことにより、人々が自然に水辺へ近づけるような工夫が行われているものがあり、より生活に密着した水辺づくりという観点からも、このような取り組みを高く評価したい。
なお、今回の応募では、都市におけるゼロからの水辺の創出から、地方における自然の水辺を生かした整備まで、さまざまな形態の水辺づくりが見受けられ、このような地域の特性に応じた取り組みが、今後さらに全国各地で行われることにより、個性ある地域づくりが行われていくことを期待したい。
さらに、受賞社会資本のうち、いくつかの代表的事例についての講評を以下に示す。
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ささ舟の路 埼玉県戸田市
宅地化によって使用されなくなった旧水路をせせらぎとして公園に取り組むことにより、再び地域に水を呼び戻し、さらに、シンボルとなるオブジェを水辺に配することによって、都市の中の貴重な水辺空間を創出している。
特に、水辺周辺の広場は、「一寸法師」「不思議の国のアリス」などの童話に沿った一連のストーリー性をもった整備がなされている。また、ストーリーを構成するオブジェも子供たちが親しめるサイズとなっており、これらのきめ細かな配慮を高く評価したい。
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いがわこみち
民間に囲まれ、従来、洗濯や菜洗いの場として地域住民の生活に密着した水辺を、市街地の遊歩道と一体的に整備することにより、地域の住民や地域を訪れる人々にも解放するとともに、原風景を尊重した周囲にとけ込んだ落ち着いた水辺を創出している。
生活用水という性格上、さまざまな制約がある中で、人々が集う水辺としての空間と生活用水利用の場としての空間をうまく両立させている。
また、清掃、水量調整等の作業が地域住民、有志によって行われており、地域住民が主体となった地域づくりの取り組みとして高く評価できる。
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緑と水辺のやすらぎ回廊 京都府城陽市
全体計画において、木津川に沿った7地区2、7キロメートルにわたる水辺と緑のネットワークが計画されている。現時点では2地区が完成しており、そのうち1地区ついては老人福祉センターとの一体的な整備が行われている。また、この水辺空間は桜づつみとして整備されており、今後1日も早く7地区すべてが完成し、それらが緑のネットワークで結ばれることを期待したい。
この水辺づくりは、公募により広く市民のアイデアを聞き、市民に親しまれる施設づくりを行った取り組みとして評価したい。
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東中富親水公園
人工滝を中心に小川、芝生広場をコンパクトに配することによって、新たな風景を創出し、地域の人々が親しめる水辺空間が提供されている。
人工滝は、いかにも人工的であるにもかかわらず、周りの風景を損なうことなく、むしろ新しい風景を創出している。周囲の風景を十分考慮した取り組みとして評価したい。
この公園では、地元児童によるコイの放流や地元町内会による美化活動が行われており、行政と地域住民が一体となった地域づくりの今後のさらなる取り組みに期待したい。
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赤城並木とせせらぎ通り 鹿児島県名瀬市
常時水枯れの状態であった市街地中心部にある河川に対し、上流から導水することによって水量を回復し、さらに人工滝や道路の車両止めにより、地域の人々が親しめる水辺づくりが行われている。
また、堰を設けて浅瀬をつくることにより、子供たちが水遊びができるようにも配慮されている。
このように、地域に親しまれる水辺づくりに重点を置き、特に子供たちに水辺をもたらせたことは、高く評価できる。
地区の父兄や子供たちによって、この河川を「蛍の川」にいようとする動きもあり、今後ともこの施設が核となって個性ある豊かな地域づくりが行われることを期待したい。
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