1.調査の目的
各地方ブロックの建設副産物連絡協議会は、建設副産物対策の具体的な政策立案に必要不可欠な 建設副産物の搬出量や再利用の動向に関する実態の把握のため、平成2年度に引き続き平成7年度 の工事を対象に全国規模の建設副産物実態調査を実施した。
2.調査方法
(1)調査対象工事
平成7年度に全国で竣工した建設工事(公共土木、民間土木、建築)を対象に調査した。
(2)調査対象副産物
・建設発生土
・アスファルト
・コンクリート塊
・コンクリート塊
・建設汚泥
・建設混合廃棄物
・建設発生木材
・その他(金属くず、廃プラスチック、紙くず)
(3)データの解析方法
全国の工事発注金額(土木工事)、着工・除却床面積(建築工事)を母集団として用いることにより、調査工事データから、全数値を推計した。
3.調査結果
(1)建設副産物の再利用率等
平成7年度の全国の建設副産物の再利用率等
(単位:%) |
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北海道 |
東北 |
関東 |
北陸 |
中部 |
近畿 |
中国 |
四国 |
九州 |
沖縄 |
全国 |
建設廃棄物全体 |
(70) 60 [13] |
(65) 54 [29] |
(85) 69 [51] |
(90) 69 [41] |
(85) 74 [59] |
(80) 49 [43] |
(65) 52 [23] |
(60) 43 [12] |
(60) 37 [26] |
(75) 53 [29] |
(80) 58 [42] |
|
アスファルト・ コンクリート塊 |
(100) 91 [44] |
(70) 75 [36] |
(100) 89 [68] |
(100) 91 [30] |
(95) 91 [68] |
(95) 75 [38] |
(70) 73 [27] |
(70) 56 [8] |
(70) 59 [29] |
(80) 45 [8] |
(90) 81 [50] |
コンクリート塊 |
(70) 51 [3] |
(70) 54 [26] |
(100) 81 [67] |
(100) 76 [45] |
(95) 82 [69] |
(95) 58 [52] |
(70) 55 [22] |
(70) 49 [11] |
(70) 41 [15] |
(80) 72 [48] |
(90) 65 [48] |
建設汚泥 |
(35) 6 [4] |
(35) 3 [9] |
(35) 16 [21] |
(35) 31 [24] |
(35) 31 [23] |
(35) 8 [24] |
(35) 13 [11] |
(35) 7 [7] |
(35) 5 [27] |
(40) 5 [14] |
(35) 14 [21] |
建設混合 廃棄物 |
(45) 3 [8] |
(40) 4 [20] |
(60) 28 [34] |
(50) 3 [28] |
(55) 8 [31] |
(65) 6 [44] |
(40) 5 [23] |
(40) 1 [17] |
(40) 4 [29] |
(65) 16 [26] |
(50) 11 [31] |
建設発生 木材 |
(85) 22 [2] |
(70) 33 [47] |
(100) 49 [75] |
(100) 29 [85] |
(95) 58 [81] |
(80) 44 [62] |
(75) 30 [48] |
(80) 23 [43] |
(70) 23 [54] |
(80) 6 [27] |
(90) 40 [56] |
建設発生土 |
(80) 32 [20] |
(60) 23 [40] |
(65) 38 [40] |
(60) 30 [21] |
(80) 29 [36] |
(70) 37 [30] |
(70) 37 [44] |
(65) 34 [40] |
(65) 27 [33] |
(80) 50 [44] |
(70) 32 [36] |
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(注)
1) |
1段目の( )内は、リサイクルプラン21における平成12年度の目標値。2段目は平成7年度、3段目の[ ]内は、平成2年度の値です。 |
2) |
建設汚泥、建設混合廃棄物は減量化を含む値です。建設発生木材はリサイクル施設への搬出量です。建設発生土は公共系工事での建設発生土の利用率です。 |
3) |
平成12年度目標値のアスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊等の指定副産物については、利用品質基準に適応するものを対象に目標を定めています。 |
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(2)排出量と利用・処理量
1)建設廃棄物の全体の状況
- 排出量は平成2年度から30%増。
- 排出量に占める土木工事の割合は6割、建築工事は4割。土木工事からの排出量が増大し、建築工事からは減少。
- 再利用率は減量化量を含めると平成2年度の42%から58%へ上昇。
- 再利用の増加に伴い、最終処分は平成2年度の58%から42%に減少。
- 再利用率等は、公共土木工事で平成2年度の39%から69%へと向上。建築工事は45%から42%へと減少。
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公共土木 |
民間土木 |
建築 |
全体 |
再利用等量 万トン 率 % |
4000 69% |
200 51% |
1600 42% |
5800 58% |
最終処分量 万トン 率 % |
1800 31% |
200 49% |
2200 58% |
4100 42% |
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2)建設廃棄物の種類別排出・再利用等の状況
- 排出量を種類別にみるとアスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊の割合が増加。
- 再利用・減量が進んでいるのはアスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊。逆に、建設汚泥、建設混合廃棄物はほとんどが最終処分。
3)建設発生土の搬出・利用の状況
- 搬出量は平成2年度から7,100万m3増加(18%増)。
- 公共土木工事の搬出量は増加したが、民間土木、建築工事における搬出量は減少。
- 公共系工事等でノ利用(ストックヤード・プラント経由を含む)は、14%であり、その他農地の嵩上げ、宅地の造成や谷地の埋立等のニーズに応えた利用を含む内陸部受入地での利用が約8割を占める。
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※四捨五入の関係で計算が合わない場合もある
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(3)リサイクルプラン21の達成状況
1)建設廃棄物
建設廃棄物全体の総排出量は、阪神・淡路大震災の影響等により予測(抑制を考慮した予測値)を上回り、平成2年度から30%増となっている。このため、リサイクルは進んでいるが、最終処分量は目標ラインを上回っている。
なお、震災関連の建設廃棄物約600万トン(平成7年度推定値)を除いた量は、ほぼリサイクルプラン21における建設廃棄物の排出量予測(抑制を考慮)ラインにのっている。
2)建設発生土
平成7年度の土砂利用量は、全国合計で204百万m3となっており、平成2年度よりわずかに減少している。
これらの土砂使用量のうち建設発生土等の利用料は、65百万m3となっており、平成2年度の利用量75百万m3から10%減少している。
このため、土砂利用量のうち購入土の占める量は、平成2年度の133百万m3から平成7年度は139百万m3に増加している。
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(4)地域別特色
1.建設廃棄物
1)アスファルト・コンクリート塊
- アスファルトコンクリート塊の排出量は、各地域とも増加しており、関東、近畿の順に多く 排出している。
- アスファルト・コンクリート塊の再利用率は、各地域とも上昇しており、沖縄を除くすべての地域で50%を越えている。
2)コンクリート塊
- コンクリート塊の排出量は、関東、近畿地域が多く、この2地域で全国の約1/2を占める。
- 地域別の再利用率は、各地域とも上昇しており、関東、北陸、中部、沖縄で70%を越える再利用率となっている。
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3)建設汚泥
- 排出量はおおむね各地域で減少しており、増加しているのは、北陸、中部地域のみである。
- 再利用・減量化率は、北陸、中部地域で30%を越えているものの、他の地域では20%を下回っている。
4)建設混合廃棄物
- 震災の影響により近畿地域の排出量が大幅に増加しているが、関東地域などでは排出量が減少している。
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5)建設発生木材
- 震災の影響により近畿地域の排出量は増加しているが、関東地域などでは排出量は減少している。
- 建設発生木材の再利用・減量化率は、中部、関東地域で比較的高くなっているものの、ほとんどの地域で平成2年度の再利用・減量化率を下回っている。
6)建設発生土
- 搬出量は公共工事の伸びにより、各地域でおおむね増加しているが、関東地域では減少している。
- 建設発生土を他工事に搬出する割合は、全国どの地域でも10?20%程度となっている。
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