1.分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用を建設工事の請負代金の額に適切に反映させるための事項
特定建設資材に係る分別解体等及び特定建設資材廃棄物の再資源化等を適正に実施するためには、分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用が、発注者及び受注者間で適正に負担されることが必要である。
このため、発注者は、自らに分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用の適正な負担に関する責務があることを明確に認識し、当該費用を適正に負担する必要がある。また、受注者は自らが分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等を適正に行うことができる費用を請負代金の額として受け取ることができるよう、分別解体等の実施を含む建設工事の内容を発注者に十分に説明する必要がある。
加えて、国及び地方公共団体は、分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用を建設工事の請負代金の額に反映させることが分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等の促進に直結する重要事項であることを国民に対し積極的に周知し、当該費用の適正な負担の実現に向けてその理解と協力を得るよう努めることとする。
また、対象建設工事の受注者間においても、分別解体等及び建設資材廃棄物の再資源化等に要する費用が適正に負担されることが必要である。
2.各種情報の提供等に関する事項
国は、対象建設工事受注者が特定建設資材廃棄物の再資源化等を行うに当たって必要となる施設の稼働情報、対象建設工事の発注者等が当該工事の注文を行うに当たって必要となる解体工事業を営む者の企業情報等の提供が十分なされるように、インターネット等を活用した情報システムの整備の支援を行う必要がある。
3.分別解体等及び建設資材廃棄物の処理等の過程における有害物質等の発生の抑制等に関する事項
建設資材廃棄物の処理等の過程においては、廃棄物処理法、大気汚染防止法(昭和四十三年法律第九十七号)、ダイオキシン類対策特別措置法(平成十一年法律第百五号)、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)等の関係法令を遵守し、有害物質等の発生の抑制及び周辺環境への影響の防止を図らなければならない。また、建設資材廃棄物の処理等の過程において、フロン類、非飛散性アスベスト等の取り扱いには十分注意し、可能な限り大気中への拡散又は飛散を防止する措置をとるよう努める必要がある。
なお、冷凍空調機器の冷媒として使用されているフロン類に関して、特定家庭用機器再商品化法(平成十年法律第九十七号)に規定する特定家庭用機器に該当するユニット型エアコンディショナー及び電気冷蔵庫の中に含まれるものについては、特定家庭用機器再商品化法又は廃棄物処理法に従って処理されなければならない。このためには、建築物等に係る解体工事等の施工に先立ち、ユニット型エアコンディショナー及び電気冷蔵庫の所有者は、これらを建築物等の内部に残置しないようにする必要があり、過去にこれらを購入した小売業者に引取りを求めることが適当である。また、特定建設資材に係る分別解体等において、これと一体不可分の作業により冷凍空調機器中のフロン類が大気中へ拡散するおそれがある場合は、事前に回収することによりこれを防止する必要がある。
さらに、断熱材に使用されているフロン類については、建築物の解体時におけるフロン類の残存量が不明確であること、経済的な回収・処理技術が未確立であること等の課題がある。このため、これらの課題について技術的・経済的な面からの調査・検討を行い、適正かつ能率的な断熱材の回収、フロン類の回収・処理のための技術開発・施設整備等必要な措置を講ずるよう努める必要がある。
非飛散性アスベストについては、粉砕することによりアスベスト粉じんが飛散するおそれがあるため、解体工事の施工及び非飛散性アスベストの処理においては、粉じん飛散を起こさないような措置を講ずる必要がある。
防腐・防蟻のため木材にCCA(クロム、銅及びヒ素化合物系木材防腐剤をいう。以下同じ。)を注入した部分(以下「CCA処理木材」という。)については、不適正な焼却を行った場合にヒ素を含む有毒ガスが発生するほか、焼却灰に有害物である六価クロム及びヒ素が含まれることとなる。このため、CCA処理木材については、それ以外の部分と分離・分別し、それが困難な場合には、CCAが注入されている可能性がある部分を含めてこれをすべてCCA処理木材として焼却又は埋立を適正に行う必要がある。また、この施設の整備等について関係者による取組が行われることが必要である。なお、このCCA処理木材については、残存するCCAに関する経済的な判別・分離・処理技術が未確立であること等の課題があるため、これらの課題について技術的・経済的な面からの調査・検討を行い、適正かつ能率的なCCA処理木材の分離・回収、再資源化のための技術開発・施設整備等必要な措置を講じ、CCA処理木材の再資源化の推進に努める必要がある。
PCBを含有する電気機器等についても、これらを建築物等の内部に残置しないようにする必要があるため、建築物等の解体に先立ち、これらは撤去され、廃棄物処理法に従って適切に措置されなければならない。
4.環境への負荷の評価についての考え方
関係者は、特定建設資材の開発、製造、流通、特定建設資材を使用する建築物等の設計、特定建設資材を使用する建設工事の施工、特定建設資材廃棄物の再資源化等、最終処分等の各段階における環境への負荷の評価(ライフ・サイクル・アセスメント)の手法について、調査研究を進めその確立を図るとともに、その手法の活用に努める必要がある。 |