〜公園事業における自然再生事業〜

−自然再生緑地整備事業の事例−

1.埼玉県「くぬぎ山地区」の取り組み

「くぬぎ山地区」は、「首都圏における自然環境の総点検等」において「保全すべき自然環境」の一つに位置付けられている三富新田ゾーン内の一団の平地林です。

かつて畑への落ち葉掃き、萌芽更新、燃料等としての木材利用など、人々の生活の営みと連動した農用林としての物質循環のもとで維持保全が行われてきましたが、近年では、農業経営やライフスタイルの変化などにより、産業廃棄物処理施設の立地や不法投棄も見られるなど、環境保全上の問題が発生しています。

このため、平成16年11月にくぬぎ山自然再生協議会が発足し、同地区の自然再生に向けた検討が進められています。

●「くぬぎ山地区」(埼玉県狭山市、所沢市、三芳町)の全体景観(左)と林内(右)

2.滋賀県「びわこ地球市民の森」の取り組み

「びわこ地球市民の森」づくりは、琵琶湖湖南地域の北部に位置する野洲側新放水路完成により廃川敷地となった土地の一部を、都市公園事業により豊かな森として再生する取り組みです。

この中での緑地の整備は、市民などのボランティアによる苗木からの植樹が行なわれています。維持管理は「森づくりサポーター制度」により、市民との協働による生態系保全空間や、自然とふれあい学ぶレクリエーション空間の整備が進められています。

●「びわこ地球市民の森」(滋賀県守山市)におけるボランティアの植樹風景(左)と植栽後(右)