山陽電鉄周辺の複数事業所における従業員への情報提供(兵庫県)
 
背景
 神戸市と姫路市を結ぶ都市近郊鉄道「山陽電鉄」の利用者は年々減少(年率3.2%)しており、 特に通勤定期利用者が2割以上減少している状況にありました。
  一方、山陽電鉄沿線には、海岸部の埋立地に事業所が多数立地しており、それらの事業所では環境に対する取り組みを重視する傾向にありました。 このような背景から、山陽電鉄沿線の職場における従業員への情報提供の可能性を検証するとともに、 通勤行動を対象とした山陽電鉄の利用促進を目的として、従業員に対する情報提供を行いました。
 
内容
 山陽電鉄沿線の3事業所(明石市役所・川崎重工播磨工場・キッコーマン高砂工場)の従業員に対し、以下の設問を含む調査票を配布することで、従業員に「クルマ以外での通勤(=山陽電鉄での通勤)を考えるきっかけ」をつくりました。また、クルマ以外での通勤を考えるための参考資料として、公共交通に関する情報を記載した地図を配布しました。

   ・事業所から事業所の最寄り駅まで、クルマ以外で行くとしたらどう行きますか?
   ・自宅から事業所の最寄り駅まで、クルマ以外で行くとしたらどう行きますか?
 
結果
・400人の従業員に配布した結果、9割弱(347/400人)がアンケートに回答しました。
・アンケートに回答した従業員の自動車通勤の頻度が1週間当たり平均0.4回減少する一方、自転車・バイク等の通勤頻度が増加しました。
・アンケートに回答したことで、8%の従業員が自動車での通勤を完全に取りやめました。
 
出典
職場における通勤行動を対象としたMMの効果分析−山陽電鉄沿線企業への働きかけ−(第32回土木計画学研究・講演集)