トヨタ自動車(愛知県豊田市)
 
背景
 トヨタ自動車本社地区(愛知県豊田市)では、近年就業人員の増加により、約28,000人の従業員が勤務しているが、朝夕の通勤時間帯の周辺道路渋滞が深刻化しており、通勤時間帯に、事業所周辺の交差点において最大2.5kmの深刻な渋滞が発生しており、特に、トヨタ本社へ向かう主要ルートである東名豊田IC〜トヨタ町間の約4kmを走行するのに約1時間かかる日もあるという状況でした。そこで、豊田市やトヨタをはじめとする市内事業所で構成する「豊田市TDM研究会」は、交通需要の分散による渋滞の緩和を目指した検討を行いました。
 
内容
GPS受信機やビデオを用いた交通データの収集・解析から得られたシミュレーション結果をもとに、「道路インフラの整備」と「交通行動の変革」の両方が必要である、との認識のもと、2004年10月18日〜22日の5日間、「社会実験」として以下の取り組みを大規模に実施しました。

・通勤バス(通常時は往路6経路・復路5経路/3〜15分間隔/各経路10〜20便)を実験的に増便し、通勤手段の転換を呼びかける
・時差出勤やパークアンドライドの奨励
・道路拡幅や交差点改良の提案
 
結果
 「社会実験」の実施により、従業員の交通行動について14%のCO2削減を達成すると共に、豊田IC〜トヨタ町では所要時間が約30分(通常時は40分)となり、約30%の所要時間改善効果が見られた。 また、交差点改良などの「道路インフラの整備」により、さらに3%のCO2削減を達成しました。
(トヨタ自動車 環境・社会報告書2005より)
 
出典
・トヨタ自動車Sustainability Report 2006 (http://www.toyota.co.jp/jp/environmental_rep/06/download/
・トヨタ自動車 環境・社会報告書2005 (http://www.toyota.co.jp/jp/environmental_rep/05/download/index.html
・モビリティ・マネジメントに関する国際セミナー配付資料